Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Laney / CUB12R
15Wと1Wをインプット・ジャックのセレクトで切り替えられる小型チューブ・アンプがレイニーから登場した。どことなくレトロな外観が印象的なアンプだ。
本機はプリ管にECC83、パワー管にEL84を使ったチューブ・アンプ。ゲインで歪み具合を調整し、ボリュームで音量を決め、トレブル、ミドル、ベースで音質を整えるシンプルなコントロールだ。デジタル・リバーブも搭載されているので、ウェットな音作りも簡単にできる。本機はこのサイズ、この価格にしては珍しく、12インチのスピーカーを搭載している点も特徴。やはり12インチは余裕がある。よほど極端なセッティングをしない限り、小口径スピーカーを搭載した自宅用アンプに時折見られるような、高域の詰まったような、低域の足りない、ミドルしか出ない鼻詰まりサウンドになる心配はないだろう。
サウンドは、ゲインを控えめにしたクリーン~クランチでは、外観同様にどこか懐かしいチューブ・サウンド。ジャズ、ブルース、R&Bやクラシック・ロックには最適な音だ。ゲインをグッと上げると結構ザクザクと歪むので、かなりハードな音楽にも対応できるだろう。シールドを1Wの方に差せば、自宅練習等に最適な音量にまで落とすことができ、ゲインを上げたセッティングで、普通にTV等を見るときよりも小さい音量で弾くことも可能だ。背面にはエフェクトのセンド/リターン、ライン・アウト(エフェクト・センドと兼ねている)もあり、宅録や空間系エフェクトを使いたい時など何かと便利そう。
価格も非常にリーズナブルで、高級なブティック系エフェクターよりも安くチューブ・アンプを手に入れることができる。
価格:¥26,800 (税別)
井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジンチャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。