2005年に設立されたこのブランドの楽器は、レリック加工を施したヴィンテージ・テイストを基本にしながらも、ダブル・アクション・トラスロッドの採用や、ギターの場合はグリップと指板の曲率をそれぞれ3種類の中から選べるなど、演奏性にも気を配っているのが特徴だ。ベースはJBスタイルのJ-Classicのみのラインナップのようだが、ボディ材はアッシュとアルダーの2種類が選択可能で、どちらも軽量な材が用意されているばかりでなく、より軽量なチェンバード・タイプも選択できる。ボディの重さとサウンドの関係は意見が分かれるところだが、50～60年代のヴィンテージに限って言えば、材の種類を問わず大多数が軽量なので、このブランドのコンセプトからすれば、軽量なものを選ぶのが筋だろう。ギグバッグに入れて持ち歩いたり、長時間にわたって立奏したりという、実際の使用形態を考えても、軽量な楽器の方が有利ということになりそうだ。

　ネックはギターと違い、グリップはCタイプのみ、指板の曲率半径は、ご本家よりもややフラットな10インチを採用している。ピックアップがJBスタイルということを考えると、各弦のバランスを取るには、よりフラットに近い指板は有利だろう。サウンドは外見通りのヴィンテージ風で、軽量かつ良質（ここが肝腎）な材の特長であるレスポンスの良さと、ローズウッド指板の効果による温かみと適度な重量感が特徴だ。

ヴィンテージの味わいとモダンなテイストが融合した、やや鋭角的なデザインのヘッド。

ネックには、ヴィンテージの風合いと演奏性を両立させたレリックが施されている。

ネックに比べてかなり大胆なボディのレリック加工。カラーは多数の中から選択できる。

機能面に影響がない範囲で錆加工が施されたブリッジ周り。

Rock N Roll Relics / J-Classic Bass（※）