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  • アメリカンとブリティッシュのテイストを持ったブティック・アンプの限定モデル

BadCat / Classic Deluxe LTD

BadCat / Classic Deluxe LTD

  • 試奏・文:村田善行 動画撮影:伊藤大輔
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 超シンプルなアンプはやはり大音量で鳴らしたい。今回ご紹介するBad CatのClassic Deluxe LTDはまさにそんなアンプだ。

 基本デザインは60年代のアメリカン・ブラックフェイスのサーキットにありながら、パワーアンプのトーンにブリティッシュ・テイストが感じられる。たとえば、アメリカン・アンプのトーンと言えば、レンジ感があり、ミッドがハイ寄りで煌びやかなクリーンが特徴的。一方ブリティッシュ・アンプのトーンと言えば、ミッドレンジが「ど真ん中」のミッドにあり、ドライブさせると倍音がジューシーで音にキレがある、という感じだと思う。このBad Catアンプには、その両方のテイストが感じられた。面白いのはクリーン・セッティングではワイドであったレンジ感が、ボリュームを上げてアンプをドライブさせるとミッドレンジにフォーカスする感覚だ。それこそが、このアンプの個性なのかもしれない。

 動画でも説明している様に、アンプ側は常にホットな状態(いつでも来いよ!という待機状態)をキープし、ギターのコントロール(もちろんボリュームとトーンだけでなくピッキングも)でアンプへ送りだす「信号」をコントロールしてやる事で、このアンプは真価を発揮するだろう。結局の所、クラシックな「サーキット・デザイン」「トーン・フェイズ」を持ち、「昔ながらの良い音のルール」に乗っ取ったアンプと言うのは、そういう風に使うべきだという事がよくわかる。エフェクターをたくさん並べるのも面白いが、ギターとアンプを直結!という方が、このアンプはトーンで答えてくれる印象。それくらいダイレクトにプレイヤーとギターの関係がトーンに表れる。

 ギターが上手くなりたい!という皆さんは、是非こういうアンプで練習してほしい。

※使用ギター:Crews Maniac Sound / Aristoteles V2.

Bad Cat / Classic Deluxe LTD

Bad Cat / Classic Deluxe LTD(Rear)

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製品情報

BadCat / Classic Deluxe LTD

価格:¥328,000 (税別)

【スペック】
■出力:20W ■真空管:12AX7×1(プリ部)、12AX7×2(リバーブ部)、6V6×2(パワー部)、12AT7×1(フェイズ・インバーター)、GZ-34×1(整流管)■スピーカー:BAD CAT専用セレッション12インチ×1 ■コントロール:ボリューム、トレブル、ベース、リバーブ ■入出力端子:インプット、リバーブ・フットスイッチ、センド/リターン、スピーカー・アウト ■外形寸法:610(W)× 279(D)× 508(H)mm ■重量:21.5kg
【問い合わせ】
ホットラインミュージック http://www.hotlinemusic.co.jp/badcat-usa/
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プロフィール

村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。

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