Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
Keeley / Compressor Pro
キーリー家3代目の電気技師であるロバートは、音響機器の修理や業務用映像機器の設計、高級オーディオの修理などの仕事を経て、2001年に自らの名を冠したこのブランドを設立し、オリジナルのエフェクターはもちろん、既存製品のアップグレード・モディファイでも知られている。
キーリーではすでに、エフェクターとしてのコンプレッサーやリミッターを各種発売していたが、本機はそうしたものとは一線を画し、スタジオ機器に匹敵する機能とクオリティを持った回路をペダル型のデザインに収めたのが特徴である。トップ・パネルには、圧縮がかかり始める音量を設定するThreshold、信号圧縮の割合を設定するRatio、入力信号に対する反応速度を設定するAttack、入力がスレッショルド値を下回ってから圧縮の動作が終了するまでの時間を設定するRelease、圧縮によって減少した信号レベルを補正するGainと、コンプ/リミッターに必要なパラメーターが全て用意されている。また、KNEEスイッチでは圧縮のかかる範囲とかからない範囲を急峻に切り替えるか(H=Hard)、滑らかに切り替えるか(S=Soft)の選択が可能で、AUTOスイッチをONにすれば、入力信号の性格によってアタックとリリースの値をペダルが自動的に設定してくれる。信号圧縮の様子は、LEDアレイの表示によって視覚的に確認できる。
これらのノブやスイッチの設定により、圧縮がかかっているかどうかがわからないほど自然な効果から、信号をガツンと頭打ちにするような過激な効果まで、自由自在のサウンド作りが可能になっている。フット・スイッチはトゥルー・バイパス式なので、エフェクターとして使う際にはオフ時の原音劣化を気にしなくても済む。エフェクターばかりでなく、様々なオーディオ機器に精通したロバート・キーリーならではの技術が存分に生かされたペダルと言えるだろう。
価格:¥50,000 (税別)