ヘッドウェイ/桜モデル10th Anniversary〜四季折々のストーリー|春
- 2024/05/02
EBS / Billy Sheehan Signature Drive DELUXE
ベース用オーバードライブとして機能面、音質面ともに評価が高く、ビリー・シーンのフォロワーはもちろん、プロ・ベーシストにも愛用者の多いEBSのBilly Sheehan Signature Driveに、新たな機能を追加した進化版のBilly Sheehan Signature Drive DELUXE(以下、DELUXE)がリリースされました。
オリジナル版とDELUXEを比較すると、全体的なデザインのテイストは共通ですが、カラーリングがパープルからオレンジに一新されています。コントロール類を比較するとDELUXEにはフェイズ・スイッチとブースト用のフット・スイッチが新たに追加されており、裏蓋を開ければオペアンプの交換が気軽にできるようになるなど、元々多機能なペダルがさらに機能を追加して進化。このようにオリジナル版とDELUXEにはいくつもの変更点があるわけですが、あえて一番の違いを挙げるならばそれはゲインの高さ、つまり歪みの量です。DELUXEはかなり歪みます!
基本機能を改めて確認してみると、トップ・パネルに並ぶ4つのコントロールは左から「ドライブ」、「トーン」、「レベル」、「クリーン」となっていて、「ドライブ」は歪みの量、「トーン」はフィルター的な効果で音質のバランス、「レベル」は音量をコントロールします。基本的にはこれら3つのコントロールで基本的な歪みの音色を作り、「クリーン」を上げることによって歪み音に原音を混ぜることができます。原音を混ぜる機能は昨今のベース用オーバードライブでは定番になってきており、これによってベースらしい芯のある低音を損なわずに音作りができますね。DELUXEで新たに追加された「ブースト」のフット・スイッチをオンにすれば歪み量はさらに増えます。ブースト時の歪み具合は裏蓋を開けて基板上のトリマで微調整することも可能です。
トップ・パネルの中央部分には「コンプ」と「フェイズ」のスイッチを装備。オリジナル版でも定評があった「コンプ」の機能は、かかり具合を2段階に切り替えるだけなので設定も簡単ですね。コンプのレベル(音量)とスレッショルド・レベル(かかりの深さ)を調整することができるトリマも基板上に備えているので、細かく音を追い込むことが可能。新機能の「フェイズ」は歪み側の位相を逆転させるスイッチですが、切り替えることで主に低音の質感が変わりますね。「クリーン・ループ」と「ドライブ・ループ」はオリジナル版でも備えていたエフェクト・ループで、それぞれ原音側の「クリーン」、歪み側の「レベル」コントロールの直前に挿入されます。付属のインサーション・ケーブルを使用すれば、歪み音にだけフェイザーなどのモジュレーション系のエフェクターをかけたり、原音側にだけイコライザーやフィルターを通したり、本機を中枢に据えた緻密な音作りが可能になります。
音色の印象ですが、歪み自体はオリジナル版と同様にいわゆるディストーション的な攻撃的な歪みです。歪み側は抜け具合を重視した低音が軽めの設計ですが、低音を損ないたくない場合はクリーンを上げればいいだけなので、問題ありません。ブーストをオンにしてかなり歪ませると、歪みは細かくなりますが埋もれることなくシャキッとした質感で、なるほど愛用者が多いのも納得できました。オリジナル版を所有していて“もっと歪んでほしい!”と思っていたユーザーはマストバイですね。多機能なエフェクターですが、設定が簡単で効果もわかりやすいので「1台目の歪みエフェクター」にも最適ですよ。
価格:¥31,000