MPシリーズは、1998年の発売から約16年間、世界中のトップ・ミュージシャンに愛用されるなど、プロのレベルに応える高い基本性能と、外部機器などをコントロールするマスター・キーボードとしての機能を兼ね備えたモデルとして、世界各国で高い評価を得ている。今回新たに登場したMP11およびMP7は、MP10とMP6の性能をさらに向上。ハイレベルなタッチと高いサウンド・ポテンシャルは、ミュージシャンの創造力を刺激し、多彩なパフォーマンスへと導いてくれる。

　MP11は、カワイ・デジタル・ピアノのトップ・ブランドであるConcert Artistシリーズで好評の木製鍵盤「グランド・フィール・アクション」を搭載。最大の特長は鍵盤長の延長で、グランド・ピアノと同等の支点距離を確保し、自然なタッチを実現している。MP7には、「レスポンシブ・ハンマー・アクション」をさらに進化させた最新のアクション機構「レスポンシブ・ハンマー・アクションII」を搭載。両機種ともに、鍵盤の動きや打鍵の強弱をよりきめ細かく検知する3つのセンサーを備え、連打やトリルの際に前の音の響きを残しながら音を重ねることができ、グランド・ピアノを演奏しているかのような感覚を体感できる。

　音源は、時間とともに変化していくグランドピアノ特有の音色を忠実に再現した「HI-XL音源」を搭載。グランド・ピアノの大きな特長である、ダンパー・ペダルを踏んだ時の響板やフレームの響きを再現した「ダンパー・レゾナンス」、ハンマーの硬さを調整できる「ボイシング」、倍音の共鳴を再現した「ストリング・レゾナンス」など、音の響きを細部まで再現。また「HI-XL音源」は、最大同時発音数256音というデジタル・ピアノ最高クラスの性能を誇る。

　コントロール・パネルは、リアルタイムなコントロールを実現するためのボタン配置となり、また、ホイールや4つのノブ、ペダルなどには内蔵・外部音源のさまざまなパラメータを割り当てられる。使用頻度が高いパラメータは、パネル中央に配置された4つのノブに割り当てることにより、ステージ演奏でも瞬時にコントロール可能。さらに、激しいライブ演奏にも安心な「パネル・ロック」や視覚的にテンポを確認できる「メトロノーム」など、ミュージシャンがリアルタイム演奏する上で必要な機能も搭載している。演奏した音源は、MIDIデータとして保存できるだけでなく、オーディオ・レコーダーでMP3形式またはWAV形式のオーディオ・ファイルに変換し、USBメモリに保存可能。バンド演奏の録音やデモ音源作成など、さまざまな用途に活用できる。

　なおMP7は、トーン・ホイール・オルガンをシミュレートした音色も搭載。9本のドローバーをフェーダーやノブで調節することで、リアルタイムに音色を変更しての演奏が楽しめる。さらにトーン・ホイール・オルガンの特徴でもあるホイール・ノイズやクリック・ノイズなどを付け加えることができ、ロータリー・エフェクトやアンプ・シミュレータを組み合わせることで、年代に合った特徴的なサウンドメイクが可能となっている。