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  • 貴重なアーティスト・モデルとビンテージ・ギターを間近で鑑賞

世界遺産級のギターを堪能せよ! ESPミュージアム

ESPミュージアム&クラフトハウス

  • 取材・文:熊谷和樹 撮影:星野俊

日本を代表するギター・メーカーとして世界的な人気を誇るESP。高い製作技術と“オーダー・メイド”を強く打ち出したきめ細やかなサービスでアーティストと密なリレーションシップを築き、長きにわたり音楽的進歩をさまざまな側面から支えてきた音楽・楽器業界のリーディング・カンパニーだ。そんな同メーカーが今年で創業40周年を迎え、それを祝して「ESPミュージアム」をオープンした。ここでは同ミュージアムへの取材を敢行。本来は撮影NGである内観写真とともに、その魅力をお伝えしていきたい。

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ESPミュージアム

ESPクラフトハウス(渋谷区神南1-20-16 高山ランドビル2F)の店内フロアにある階段を登るとESPミュージアムに辿り着く。

ESPミュージアムの入り口。

 渋谷駅から徒歩5分。ESP系列の楽器店として人気の“ESPクラフトハウス”の上フロアにミュージアムは居を構えている。このミュージアムは、同社がこれまで手がけてきたアーティスト・モデルを展示する“アーティスト・ギャラリー”と、超がつくほどの貴重なビンテージ・ギターを展示する“ビンテージ・ギャラリー”の2ギャラリー体制でギターの魅力を伝えてくれる“ギター博物館”といった趣のもの。名だたるアーティストが使用してきた実器や、現在の市場ではもはや見かけることも少なくなったレアなビンテージ・ギターを間近で、しかも無料で鑑賞できるのは嬉しい限りだ。各ギャラリーには専任のスタッフが常駐しており、展示ギターに対する疑問に答えてもらえたり、アーティスト・モデルの製作秘話など貴重なエピソードを聞くことができるのも嬉しいポイント。

アーティスト・ギャラリーの一景。この写真の壁面には“Bardic”を始め、L’Arc~en~Cielのtetsuyaのモデルなどが飾られている。

これぞESPを象徴するギター群。高見沢俊彦(THE ALFEE)の使用で知られる歴々のAngelギターは見応え十分だ。

左側には有名海外アーティストの実器が、右側にはDIR EN GREY 薫、Die、Toshiyaの実器などが展示。

ビンテージ・ギャラリー。左奥にあるESP Navigatorシリーズを始め、他社ブランドの貴重なモデルも展示されている。

ギブソンのラインナップが目を引くが、1954年製バタースコッチ・ブロンドのテレキャスターや63年製エスクワイア、64年製のプレべなど、フェンダー・ビンテージも豊富に取り揃えられているのも見逃せないポイントだ。

ソリッド・ボディはもちろん、グレッチ1958年製6120やギブソン1966年製トリニ・ロペス・デラックス、それにHofner1960年代製1/500などのハコモノも多数展示されている。どれも素晴らしく良いコンディションである。

以下からは、各ギャラリーの担当を務める進士節さん、児玉徹さんの言葉とともに、このミュージアムの見どころをお伝えしていこう。

左はアーティスト・ギャラリー担当の進士節さん。右はビンテージ・ギャラリー担当の児玉徹さん。

──アーティスト・ギャラリーを始めようというコンセプトはどのようにして生まれたんですか?
進士 まずはESPが創立40周年を迎えたということで、それを記念した何かをやろうという発案があったんです。そこから何をやろうかと考えた時に、ESPというメーカーは他メーカーと比べて“オーダー・メイド”という点に力を入れ、アーティストの方々にも愛用していただいてきたという特徴的な歴史がありますから、それを生かした何かをやってみようと。おそらくここまでアーティスト・モデルが豊富にあるメーカーは他にないでしょうから、そこを今一度ギター・ファンの方に楽しんでいただければというコンセプトですね。

──アーティストの実器を展示するということで、実際に現役で使われているギターも含まれていますね?
進士 そうですね。アーティストさんの協力のもと、その時々でお借りできるものを展示するという風にやっています。つまり、ギャラリーに来て見られるギターがその時々によって変わってくるということでもありますね。

──展示されているアーティスト・モデルについて、製作背景のエピソードが聞けるというのも大きな魅力ですね。
士 そういうところはぜひ楽しんでほしいですね。特に私はLUNA SEA関連のアーティスト・モデルを担当してきた人間ですから、SUGIZOさんやJさんのモデルについて、興味があれば詳しくお話することができます。お気軽にお声がけいただきたいですね。

──LUNA SEAのモデルを担当されていたとのことで、現在展示されているものの中で印象深いエピソードのあるギターがあればお聞かせいただけませんか?
士 本当にどれも思い出深いギターですから選ぶのが難しいですが、あえて1本選ぶのであればSUGIZOさんの“PR Triple Neck”でしょうか。LUNA SEAの「LOVELESS」という曲の演奏には欠かせないギターで、20年くらい前に製作したものです。現在でもこの曲を弾く時は使っていただいていて、メーカー冥利に尽きるギターですね。Jさんのベースで言えば“J-TVB-Ⅴ -Fire Red-”などはファンにとっても印象深いものだと思います。2007年に行なわれた一夜限りの再結成ライブ「One Night Dejavu」でも使われていたもので、今やJさんの象徴と言っても良い1本だと思います。

──ありがとうございます。展示品の中で目を弾く個体として、高見沢俊彦さんのANGELギターはやはり強烈ですね。最初期の個体から最近のものまで展示されていますが、年月とともにどんどん凝った装飾をとり入れられていくのがわかって面白いです。
士 ええ、そういう意味ではESPの木工技術の進化が見られます。

進士さんがリレーションを担当したLUNA SEAの実器群。“ECLIPSE”シリーズや“J-TVB”シリーズなど、SUGIZOやJが使用しているモデルを間近で見られるのは世界でもここくらいだろう。

右の壁面にはメタリカのジェイムズ・ヘットフィールドの“Man to Wolf”から、スレイヤーのジェフ・ハンネマン“URBAN CAMO”、ジョージ・リンチ(ex. ドッケン)の“KAMIKAZE-Ⅰ”など海外大物ギタリストの実器が展示されている。

──ビンテージ・ギャラリーについてはどんなコンセプトで開始されたんですか?
児玉 ESPはギター・メーカーであると同時に、ビンテージ・ギターの販売も30年以上行なっており、その中で貴重なビンテージ・ギターを仕入れることができた機会が何回かあったんです。普通はそれを販売するものだと思いますが、せっかくなので会社としてコレクションしておこうと保管していた個体がいくつかあったんです。世界を見まわしてみても、1メーカーがこれだけのコレクションを有しているのは稀だと思いますので、これを機に皆さんにも楽しんでいただこうという気持ちで始めました。

──1959年製のフライングVなど、もはや市場でも見かけることが少ない個体もあって、非常に豪華ですね。一番の見どころはどんなところでしょうか?
児玉 ギブソン、フェンダー、グレッチ、それにゼマイティスなどいろいろあるのですが、中でも価値が高いのはギブソン・レス・ポールの展示でしょうか。オリジナル・バーストの9本を含む計15本のレス・ポールが展示されています。歴史的な個体ですから、現在ではインターネットなどで見ることも可能ではあるのですが、直に見るとまた違った印象が得られると思います。また、ESPの個体もいくつか展示されていて、ESP創立当時のNavigatorも数本とり揃えております。ここもぜひ楽しんでもらいたいポイントですね。

──最初期のテレキャスター、ストラトも見られますし、ギターを学びたい人には良い勉強になりそうですね。
児玉 そういう風に使っていただけると嬉しいですね。もし何か疑問などありましたら、私からお答えします。アーティスト・ギャラリーと同様、お気軽にお声がけ下さい。

──最後に読者へメッセージをお願いします。
児玉 ESPというメーカーだからできること、そしてESPというメーカーの魅力をうまく伝えることのできるミュージアムになっていると同時に、全ギター・ファンが楽しめるギャラリーになっていると思います。店舗のクラフトハウスにお立ち寄りの際は、ぜひミュージアムにもお越し下さい。

ビンテージ・ギャラリー最大の目玉となるのがこのギブソン・ウォール。1959年製のオリジナル・サンバーストや1956年、1959年製レス・ポール・カスタムなどがところ狭しと並べられている。

コリーナ・ボディの1959年製フライングV。オリジナル・フライングVは1958〜1959年の間にわずか98本しか製造されておらず、現在では気の遠くなるような値で取引されているもの。本器はホワイト・ピックガードやクルーソン・ペグなど、そのオリジナル仕様と良好なコンディションを保っているという点で、特に稀少価値の高い1本だと言えるだろう。

これは1982年製のファイヤーバード。表面にはB.B.キングのサインがあり、バックにはスティーヴィー・レイ・ヴォーンのサインがあるなど、また別の意味で貴重なギターである。

ESPクラフトハウス

 新設されたESPミュージアムの下フロアには、渋谷の名店として人気を博す“ESPクラフトハウス”が変わらず営業している。ミュージアムの開業に伴い、新たに増設した“ビンテージ・フロア”のことを中心に、同店の店長を務める佐々木貴慶さんにお話を伺った。

クラフトハウス店長の佐々木貴慶さん。

──新たに増設されたビンテージ・フロアのこだわりポイントをお聞かせ下さい。
佐々木 ミュージアムに展示されているギターは文字どおり博物館クラスのギターになりますが、ビンテージ市場全体を見ればその他にも素晴らしい個体はたくさんあります。そうしたものを中心にしつつ、 ESPらしいラインナップということを意識して、エレキ・ギターのラインナップを充実するようにしています。

──1956年製のテレキャスターなど、ミュージアムにあってもおかしくないような個体も用意されているなど、豪華なラインナップが印象的です。
佐々木 そうですね。他のお店ではなかなか見られないような個体もありますし、ギブソン・メロディメーカーなど、比較的お安い価格で品質も素晴らしいビンテージも用意しております。もちろん試奏もOKになっていますので、いろいろと試していただければと思います。

──在庫は何本くらいあるんですか?
佐々木 常時80〜100本程度ですね。年に2回買いつけを行なっている他、買取も常時受け付けています。委託販売にも対応していますので、興味のある人はぜひお問い合わせ下さい。

ESPクラフトハウスに新設されたビンテージ・フロア。在庫は常時80〜100本でギターとベースをラインナップ。リペア工房が併設されているので、購入の際にその場で調整に出せるのも魅力的だ。

──お店全体で見た場合、アーティスト・モデルが豊富にとり揃えられているのも特徴的です。
佐々木 はい、ミュージアムのアーティスト・ギャラリーを楽しんだあと、このフロアで購入可能なアーティスト・モデルの試奏も行なえるように、たくさんのアーティスト・モデルをラインナップしております。ぜひお試しいただければと思います。

──最後に読者へコメントをお願いします。
佐々木 ミュージアムの新設に伴い、ビンテージ・ギターとアーティスト・モデルの拡充を行ないましたが、他ブランドの製品にも変わらず力を入れています。オーダー・メイドの受注、リペアなども常時受け付けていますので、いろいろなご相談に乗れると思います。各種見積もりなども無料で行なっていますので、何かありましたらぜひお気軽にお尋ね下さい。

クラフトハウスはアーティスト・モデルのラインナップ拡充にも力を入れており、かなりの数のシグネチャー・モデルが用意されている。

ESPクラフトハウス最大の魅力と言えばオーダー・メイドの発注をその場で行なえること。見積もりは無料で、使用材も希望があれば取り寄せまで行なってくれる。

近年はエフェクターの在庫にも力を入れている。ボードの結線も行なってくれるという手厚いサービスが魅力だ。

店内に併設されているリペア工房。リペアや調整などをその場で対応してもらえるのは非常に便利である。

ESPミュージアム&クラフトハウス

住所:東京都渋谷区神南1-20-16 高山ランドビル2F&3F
(※ESPクラフトハウス:2F、ESPミュージアム:3F)

TEL:03-3496-4850

クラフトハウス営業時間:11:00~20:00(月~土) 、11:00~19:00 (日)、10:00~19:00 (祝日)

ミュージアム開館時間:11:00~19:00

入場料:無料(予約不要/※アーティスト・ギャラリーの展示内容は随時変更しております)

※ミュージアム館内での写真・動画撮影は禁止されています。

ESPクラフトハウスHP

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