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  • 魅惑のジャパン・ビンテージ Vol.7

Aria Pro II TS-600〜feat.稲葉政裕

Aria Pro II / TS-600(1981年製)

革新とは孤高の作業である。ただひとつの存在足り得んとするそのメソッドが数十年を経てなお“形”となって残り、人々の心を熱くさせる……それは、答えるもの無き問いに挑んだ意匠達の勇気の記憶だ。まだ、しがらみや駆け引きもなく作り手が思いのままに理想を追求できた、70年代〜80年代の名国産ギターを発掘していく企画「魅惑のジャパン・ビンテージ」。第7回目となる今回は、美しきスルー・ネック世代の一角を彩ったAria Pro IIの名器“TS”シリーズから、妥協なき先進のスペックで人気を博した“TS-600”を選出。モデル背景や実器のディテールを詳細に記した記事の他、動画では当コンテンツでおなじみの卓抜の名手・稲葉政裕氏による流麗なプレイ&解説がご覧いただけるなど、いつも通りビンテージ・ギター・ファン必見の内容でお届けする。豪奢にして繊細。試されたのは、無限とも思えるリファインの果てに見出された“バランス”の感性。ストライプのネックを吹き抜けるのは、職人の気骨か、それとも新時代の好尚か。魅惑のルックスに果断の攻撃力を埋め込んだ狭間の夢“TS”──その無限のパフォーマンスが、今、ここに蘇る。

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比類なきバランス力が生み出した、アリア第3の魔法

 アリアプロ2(Aria Pro II)のブランドとしての船出は、1975年に遡る。当時はまだ、コピー・モデルを中心としたエレキ・ギターのラインナップを統合したスタートではあったものの、その指標が「世界に通用する独自性」を持つモデルの開発にそそがれていたことは、『REGULAR LINE』、『CUSTOM ORDER LINE』、『LIMITED EDITION LINE』といった細かくランク分けされたコピー・ラインとは別に、同社のアイデンティティを形にする為の『PROTOTYPE LINE』をブランド創設時から持っていたことからも明白であった。

 そして、1976年10月、最初のオリジナル・プロダクトである“PE(Pro Electric)”の初号器、PE-1500がその『PROTOTYPE LINE』より初披露される(発売は77年)。それは、両面削り出しのアーチ・ボディとロング・スケール、ハカランダの指板、そしてマツモク工業の当時の技術の粋を集めたエクスクルーシブ・ヒールレス・カッタウェイで組まれており、それらをさらにオリジナルのスーパー・マティック・ブリッジとディマジオ製ピックアップ、グローバーのペグという実践的なマテリアルで武装した、まぎれもなくフラッグシップとしての均整を整えたモデルであった。すでにコンポーネント・パーツを用いないフル造詣が時代のトレンドとして加速する中、あえて信用性の低い新パーツに拘らず実用性の高さを優先する同社の柔軟な思想が、ユーザーから幅広い支持を獲得したことは言うまでもない。その類い稀なる“造詣のバランス力”は、後のアリアプロ2のオリジナル・ラインナップの形成に大きく貢献することとなる。

 続く78年、同ブランドは、当時台頭しはじめていたフュージョン勢力の様式美としてスタンダードになりつつあったスルー・ネック構造を持つ“SH”シリーズの発売に踏み切る。このモデルは、スルー・ネックにホロウ・ボディを組み合わせるという斬新極まりない構成のため爆発的な売れ行きとはならなかったものの、同社にとって次世代に繋がるもうひとつ重要な足跡──アクティブ回路の搭載(フラッグシップのSH-1000のみ)という大いなる実績を残したのだった。

 そしてさらに翌年の1979年、アリアプロ2はついに時代の最先端に躍り出る才色兼備の2つのモデルを発表する。それが、“RS(Rev Sound)”と“TS(Tri Sound)”である。それらは共にスルー・ネック構造を持つソリッド・ギターでありながら、RSがアレンビック・スタイルの回路(上位のRS-850のみアクティブ)を持つ3シングル、TSがB.C.リッチ風のサーキット(下位のTS-400以外がアクティブ)を内蔵した2ハムという棲み分けの上にスタートした、似て非なる特徴を持つモデル群であった。特に、TSが持つトラディショナルなシルエットは、本家B.C.リッチのような多彩な音色を欲していてもあの過激なボディは好みでないというユーザーの心理をがっちりと繋ぎ止めた。スルー・ネックのロング・サステインとハードロックにも対応するハムバッカーのファットな音色、そして美しいスピードウェイ・ネックの容姿に、取り回しのしやすいボディ・デザイン……アリアプロ2が初代PE以来培ってきたあの “造詣のバランス力”が図らずもこのモデルに唯一無二の存在感を確立したのは、ただひたすらに「オリジナル」を追い求めた勤勉さへの報酬としてはむしろ当然の結果と言えた。

 世の中のニーズは敏感で、実際、発売はRSが先行したにもかかわらず、TSが市場に卸されるとたちまちそれは爆発的な売れ行きを記録し、その勢いは、一時期RSの存在を製造ラインから消し去ってしまうほどであった。こうして70年代最後の年にデビューした時代の寵児TSは、80年代に入り、ラインナップの主力をオリジナル・モデルで固めることに成功したアリアプロ2において、その筆頭格たるPE、後にラインナップの拡張を図って再起したRS、そして81年から登場する“CS(Cardinal Series)”と並び「四天王」と称され、この偉大な国産メーカーの最盛期を彩った名器として時代を超えて語り継がれることとなったのである。それは、最後まで世相に寄り添うことに徹した職人達による、“飽食な夢”の結晶であった。

Aria Pro II / TS-600(Back)

TSの系譜

 TS最初期のラインナップは、スルー・ネックの上位機種TS-800とTS-600、そして、一見スルー・ネックに見えるが実はセット・ネックのTS-500TS-400という4種類のラインナップで構成される。TS-800とTS-600は基本的に同じマテリアルで構成されており、TS-800がディマジオのピックアップ(Dual Sound)をデフォルトで搭載していただけで、アリア・オリジナルのEXTRA IIIピックアップのTS-600とは20000円もの価格差がつけられていた。TS-500とTS-400の違いは、ピックアップこそ同じEXTRA IIIであったものの、ポジション・マークが、TS-500が変形のスロテッド・ダイヤモンド、TS-400はドットと異なっていた。また、TS-800、TS-600、TS-500が電池駆動のブースター回路を持つアクティブ仕様で、TS-400のみがブースター・セクション無しのパッシブ・タイプであるという違いもあった。TSの回路は上記でも述べたように当時のB.C.リッチの回路に強く影響を受けており、同社のモッキンバード・コピーであった“MK”用に開発されたノウハウを踏襲していたとされる。

 また、TSは継続的に細かなモデル・チェンジを繰り返していたことでも知られ、その構成は、一般的に、上記の仕様の「前期型」と、81年のブランド全体の改変時(PEがPE-Rに変更になった時)以降の「後期型」に分けられる。また、その間の移行期に属する前期型と後期型の両方の特性を持つものを「中期型」と呼んだりもする。移行期間には、まずペグがメーカーのロゴ入りのものに差し替わり、トラスロッド・カバーのロゴも変更され、TS-500とTS-400のボディのセンター材がメイプル1ピースからウォルナット・ラインの入ったプライ構造に移り変わっていった。さらに、ブリッジもクイック・フック付きの2wayタイプに変更になっていくが、その全ての仕様が順序よく移行していったわけではなく、「中期型」の仕様の組み合わせは製造ロットによってバラバラである。また、ボディ材のマテリアルもアッシュ、セン、チェスナット、トチ等、随時変更されており、カタログ通りの仕様に落ち着くことはなかったようだ。他にも、移行期にはいくつも限定モデルが出されたり、トレモロ搭載モデルの試作器“TS-650T”がカタログに登場する(実際に市場に出たかは不明)など、製造ラインはかなり混乱していたようだ。「後期型」に入るとようやくその変遷も落ち着き、TSのロゴが「Tri Sound」から「Thor Sound」へと移行するのとほぼ同時にヘッド形状がそれまでの6連クローシャン・スタイルからPE-Rシリーズの3対3タイプに変更され、不安定だったマイナー・チェンジにも一応の終止符が打たれた(それでも、まだ一部には、クローシャン・ヘッドに「Thor Sound」ロゴのものも存在した)。その際、TS-800は廃盤となり、TS-600がその後のモデルのトップとなっている。

 開発段階ではまだRSと同等以下のローコスト化モデルとしてしか計画されていなかったTSが、まさかRSの市場を奪うほどの売れ行きを見せるとは、誰も予想しない事態であったに違いない。だが、相次ぐ仕様変更が祟ったのか、後期型が登場する頃には、その売り上げにも陰りが見え始めてくる。やがて、復権をかけたRSがハムバッカー仕様のモデルや、より多くの音色を出せる「Xtronics-I」サーキットを搭載するRS-Xシリーズを発売するようになると、その市場は一気に逆転した。さらに、コストパフォーマンスに優れたCSの登場も相まって、TSは次第にその存在意義を失うことになっていったのである。その結果、80年代半ばにさしかかる頃には、TSはカタログからもすっかり姿を消し、「アリア四天王」の中では最も早くその歴史に幕を降ろすという結末を辿った。

TSの使用アーティスト

 アリアではUS-1000(発売翌年からU-100に型番が変更になる)などのモデルで有名な宇崎竜童がTSの奏者として知られる。当時のCMで使用したり、ライブではNHK「獅子の時代」のテーマ曲をダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンド(前ダウンタウン・ブギウギ・バンド)と共にTSで演奏する姿が目撃されている。また、ロッド・スチュアート・バンド時代のビリー・ピークも、TS-800を持った姿が広告に掲載されていた。

TS-600のディテールを見る


ヘッドストック

 PE-R等と全く同型の3対3スタイルを採用した、80年代初頭の改変期以降に見られるアリアの統一型“耳付き”ヘッド。ロゴは金抜きで、センターには後期型「Thor Sound」(雷音)のシリーズ・ロゴと、その下に小さく「Original Custom “Body”」&パテントの表記。スタート時には「Tri Sound」(音の魔術師)としてデビューしているTSが、なぜ途中でシリーズ名称が変更になったのかは諸説あり、未だ謎のままだ。トラスロッド・カバーはこのヘッド共通の角の丸い台形で、黒の1プライ3点止め。移行期にはこのカバーにモデル表記の無いものもあったらしい。ペグはアリア・オリジナルのロトマチック・タイプを採用。つまみ形状は同時期のPEと同じものを流用しているが、この艶消しされたタイプのCHR(クロム)カラーは後期型TS-600や一部のRS-X等、限られたモデルで採用された少数派だ。ナットはブラス製。ツキ板のトラ杢が豪華だ。


フィンガーボード

 指板はローズウッドにも見えるが、縞黒檀のようだ。正面からでも強めのRが見て取れる。バインディング無し。ポジション・マークは白蝶貝で、菱形の4辺がやや内側に反った、いわゆる「キラリ・マーク」に近い形状を持つ。これは明らかに70年代のB.C.リッチにも採用されていた「ダイヤ・インレイ(ギブソン等のダイヤモンド・インレイとは別物)」を意識したもので、TS-800とTS-600にのみ採用された。ジャンボ・フレット搭載。


ピックアップ

 フロントには後期型TS共通のセブラ・ハムバッカー“New EXTRA III”を搭載。これは、前期型でTS-800以外(TS-800はディマジオDual Sound)に採用されていたアリア生え抜きのハイ・パワー・タイプ“EXTRA III”の改良型で、よりキレのある深い歪みが得られるようになった。マグネットはセラミックで、ややドンシャリ傾向。試奏器のリアはセイモア・ダンカンのSH-5にリプレイスとされていた。ボビンにまだロゴが無い時代のモデルで、裏には「DCJ」ステッカーのある、これはこれで貴重なモデルだ。


ブリッジ

 ダイキャスト製のサドルを持つ一体型ブリッジ。後期型のTS用に開発された、裏通しとフロントのクイック・フックを選択できる2wayタイプ(前期型は裏通しのみ)。弦のテンションを選択できるのが最大の利点だが、その分大型化したためあまり好評ではなかったようだ。前期型とは異なり、全体をザグって、ボディ・トップに沈めるようにマウントされているのも特徴のひとつ。このブリッジはCS-400にも転用された実績を持つ。


コントロール

 B.C.リッチの仕様を模倣した「TS CIRCUIT TYPE-I」(これはアクティブ・タイプ。ただし、TS-400だけはアクティブ・ブースターを排除した「TS CIRCUIT TYPE-IIというパッシブ・タイプを搭載していた)。理論上はこのサーキットで「144音色+α」のトーン・セレクトが可能とされている。コントロールは、左上部から下に向かって「マスター・ボリューム」「3ポジション・ピックアップ・セレクター(F、F+R、R)」「ブースター・ボリューム」「マスター・トーン」。真ん中のピン・スイッチが「ブースターのオン/オフ」。3連スイッチは上から「デュアル・サウンド・スイッチ(フロント)」「デュアル・サウンド・スイッチ(リア)」「フェイズ・リバース」となる(70年代のB.C.リッチとは、ここの並びが異なる。本家はフェイズが一番上だった)。デュアル・サウンドの切り替えは、前期型のカタログではコイルタップと表記されていたが、後期型ではパラレル/シリーズ用となっている。このモデルは、音からしてもパラレル/シリーズで間違いないようだ。ロータリー・スイッチ(バリトーン)は6ポジション選択式で、フリーケンシーをカットする帯域を指定できる。12時から時計回りに動かすと音がブライトになっていく仕組み(ノーマル→2,117Hz→1,115Hz→685Hz→507Hz→363Hz)。……ちなみに、写真のボリュームとトーンのノブが全て違うが、この中では「ブースター・ボリューム」のノブだけがTS純正品。


ネック・ヒール

 スルー・ネック(当時はトランスミット・ネックとも呼ばれた)はメイプル+ウォルナットの5プライで、ヘッド裏まで貫通している。当然、ハイ・ポジションの弾きやすさは抜群。……よく見ると、ネックのメイプル全体にも杢が出ている。一般モデルにも関わらず、そのトラ杢を意識した組み上げはゴージャスで、価格を考えれば実にお得感のある個体と言える。


ヘッド・サイド

 ヘッド角は14度。この当時のアリアは、ヘッドがどんな形状だろうがほぼ全てのソリッド・ギターにヘッド・アングルを付けていた(最大で16度を越えるものまである)。これは弦のテンションを得ると同時に、他社のパテントに抵触しないための措置だが、その分ネック成型時における木材の消費も大量になる。この仕様は当時のマツモクの材がいかに豊富だったかをも物語っている。ラミネート・ネックの強度を活かし、ボリュートは付けられていない。そのため、その頃のギターにしてはスタイリッシュな外観を維持している。


ボディ・サイド

 後期型TSのカタログ・スペック上のボディ・サイド・マテリアルはアッシュとされているが、この個体に限ってはメイプルにも見える。イレギュラー・モデルなのかもしれない。前方のストラップ・ピンがホーン・トップにあるのもTS特有の仕様だ。バック・コンター、フロントのベベルド・カット共に、基本的に前期後期全てのTSで共通のシェイプを採用している。ここからは見えないが、後期型では裏側のブッシュ部分やアウト・ジャックを面内に納めるインナー・マウント方式が採用され、衣服への引っかかり等を予防している。


アッセンブリー

 キャビティ内は、多彩なスイッチ類を配線するため混雑を極める。ブースター・ユニットはメインテナンス性を高めるためか、あえて固定されておらず、外殻のケースごと絶縁テープが巻かれた状態のまま格納されている(こんな部分も、当時のイーグルやモッキンバードの回路を彷彿とさせる)。アクティブ回路を持つTS-600、TS-500は、後期型になってようやく専用の9Vバッテリー・キャビティが増設された。この時代のアリアのアクティブ機種には、新品購入時に、純正のバッテリーチェッカー(プラグ・イン・タイプ)が付属していた。


稲葉政裕’s インプレッション
「このブースターのスイッチをオンしてやろうか!?(笑)」

●“TS”発売当時の思い出

 他人より1個でも多くスイッチを付けたら勝ち! みたいな時代だったから、こういうモデルって少年少女達には憧れだったと思います。その最たるモデルと言えば、やっぱりB.C.リッチでしょうね。実は、日本のフォーク・シンガーの人も好きな人が多かったんですよ。伊勢正三(かぐや姫、風)さんとか。みんなこのTSみたいな回路のやつを使っていましたね。オフコースの松尾一彦さんなんかもそうだったんじゃないかな。当時は、こういうのがナウかったってことでしょう(笑)。実は、私のウチにも、とある大先輩からいただいたケースに名前入りのお宝B.C.リッチがあったり……って、いや〜、私も十分にミーハーですよね!(笑) なんだかんだ言って、結局こういうのに憧れちゃうんだから(笑)。

●ルックス、演奏性

 ネックは、わりと日本人が好きそうな細身のUシェイプって感じで、握り心地はかなり良いですね。ただ、指板の方にはけっこうRがあるので、このギブソン的なネックとフェンダー的な指板……その相性は、好みが分かれる所ですね。あと、この頃の日本のモデルにありがちな、ブリッジと指板のRが微妙に合っていないのも、いかにもプレイヤーが作っていないのが出ちゃっていて、なんともオシイです。バリトーン・スイッチ(ロータリー・スイッチ)は思ったよりも使い勝手が難しいですね。結局、好みなんですけど、美味しいサウンドは大体1個か2個に絞られてきちゃいます。まだこれで、ギブソンのES-345みたいに数字が付いていて、演奏中に切り替えた時に今何番に入っているかわかるようにしてくれたら凄く使いやすくなるんじゃないかな。

●サウンド

 やっぱり、スルー・ネックであるところとか、構造的な面でどうしてもB.C.リッチに似たサウンドになっていると思います。ブースターは、それ自体ではほとんど歪まないで音量のレベルが上がるタイプなので、柔らかく弾いてニュアンスを出したいだけなら、クリーンにこれをオンにするだけで十分にイケます。でも、強く弾くと、ちょっとクリップしますね。ちょうど、80年代くらいにあった、ギターのアウトに直接挿すタイプのブースターみたいな音に似ている気がします。手元の力加減でアンプを割る(歪ませる)のには、ピッタリですね。……音もルックスも、全体的にわりとスタンダードにまとまっているので、本家のB.C.リッチだと、モデル的にちょっと派手すぎて「使うの、恥ずかしいな」って人には、凄くオススメのモデルですね。でも、せっかくなら、「このブースターのスイッチをオンにしてもっと歪ますぞ、コノヤロー!(笑)」くらいの勢いで弾いた方が、きっと楽しいギターですよ、これは。

試奏環境について

●システム:試奏器/Aria Pro II“TS-600”(ギター)→MOOER“SOLO”(ディストーション)→Shin's Music“Baby Perfect Volume”(ボリューム・ペダル)→t.c.electronic“Mini Flashback”(ディレイ)→Fender“’68 Custom Deluxe Reverb”(アンプ)
*上記システムを基本とし、サブとしてG-Life Guitars“GEMINI BOOSTER”(ブースター)とMXR“Dyna Comp”(コンプ(プリ))、とARION“SPH-1”(フェイザー)、そして同じくARIONの“SCH-ZD”(コーラス)を適宜追加しながら使用。また、ボリューム・ペダルからの分岐でモリダイラ“Bit Tune”(チューナー)を常設。
●マイク&レコーダー:マイクはSHURE“SM57”をオンマイク、コンデンサー・マイクをアンビ用として使用し、ZOOM“H6”レコーダーで収録した。

 試奏手順は、まず、試奏器“TS-600”の状態チェックを稲葉氏本人に行なってもらうことから始まる。音量を調節しながらアンプを平時クリーンな状態にセット。内蔵のアクティブ・ブースターで音が割れすぎないように、“Gemini Booster”をセカンドボリュームとしてバランスを取りながら音色を組み立てていく。歪みは基本的にエフェクターで作ることとし、“Dyna Comp”とアリオンのフェイザー、そして空間系エフェクトとの相性を続けてテストしていく。最後に、今回から導入されたバック・トラック用のイヤモニの確認作業を行なった後、録音の運びとなった。

 最初はブリッジのRの感覚に手が馴染まないようでミュートにやや苦戦していたが、収録が進むにつれ、次第にプレイに安定感が増してくるようになった。Cあたりに時折発生するデッド・ポイントを上手く殺しながら、クリーンでジャジーな音色から、アクティブ・ブースターを活かした目の細かいドライブまでを幅広く紡ぎ出していく稲葉氏。バック・トラックに乗せたフレーズもバッチリとハマり、最後にバリトーン・スイッチの別撮りを終え、全ての録音作業はつつがなく終了した。

TC楽器 1Fエレキギター売場

 中古からビンテージまでエレキ・ギター700本以上、エフェクター500点以上、さらに数多くのピックアップ、パーツ、小物等、圧倒的な在庫量を誇る、都内でも有数の中古/ビンテージ・ショップ、TC楽器。今回の試奏器、Aria Pro II TS-600はTC楽器の在庫からお借りしたものだ。国内外のブランドを問わず、ビンテージから中古楽器まで幅広いラインナップを扱うが、中でもジャパン・ビンテージの在庫を豊富に揃えているのは、ファンにはたまらないところだろう。2Fはアンプも大量に扱っており、気になったギターがあれば2Fの好みのアンプで試奏出来るのも同店ならではの嬉しい環境と言えるだろう。販売される楽器は専門スタッフの手により、完全に調整・クリーニングされ、詳細なスペックを調べた上で、その楽器に正当な評価をして販売されている安心のショップだ。
・TC楽器 1Fエレキギター売場

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製品情報

Aria Pro II / TS-600

【スペック】
※試奏モデルのスペックとなります。●年式:1978年 ●色:ブラウン・サンバースト(BS) ●マシンヘッド:MH-901C x 6 ●指板:ローズウッド ●フレット:22 ●ネック・スケール:ミディアム ●ネック材:メイプル ●ネック・ジョイント:セット・ネック ●ボディ材:マホガニー・トップ+マホガニー・バック ●ピックアップ:パッシブHH/グレコP-1 x 2 ●ブリッジ&テイルピース:BR-GO & TP-GO ●コントロール:2ボリューム、2トーン、3wayピックアップ用トグルSW ●発売時価格:90,000円
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Aria Pro II / TSシリーズ

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プロフィール

稲葉政裕(いなば・まさひろ)
1960年、大分県生まれ。ベテランにして、時勢にとらわれない磊落なサウンドで人々を魅了し続ける、国内屈指の職人ギタリスト。正確無比な技巧に裏打ちされた創造性豊かなフレーズ・ワークを活かし、小田和正をはじめ、吉田拓郎、渡辺美里、平原綾香など多くのアーティストのステージ・サポートやレコーディングで多大な実績を残す。また一方で、熱心なストラト研究家としても知られ、特にビンテージ・フェンダーに関する知識ではマニアも裸足で逃げ出すほどの博識で通っている。自身が所属する『Far East Club Band』をはじめ、都内を中心としたあちこちのクラブ・イベントやライブを精力的にこなし、セッション漬けの多忙な日々を送る。
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