使用アンプ：マーシャルJVM205H（ヘッド）＋1960A（キャビネット）
使用シールド：ギブソンInstrument Cable

モダンなルックスを誇る2016モデル

　フライングVと言えば、変形ギターの元祖であり、ハードロック／ヘヴィメタルのアイコンとしてあまりにも有名なギターです。しかし、2016年モデルはこれまでのモデルと何かが違う……そう感じられた方もいるかもしれません。外観上いくつかの変更点があるため、よりモダンなルックスになっています。

　2014年の120周年モデルや2015年のジャパン・リミテッドは、基本的に70年代のビンテージ・フライングVをモチーフにしています。それに対して今回の2016年モデルは、シャープなヘッドストック、バインディング付きのボディ、ピックガード・レス仕様、ゼブラのオープン・タイプ・ハムバッカー、一列に並んだコントロール・ノブなどが、これまでのモデルと大きく違う点であり、本器をモダンたらしめているポイントになります。

シャープなヘッドストック

オープン・ゼブラ・ハムバッカー

プッシュ／プルによるタップ・スイッチ

　上記の外観上の特徴が精悍なエボニー・カラーと相まって、非常にクールな仕上がりとなっていますね。

ミッドの押し出しの強いVサウンド

　ピックアップは、フロントにオープン・ゼブラの57クラシック、リアにはそれより若干出力が高いバーストバッカー3を搭載し、バランスの良いパワフルなサウンドをアウトプットします。マホガニー・ネック／マホガニー・ボディとピックアップのコンビネーションはVらしいミッドの押し出しの強いサウンドで、歪ませた場合には“ゴツン”としたピッキングのアタックの後に、「ブォー」という太い音が付いてくるイメージです。

　リアはトレブリー過ぎず、フロントの音は艶があり、深く歪ませても使いやすいサウンド。また、ピッキングのタッチやボリューム操作への反応が抜群で、クリーン～オーバードライブまで思いのままにコントロールできます。クリーン系の音はイメージ以上にカラッとしており、実はカッティングしても心地良くプレイできます。本器にはタップ機能も付いていて、ボリューム・ノブのプッシュ／プルでタップし、さらにカラッとした音も作り出せます。43mmのナット幅、薄めのネックは現代的なシュレッダーにも喜ばれるでしょう。

　精悍なルックスと伝統的なVサウンド、さらにタップによるバリエーションとモダン・プレイに対応する弾き心地を持つ、2016モデル。ギブソンUSAの他の2016モデルにも言えますが、コストパフォーマンスも非常に高いです。Vファンはもちろん、ライブで映えるギターを探している人にも気になる1本ではないでしょうか。

※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは3月11日（金）を予定。