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  • ギター・マガジン連動「プロのペダルボー道」第17回

五味孝氏のペダルボー道

  • ボード写真:八島崇

プロ・ギタリストのエフェクター・ボードをフィーチャーしていくギター・マガジンの人気連載「プロのペダルボー道」。ここでは同連載の最新号に連動し、当該アーティストが使用する、デジマート上でも購入できるエフェクト類を厳選して紹介していく。今回はT-BOLANや自身のバンドelectro 53などで活動する五味孝氏のボードを紹介しよう。

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 大型ボードだが、実はその半数を歪みペダルが占めている五味の足下。ギターからの信号は、ボード外右にあるBBEBen Wah(ワウ・ペダル)を通ってCAJのスイッチャーLoop and Link IIへ。Loop and Link IIにはリンク順に Electro-HarmonixMicro POG(オクターバー)Pedal diggers819 mini(オーバードライブ)Koch63'OD(オーバードライブ)、直列接続されたfspOD69(オーバードライブ)KATANA SOUND荒波・Raging Wave(ファズ)VEMURAMJan Ray(オーバードライブ)KORGPitchblack(チューナー)が接続されている。Loop and Link IIからのアウトは、KeeleyKatana Clean Boost(ブースター)を通り、strymonFLINT(トレモロ&リバーブ)BOSSRE-20 Space Echo(モデリング・テープ・エコー)を直列で通ってアンプへと接続される。ボード外左のエクスプレッション・ペダルRoland EV-5は、RE-20のディレイ・レベルをコントロールするためのものだ。

五味孝氏の機材をチェック!

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BBE/Ben Wah

 ビンテージ・ワウ・サウンドの表出をコンセプトとしたBBEのワウ・ペダル。1967’s Haloインダクターなどビンテージ・ワウのキモとも言えるパーツを再現しつつ、全てのコンポーネントをハンドワイアリングで製作するなどしてより表現力豊かなトーンを実現。また、コントロールには“Harmony"が搭載されており、効果の調整が可能。右にまわすと効果が強調され、左にまわすとソフトになる。外形寸法は約110(W)×約250(D)×約760(H)mm。

価格:オープン
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CAJ/Loop and Link II

 豊富な機能と重量660gというとりまわしの良さから抜群の人気を誇っているCAJのループ・システム。5ループ/6プリセット、シリーズのL1~L4に加え、インプット/センド/リターン/アウトプットを備えた独立ループを装備。また、音質を変えずに音幹を強化する“リアル・バッファー”やバッファーの“バイパス/アクティブ”の切り替えスイッチ、ミュート機能なども搭載。低ノイズや適度なスイッチ間隔といった基本性能の高さもポイントだ。

価格:35,000円
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Electro-Harmonix/Micro POG

 高品質&多機能なポリフォニック・オクターブ・ジェネレーターとして人気を博すPOG(現行ではPOG2が発売中)のミニ・バージョン。91(W)×118(D)×50(H)mmという外形寸法で、重量は約350g。コンパクトな分、機能は制限されるが、オクターブ/サブ・オクターブともに本家と同じ性能を誇るので、プレイ・スタイルによってはこちらで十分なギタリストも多いだろう。

価格:39,000円
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Pedal diggers/819 mini

 クリス・デュアーテを始めとする多くのブルース・ギタリストが愛用するオーバードライブ“819”。その基盤、パーツは同じくしつつ、電池ボックスを省くなどして小型化が図られたのが本機。サウンドはTS系のまろやかなニュアンスを持ちながらも、しっかりとした歪みと豊かなロー、それに抜けの良さを併せ持つのが特色。五味はおもにバッキング用として使用しているようだ。

価格:オープン
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Koch/63'OD

 オランダのエフェクター・ブランド、コッホのオーバードライブ。60年代のビンテージ・サウンドを再現することを主旨としており、真空管12AX7を搭載した本格仕様。アナログ・ライクな設計だが、XLRアウトを含む豊富な出力端子や2つのエフェクト・ループ、 9VDCアウトプットの搭載など現在の音楽シーンに幅広く対応するべく工夫が凝らされている。コントロールはClean Volume、OD Gain、OD Volume、それに3バンドEQを搭載。


価格:52,500円
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fsp/OD69

 東京都の楽器店、F・Sugarのオリジナル・ブランドが製作したオーバードライブ。シンプルな設計だがひとつひとつのパーツがよく吟味されており、その高質なサウンドから非常に高い評価を得ている。2コントロールで操作性も良く、ゲインを上げればファズ的なアプローチも可能という懐の深さも魅力的だ。


価格:オープン
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KATANA SOUND/荒波・Raging Wave

 個性的なプロダクト・デザインが目を引くKATANAのファズ。ビンテージ・ファズのサウンドを標榜しながら、安定した出力を得るためトランジスタにはゲルマニウムではなくシリコンを採用。どんなシチュエーションでも安心して使えるのは大きなポイントだ。コントロール・ノブは「音量(VOLUME)」と「攻撃(ATTACK)」を搭載。後者を上げるとより激しい歪みが得られる。また、サイドに取り付けられたInput BIASと併用することでクリーン・ブースター的に用いることも可能だ。

価格:23,800円
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VEMURAM/Jan Ray

 国産メーカー、ベムラムのオーバードライブ。60年代フェンダーのブラックフェイス・アンプが持つサウンドを再現するというコンセプトで、その良質なトーンはあのマイケル・ランドゥも魅了している。五味も本機は常にオンにしているとのことで、特にアンプが選べないシチュエーションで重宝しているそう。コントロールはVolume、Toneと2バンドEQを搭載している。

価格:オープン
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KORG/ Pitchblack

 クリップ式の開発などでチューナーに革新をもたらしてきたコルグのフロアタイプ・チューナー。小型/軽量化を実現しながら高輝度の大型ディスプレイの採用により充分な視認性も確保されている。ディスプレイ・モードはメーター、フル・ストロボ、ハーフ・ストロボ、ミラーと4種類が搭載されており、あらゆるシーンに対応。同社ならではの配慮がいき届いた製品だ。チューニングの範囲はE0(20.60Hz)~C8(4,186Hz)、436〜445Hzでキャリブレーションの設定も可能。

価格:オープン
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Keeley/Katana Clean Boost

 MODエフェクターの世界でも際立った存在感を示す製作家、ロバート・キーリーが主宰するブランドのクリーン・ブースター。色づけのないフラットな増幅に定評があり、真空管アンプとの組み合わせに相性が良いとされている。右側面のボリューム・ノブを引っ張ることでゲイン・アップも可能で、オーバードライブとしても使用可能。

価格:32,500円
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strymon/FLINT

 ストライモンの大定番トレモロ/リバーブ。3種のトレモロ(’61 harm:ハーモニック・トレモロ、'63 tube:パワーチューブ・トレモロ、'65 photo:フォトセル・トレモロ)と3種のリバーブ(’60s:60年代のスプリング・リバーブ、'70s:70年代のエレクトロニック・プレート・リバーブ、'80s:80年代のホール・リバーブ)を搭載しており、どれもクセのない正統的かつ高品位なサウンドを生み出してくれる。INTENSITYやSPEED、DECAY、COLOR、MIXなど詳細なコントロール機能を持つので柔軟性も高い。

価格:オープン
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BOSS/RE-20 Space Echo

 “RE-20”はBOSSのツイン・ペダル・シリーズにラインナップされているモデル。テープ・エコーの名機として名高いローランド“RE-201 Space Echo”のサウンドを再現したエフェクターだ。オリジナル機と同様にリバーブをかけることも可能で、“RE-201”が持っていた機能を完全にシミュレートしている。ツイン・ペダル・シリーズらしくモダンな機能も装備しており、タップ・テンポや設定を視覚的に表示するインジケーターなどが実装されている。

価格:オープン
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Roland/EV-5

 外形寸法86(W)×200(D)×54(H)mm、重量400g。その驚くべきコンパクトさで人気を博しているエクスプレッション・ペダル。小型/軽量なぶん操作性には慣れが必要との声も多いが、それを差し引いてもとりまわしの良さは素晴らしい。


価格:オープン
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ギター・マガジン2016年4月号で詳細をチェック!

 本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年4月号』の連載「プロのペダルボー道」の中でより詳しく紹介されています! ここではお見せできなかった機材やセッティング・パターン、それにアーティスト本人のコメントも交えた解説も掲載されているのでぜひチェックしてみて下さい。

■ギター・マガジン2016年4月号の詳細はこちらから!


ムック『ギタリストのペダルボー道』絶賛発売中!

 多くのプロ・ギタリストたちのボードを紹介してきた本連載が、これまでの軌跡をひとまとめにし、さまざまな新規コンテンツも盛り込んだムックとなって絶賛発売中! 本書の中面では1ページ全面にボード写真が掲載されており、それぞれのボード・セッティングの細部をしっかりチェックできる。「プロのボード構築の秘訣」企画から、「プロ御用達ショップF・Sugar」「ハイ・クオリティ・システムの先駆者オカダ・インターナショナルのスペシャル・インタビュー」などボー道を志す者は必読の内容。多くの現場で培われたプロのセッティングは多くのギタリストにとって参考になるはずだ。ぜひチェックしてほしい!

著者:ギター・マガジン編集部

定価:2,160円(本体2,000円+税)

仕様:A4変型判/128ページ

発売日:2015.5.25
ISBN:9784845625987

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プロフィール

五味孝氏
東京都出身。12歳でギターを始める。1990年に森友嵐士の誘いを受けてT-BOLANを結成、翌年メジャー・デビューし、99年の一時解散などを挟みつつも2014年の活動休止までに5枚のアルバム他を発表する。T-BOLAN活動休止中はさまざまなアーティストのサポートやプロデュースで活躍。現在はベーシストの恩賀周平とのインストゥルメンタル・ユニットelectro 53で活動する他、BEING縁のギタリストたちが集うGuitar Summitを始め、さまざまなセッションなどに参加している。

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