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  • いっちーのデジタル・デジマート 〜第16回〜

iPadで音楽制作を楽しむ人たち 〜シンガー編〜

iOS対応オーディオ・インターフェース

このコラムでは、数回にわたって音楽制作にiOSデバイスを取り入れているミュージシャンやクリエーターを紹介していますが、今回のゲストはシンガー、ナレーター、ボーカル・トレーナーなど声のお仕事をされている吉田純也さんです。さっそくお話を伺いましょう!

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今回のゲスト 吉田純也さん(ビッグ・バンド・ジャズ・シンガー)

▲国立音楽大学出身。ビッグ・バンド・ジャズ・シンガーを肩書きとしながら、ミュージカル・アクターやナレーター、ボーカル・トレーナーとしてもマルチに活躍。チック・コリア、ダイアン・リーヴス、渡辺貞夫、山下洋輔など多数の著名ミュージシャンとも共演を果たす。また東京ディズニーリゾート・シンガーでもあり、2016年6月〜9月、全国10都市で開催されている「東京ディズニーシー15周年記念コンサート」ではシンガー及びMCを務めている

シンガーならではのユニークな音楽アプリの使い方

── どんな音楽アプリを使用していますか?

 私はシンガーなので、自分自身で完パケを作ることはないのですが、その準備段階でiPadが大いに役立っています。よく使うのはSTEINBERG Cubasisですね。作曲家から送られてきた楽曲を取り込み、仮歌をレコーディングするときに多く使います。音源アプリは鍵盤系音源のKORG Moduleをメインで使用していて、他にはマルチ音源のIK MULTIMEDIA Sampletank for iPadを使用します。特にストリングス系のプリセットはお気に入りですね。打ち込み用音源としてだけでなく、MIDIキーボードとつないでライブやボーカル・レッスンで演奏するときにも活用しています。Moduleのピアノやエレピの音は本当に最高で、さすがKORGっていう感じですね。スタジオでレンタルする電子ピアノよりは確実にたくさんの音色を使うことができますし、場合によってはこちらの方が音が良いかもしれません(笑)。

STEINBERG Cubasisのメイン画面。「ラフなスケッチでもある程度のクオリティに仕上げられる」と吉田さん

▲ピアノやオルガンなど、5つの専用音源モジュールを搭載した音源アプリKORG Module。特にプリセットのCinema Pianoが気に入っているという

▲マルチ音源IK MULTIMEDIA Sampletank For iPad。17カテゴリー、140種類の音色のほか、1,000種類以上のリフ、フレーズも収録している

 ART TEKNIKA Mimicopyは、ギタリストのための耳コピ専用プレイヤー・アプリですが、オケをループさせてアドリブのスキャット練習などに使っています。波形を大きく表示できたり、ループさせたいポイントが時間単位でドラッグできるので、直感的に操作しやすい。また、キーやテンポを自由に変えたりと、再生方法のバリエーションも多いので歌の練習にも重宝しています。

▲ギタリストのための音楽聴き取りアプリART TEKNIKA Mimicopy。音高を変えずに再生スピードだけ変更したり、上下1オクターブの範囲で音高を変更できる。ループ範囲は3ヵ所指定可能。曲はiTunes経由や他のアプリからもインポートできる

 MIXCORD Acapellaは、その名前の通りアカペラ動画を作成するアプリで、コーラスのスケッチを録る時によく使ってます。作った動画はアプリのコミュニティ内で、すぐユーザーと共有できますし、YouTube用に書き出すこともできます。

MIXCORD Acapella。最大9つのフレームを作成し、簡単にアカペラビデオを制作できる。アプリ内のソーシャル・ネットワークサービス内でユーザー同士の動画の共有やコラボレーションなども可能(画像右)

 ギターのチューナー・アプリPLUSADD Tunerは、自分が正確なキーで歌えているか確認するときに使用しています。これは感情表現とは真逆のことではあるんですが、お客さんにストレス無く正確に歌を届けるためには、ピッチ感は重要なんです。あとメトロノームのアプリのCHRIS & UWE Metronome Touchは単純に見た目が気に入っています(笑)。

▲チューナー・アプリPLUSADD Tuner(画像左)、メトロノーム・アプリCHRIS & UWE Metronome Touch(画像右)

── 使用されている周辺機器について教えてください。

▲吉田さんが使用しているiPad、KORG Microkey Air 37LINE 6 Sonic PortSHURE Motiv MV51

 マイクはiOS対応のオーディオ・インターフェースを搭載したSHURE Motiv MV51を使っています。ガイコツ・マイクっぽいオールド・スクールなデザインで、かつ重量感もある。シンガーはこういうデザインにモチベーションが上がるんですよ(笑)。それでいてタッチパネルでモード選択すると録音ソースによってイコライザーとコンプレッサーの設定を最適化してくれたりと、新しい要素も取り入れられて良いですね。もうひとつオーディオ・インターフェースLINE 6 Sonic Portを持っていて、音楽アプリの音を出力するときや、外部の音源からライン録りする場合に使っています。

▲ボーカル録音で使用するSHURE Motiv MV51。専用アプリMotivでゲインや、イコライザー、リミッター、コンプレッサーなどを設定できる

Motiv MV51のリア・キック・スタンドはマイク・スタンドに取り付けができるように、5/8インチ・ネジ穴を搭載している

▲2イン/2アウトのオーディオ・インターフェースLINE 6 Sonic Port

 MIDIキーボードはiPadとワイアレスで接続可能なBluetooth MIDI搭載のKORG Microkey Air 37を使っています。シンガーとしてはマイクと同じようにケーブルで物理的につながっていた方が安心なんですが、持ち運びやすさを考えると、やっぱりワイアレスですね。演奏中の発音の遅れは全く気になりません。

▲「KORG ModuleMicrokey Air 37の組み合わせがあれば、どこでも音を出して演奏ができます。特にプリセットのCinema Pianoがお気に入りです」と吉田さんは語る

── これらの機材をケースにまとめていらっしゃいますが、これはどこで見つけられたのですか?

 これ実はHAMONDの鍵盤ハーモニカ用のキャリング・ケースなんですが、これがMicrokey Air 37がちょうどピッタリ入るんです。なかなか良いでしょ?

▲iPad周辺機器は、鍵盤ハーモニカHAMMOND PRO-44Hの専用ソフト・ケースMP-2002にコンパクトに収められている

Micro Key Air 37がちょうど良いサイズで収納できる

── iPadを使うようになって、吉田さんの音楽環境は変わりましたか?

 以前、コンピューターを使っていたこともありましたが、iPadとアプリ、そして周辺機器環境のおかげで、とても良い音楽環境ができました。わざわざ自宅に戻らなくてもレコーディングができますし、スタジオでキーボードを借りる必要もなくなりました。ボーカル・レッスンの途中に生徒さんの歌の進捗状況を確認するために録音してその場で聴かせることも簡単です。 高いモバイル性とアプリのクオリティ、そして手軽さ。一度使い慣れてしまうと手放せないですね。

KORG ModuleMicrokey Air 37を使って演奏を披露していただいた


 最後に、吉田さんとビッグ・バンド・ジャズ・バンド“Lowland Jazz”のメンバーによる、カバー・セッションをご覧ください!

 マルーン5の名曲“Sugar”が、見事なジャズ・テイストにアレンジされています。このアレンジが出来上がる課程においても、メンバーから送られたスタンダードMIDIデーターをCubasisに取り込んで、アレンジが施され十分な練習が行なわれた後、スタジオ・レコーディングに挑んだとのこと。吉田さんの様に、生バンドの演奏においても、曲の構想や練習の段階でiPadを活用できるわけですね。

イベント情報

2016年8月15日(月) 吉田純也 MY FAVORITE THINGS 2
六本木morph-tokyo
open/start 19:00/20:00
adv/door 5,000円(1D)/5,500円(1D)

2016年6月〜9月、全国10都市で開催
東京ディズニーシー15周年"ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ"イン・コンサート

http://www.disney.co.jp/eventlive/tds15concert.html

関連リンク

吉田純也のYour Beautiful Entertainments!
http://ameblo.jp/ngsk1983/
Facebook
https://www.facebook.com/junyayoshida.tokyo
Twitter
@junya_1983ngsk

<次回2016年9月6日(火)更新予定>

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プロフィール

いっちー(市原 泰介)
サウンド&レコーディング・マガジン編集部WEBディレクター。学生のころから作曲やDJ活動、バンド活動などの経験を積む。某楽器販売店を経てリットーミュージックに入社。前職では楽天市場内の店長Blogを毎日10年以上更新し、2008年ブログ・オブ・ザ・イヤーを受賞。得意ジャンルはクラブ・ミュージック。日々試行錯誤中。

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