ゼマイティスのアンタナス・メタル・フロント・シリーズとカスタムショップ・スーペリア・シリーズより、それぞれニュー・モデルが登場した。

　ゼマイティスを代表するメタル・フロントの中でも、その伝統に新たな発想を取り入れたハイグレードなモデルをラインナップするアンタナス・メタル・フロント・シリーズ。今回新たに登場した「A24MF ASH」は、これまでゼマイティスと言えばマホガニーのイメージが強かったわけだが、新たなウッド・マテリアルとして、表面に焦げ目を付けるバーント加工を施したアッシュ材を採用している。ちなみにネックはメイプル、指板はローズウッドで24フレット仕様。ピックアップは、アンタナス・メタル・フロント・シリーズでは初となるオープン・タイプのハムバッカー“ドラゴン・バースト”を搭載しており、キレのある中音域が特徴。アッシュ・ボディとの相性も抜群だ。もちろん、他のA24MFモデルと同様、ジュラルミン製のオリジナル・ブリッジ＆テイルピースによる豊かなサステインや演奏性の高さも魅力となっている。

A24MF ASH（Top）

A24MF ASH（Back）

　カスタムショップ・スーペリア・シリーズより新登場の「CS24SU CHAMBERLAIN」は、ボディ内に空洞を持つチェンバード構造とfホールが特徴。モデル名の“Chamberlain（チェンバレン）”は、中空構造を意味するChambered（チェンバード）と、宮廷の侍従（じじゅう）を意味するChamberlain（チェンバレン）を掛け合わせたもので、きらびやかな生活を営む貴族そのものではなく、その傍らで素朴ながら重要な役割を担う侍従というところに、本機ならではの魅力が表わされている。メタル・フロントのような豪華な装飾は持たないが、ボディを取り囲むように埋め込まれたメイプルとエボニーによる伝統的な木象嵌が、その象徴と言えるだろう。チェンバード構造に関しては、テイルピース後方に形状の異なる5箇所、そして6弦側のブリッジ＆テイルピース横に1箇所の計6箇所。ボディの軽量化にも貢献している上、それぞれの空洞部分とfホールが絶妙に作用し、バランスの取れた豊かな音色を生み出している。一方、ヘッド部の彫金が施されたダイヤモンド型アルミ・プレートの用ブランド・エンブレムとトラスロッド・カバーも見逃せない。マット・フィニッシュによる風合いの良さも魅力だ。伝統に甘んじない、攻めの姿勢も持つゼマイティス。その仕上がりは、ぜひ実器でチェックしてみてほしい。

CS24SU CHAMBERLAIN