デジテックより、注目のニュー・ペダルが2機種、登場した。

　「キャブドライVR」は、同時に2つのキャビネット・プロセッシングを行なうことが可能なデュアル・キャビネット・シミュレーターで、エレクトリック・ギターおよびエレクトリック・ベース用に設計されている。スピーカー・キャビネットを使用せずに、シミュレートした2種類のスピーカー・キャビネットのサウンドを出力。使用例としては、ライブやレコーディングでキャビネットを鳴らさずに、本機から直接ミキサーに接続したり、自宅でインターフェイスに直接接続するなどの使い方も可能だ。

　まずはギター／ベースを選択し、独立した2つのチャンネル（キャブ・タイプA／キャブ・タイプB）それぞれ、7種類のスピーカー・キャビネットから選択する。ギターの場合、キャブ・タイプA／Bとも、C1がビンテージ・アメリカン2×12、C2がビンテージ・ブリティッシュ2×12、C3がブリティッシュ・グリーン・スラント4×12、C4がブリティッシュ・ストレート4×12、C5がヘビー・アメリカン4×12、C6がスムース・カスタム4×12、C7がスモール・コンボ1×8（Aのみ。Bはドライ＝バイパス）。ベースの場合、キャブ・タイプA／Bとも、C1がフレキシー1×15、C2がベーシック1×15、C3がビッグ・ブルー1×18、C4がアメリカン・ツイード4×10、C5がゴールド・ダイアモンド4×10、C6がビンテージ・フリッジ8×10、C7がブロンド・ベースメント2×12（Aのみ。Bはドライ＝バイパス）。

　また、2インプット／2アウトプットを装備しているため、モノラル／ステレオ入力に対して2種類のキャビネットのサウンドをそれぞれ独立して出力することも可能。あるいは、キャブ・タイプBはC7（ドライ）を選択して、キャブ・タイプAはシミュレート・サウンド、キャブ・タイプBは実際のキャビネットに接続するという使い方もおもしろいだろう。なお各チャンネルには、キャビネット・サイズ（レゾナンス・コントロール）とアウトプット・レベルのコントロールも装備されている。

CabDryVR

CabDryVR

　「フリークアウト」は、ギターの音色を変えることなく、どのようなサウンドにもフィードバック効果を加えることができるナチュラル・フィードバック・クリエイター。オンにすると、インプットされたギター・サウンドの倍音をブーストし、音量やアンプ（シミュレーターも含む）のセッティングに関わらず、制御可能かつ自然なフィードバック・サステインを生み出す。

　ハーモニック・タイプは7種類で、SUBが1オクターブ下のノートを生成、1STが入力音の第1倍音（ユニゾン＝原音と同じ音程）のフィードバック、2NDが入力音の第2倍音（1オクターブ上）のフィードバック、3RDが入力音の第3倍音（1オクターブ上と完全5度）のフィードバック、5THが入力音の第5倍音（2オクターブ上と長3度）のフィードバック、NAT LOWが低い倍音帯域の変化に富んだフィードバック、NAT HIが高い倍音帯域の変化に富んだフィードバック、となっている。それぞれのタイプで、フィードバックのゲインと、オンセット・タイム（フィードバックが最大に到達する速さ）が設定可能だ。そして、9個のLEDがフィードバックの発生量をリアルタイムで段階表示。さらに、ドライ・シグナルのオン／オフ、フットスイッチ動作のラッチング方式／モーメンタリー方式も選択できる。

FreqOut

FreqOut

　両機種ともトゥルーバイパス・スイッチングで、高い耐久性を誇るコンパクトな筐体と、凝ったデザインもデジテックならでは。実用性にも優れ、またギタリスト＆ベーシストの遊び心をくすぐるオモチャとしても最高のアイテムと言えそうだ。