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『たとえば、ブラッキーとクラプトン〜僕らが恋した伝説のギターたち』連動 レジェンダリーなギター達とデジマートで出会う

エレクトリック・ギター

多くの著名なギタリストには“相棒”と呼べる、大切なギターが寄り添っています。エリック・クラプトンと“ブラッキー”、ブライアン・メイと“レッド・スペシャル”、B.B.キングと“ルシール”……そんなギタリストとギターの出会いを綴った『たとえば、ブラッキーとクラプトン〜僕らが恋した伝説のギターたち』が好評発売中です。デジマート・マガジンでは本書と連動して、レジェンダリーなギターを紹介してみたいと思います。

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たとえば、ブラッキーとクラプトン〜僕らが恋した伝説のギターたち』発売中!

Blackie_Clapton.jpg ブラッキー、ルーシー、ルシール、レニー、フランケンシュタイン、レッド・スペシャル......これらの名前はすべて、とあるギターに与えられた愛称です。そのギターたちは、著名なギタリストの相棒として、数々の名演、名作の瞬間に立ち会ってきました。たとえば、本書のタイトルにもなっているエリック・クラプトンの "ブラッキー"。複数本のビンテージ・ストラトキャスターから組み上げられたといういわく付きのギターですが、73年『レインボー・コンサート』で初登場して以来、『スローハンド』(77年)などの代表作、79年の日本武道館公演『ジャスト・ワン・ナイト』などの要所で使用され、引退して数十年がたった今も僕らの脳裏に焼き付いています。

 スティーヴィー・レイ・ヴォーンが妻と同じ名前を与えたという "レニー"、ブライアン・メイが家の暖炉から切り出して製作したという "レッド・スペシャル"、B.B.キングが失敗から得た教訓を忘れないようにと名付けた "ルシール"など、人生にいろいろな出来事があるように、ギター1本1本にもいろいろな運命があります。本書では有名ギタリストと伝説的な1本の"馴れ初め"を、全27話にわたって紹介しています。

 ここでは、その中からギタリストと強く結び付いた10本のギターと、そのシグネチャー・モデルを中心にピックアップしていきましょう。

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“ブラッキー”とエリック・クラプトン
Fender / Stratocaster(1950’s)

Fender / Eric Clapton Stratocaster Blackie

 本書のタイトルにもなっているブラッキー。73年1月の『レインボー・コンサート』でのお披露目から85年に勇退するまで、クラプトンの全アルバム、全ステージにおいてメイン・ギターとして君臨してきた、世界で最も有名なストラトの1本だろう。1970年にナッシュビルのショーバッド・ギター・ショップで「まとめ買い」したオールドのストラト3~4本から、ベストなパーツのみを集めてクラプトンが自ら組み上げたという。ボディは56年製、ネックは57年製とされている。2004年のオークションで、約1億円で落札された。フェンダーからはカスタムショップを含め多くのクラプトン・モデルが発表されてきたが、現在もEric Clapton Stratocasterがリリースされ、ブラック・カラー・モデルのヘッドには“BLACKIE”のシグネチャーが入っている。

[Fender / Stratocaster “Blackie” モデルをデジマートで探す]
[Fender / Stratocaster “Eric Clapton” モデルをデジマートで探す]
[Fender / Stratocaster (1950年代)をデジマートで探す]

“レッド・スペシャル”とブライアン・メイ
Red Special

Brian May Guitars / The BMG Super

 世界でもっとも有名な自作ギターの1本と言える「レッド・スペシャル」。ブライアン・メイが16歳の1963年から、エンジニアである父親の助けを借り、2年の歳月をかけて製作された。ネックは18世紀の暖炉から取られたマホガニー、ボディ中心部(センター・ブロック)は古いテーブルに使われたオーク材。その両側をホロウ構造になったウイングで挟み込むというオリジナリティたっぷりの構造になっている。そしてバーンズ社製のピックアップを巻き直した3シングルと、各ピックアップに設けられたフェイズ・スイッチの組み合わせにより、唯一無二のサウンドを生み出す。グレコ、バーンズ、ギルドなどレプリカは多くのメーカーで作られているが、本人監修のBrian May Guitars製がもっとも入手しやすいだろう。

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“モンタレー・ポップ・ストラト”とジミ・ヘンドリックス
Fender / Stratocaster(1964&1965)

Fender / Jimi Hendrix Monterey Stratocaster

 ジミ・ヘンドリックスと言えば、68年のラージ・ヘッド/貼りメイプル指板のストラト、というのが広く認知されたイメージかと思う。しかし「パープル・ヘイズ」「フォクシー・レディ」「ヘイ・ジョー」など、ロック・スタンダードとも言える初期の代表曲はスモール・ヘッド/ローズウッド指板のプレCBSモデルでプレイされている。アメリカに大旋風を巻き起こした67年の「モンタレー・ポップ・フェスティバル」でプレイされたのも、ブラックの65年製と、サイケ・カラーの64年製だった。そのサイケ・カラーのモデルを忠実に再現したのが「Jimi Hendrix Monterey Stratocaster」。そのルックスだけでなく、リーズナブルな価格も嬉しい1本になっている。

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[Fender / Stratocaster(1964&1965年製)をデジマートで探す]
[製品ニュース/モンタレー50周年ジミヘン・モデルはこちら]

“レニー”とスティーヴィー・レイ・ヴォーン
Fender / Stratocaster(1960's)

Fender Custom Shop / Master Built Series Todd Krause "Lenny" Tribute Stratocaster 写真:山野楽器 本店 4Fギターフロア

 本書ではレイ・ヴォーンと2本のストラトのエピソードも取り上げられている。1本は言わずと知れた「ナンバー・ワン」、塗装のはげたサンバーストの63年製だ。そしてもう1本が、愛妻の名を与えられた65年製のレニー。レイ・ヴォーンは1980年にこのストラトを質屋で見つけたが、350ドルの購入資金がなかった。そこで妻のレニーと友人達がお金を出し合い、レイ・ヴォーンの誕生日にプレゼントしたという。リフィニッシュされた茶色のサテン・フィニッシュとブリッジ下のインレイ、メイプル・ネック(ZZ TOPのビリー・ギボンズから贈られたもの)等が特徴となる。このレニーをフェンダー・カスタムショップがレプリカし、トリビュート・シリーズのひとつとして2007年にリリースしている。

[Fender Custom Shop / S.R.V."LENNY"Stratocasterをデジマートで探す]
[Fender / Stevie Ray Vaughan Stratocasterをデジマートで探す]
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“ルシール”とB.B.キング
Gibson / ES-355

Gibson Memphis / B.B.King Lucille

 ES-335も使用していたB.B.キングだが、64年に収録された名盤『ライヴ・アット・ザ・リーガル』の頃には、ES-355がメイン・ギターになっていたようだ。335の上位機種となる355は、ゴージャスなインレイやバインディングに加え、6つのプリセット・トーンが選べるバリトーン・スイッチを搭載している点が特徴だろう。シグネチャー・モデルであるB.B.King Lucilleは、フィードバックを防止するためfホールがないこと(構造はセミ・ホロウ)、バリトーン・スイッチの搭載、ジャックはトップではなくサイドに位置している点などが特徴となる。ちなみに「ルシール」という愛称はES-355だけでなく、B.B.キングが愛用したギターすべてに用いられていたという。その詳しい理由は本書をご参照あれ。

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[週刊ギブソン〜田中義人が弾く! Gibson Memphis B.B.King Lucilleはこちら]

“ES-335”とラリー・カールトン
Gibson / ES-335(1969)

Gibson Memphis / Larry Carlton Signature ES-335(2015)

 70年代初頭から、数多くのセッションをこなす売れっ子ギタリストだったラリー・カールトン。彼の人気を決定付けたのが78年発表のリーダー・アルバム『夜の彷徨』だろう。リー・リトナーやセッション系プレイヤーなど同時代にES-335を愛用するギタリストは多かったが、「ルーム335」の大ヒットがES-335の認知度をグッと上昇させることになったのは間違いないだろう。カールトンの愛器は69年製だが、その細身のグリップ、シャーラーM6チューナー、ボディのホーン形状やfホール・サイズのリファインなどで、カールトン所有の個体に迫っているのがLarry Carlton Signature ES-335。ES-335の王道ド真ん中というサウンドも含め、カールトン・サウンドを再現するには最適なモデルと言えるだろう。

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[週刊ギブソン〜ラリー・カールトンの愛器を再現した最新版シグネチャーES-335!]

“カジノ”とジョン・レノン
Epiphone / Casino

Epiphone / Casino

 リッケンバッカーと並び、“ビートルズ・ギア”のイメージを強く持つエピフォン。中でも映画『レット・イット・ビー』のクライマックスである“ルーフトップ・コンサート”でジョン・レノンがプレイした、ナチュラル・フィニッシュのカジノE230TDは印象深い1本だ。ジョン、ポール、ジョージの3人が愛用したという点を見ても、ビートルズ・ギアの重要なモデルと言えるだろう。セミアコ的なシン・ボディながらセンター・ブロックを持たないフルアコ構造が生み出す柔らかい音色はカジノならでは。「アイ・ウォント・ユー」、「ゲット・バック」などでそのトーンを聴くことができる。

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“グリーニー”とピーター・グリーン〜ゲイリー・ムーア〜カーク・ハメット
Gibson / Les Paul Standard(1959)

Gibson Custom / Historic Select 1959 Les Paul Reissue Murphy Aged PSL

 本書ではジミー・ペイジの1958年(No.1)、59年(No.2)、デュアン・オールマンの58年などの“バースト”が語られているが、ここでは“グリーニー”を取り上げてみよう。70年代初頭にピーター・グリーンからゲイリー・ムーアの手に渡り(わずか300ドルだったという)、「パリの散歩道」などの名曲で使用されたバーストだ。2006年に手放すまで、30年に渡りゲイリーの愛器として数多くのレコーディング、ライブで使用された。現在はコレクターの手を経て、メタリカのカーク・ハメットが所有している。シグネチャーではないが、この個体を強くイメージして2015年に製作されたのがHistoric Select 1959 Les Paul Reissue Murphy Aged PSLだ。色、杢目、フロント・ピックアップの向きはもちろん、良質なレス・ポールの典型的なトーンは絶品だ。

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[週刊ギブソン〜True Historicのカスタム・オーダー=Historic Selectで伝説の59バーストが蘇った!]

“ファイアーバード”とジョニー・ウィンター
Gibson / Firebird

Gibson USA / Firebird V 2015

 ファイヤーバードと聞けば、おそらくほとんどのギター弾きはジョニー・ウィンターを思い浮かべるのではないだろうか。多くの音源が残されているが、中でも『狂乱のライヴ』(76年)が演奏、サウンド共に最高峰の1枚だろう。1963年に発表されたファイヤーバードは、ギブソン初のスルーネック構造、1弦側のホーンが長い“リバース型”のボディ・シェイプ、バンジョー・スタイルのペグなど特異な仕様を持った、非常にモダンかつ革新的なモデルだった。Ⅰ、Ⅲ、Ⅴ、Ⅶとなどのバリエーションがあるが、ジョニーが多く使用したのはⅤ型。2発のミニハムから放たれる高域がくっきりとした明確なトーンを持つモデルである。

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[週刊ギブソン〜ミニハムが吠える! Gibson USA Firebird V 2015]

“フランケンシュタイン”とエディ・ヴァン・ヘイレン
EVH / Frankenstein

EVH / Striped Series / White with Black

 1978年1月、シングル「ユー・リアリー・ガット・ミー」で彗星のごとく現れたヴァン・ヘイレン。“ライト・ハンド奏法”に代表されるテクニック、“ブラウン・サウンド”と呼ばれることになる分厚いオーバー・ドライブ・サウンドは、まさにロック・ギターの革命であった。そのプレイ、サウンドを支えていたのが、エディ・ヴァン・ヘイレンの手による、のちに“フランケンシュタイン”と呼ばれるようになった改造ギターである。STタイプのボディにハムバッカーとフロイドローズ、フラットな指板にジャンボ・フレットなど、現在ではスタンダードとなった仕様も、ここから生まれたと言えるだろう。エディとフェンダー社が共同で設立したEVHブランドから、いくつものリイシュー・モデルがリリースされている。

[EVH / Frankensteinをデジマートで探す]

たとえば、ブラッキーとクラプトン〜僕らが恋した伝説のギターたち』発売中!

Blackie_Clapton.jpg【CONTENTS】
"ブラッキー"とエリック・クラプトン
"レッド・スペシャル"とブライアン・メイ
"モンタレー・ポップ・ストラト"とジミ・ヘンドリックス
"ルーシー"とジョージ・ハリスン
"レニー"とスティーヴィー・レイ・ヴォーン
"テレギブ"とジェフ・ベック
"ルシール"とB.B.キング
"ES-335"とラリー・カールトン
"ブッダSG"とカルロス・サンタナ
"ブラック・ストラト"とデヴィッド・ギルモア
"ミカウバー"とキース・リチャーズ
"フール・ギター"とエリック・クラプトン〜トッド・ラングレン
"カジノ"とジョン・レノン
"No.1レス・ポール"とジミー・ペイジ
"タバコ・サンバースト・レス・ポール"とデュアン・オールマン
"オールド・ブラック"とニール・ヤング
"ナンシー"とロイ・ブキャナン
"グリーニー"とピーター・グリーン〜ゲイリー・ムーア〜カーク・ハメット
"ファイアーバード"とジョニー・ウィンター
"61年製ストラトキャスター"とロリー・ギャラガー
"71年製ストラトキャスター"とリッチー・ブラックモア
"ナンバー・ワン"とスティーヴィー・レイ・ヴォーン
"フランケンシュタイン"とエディ・ヴァン・ヘイレン
"メダリオンV"とマイケル・シェンカー
"ポルカ・ドットV"とランディ・ローズ
"クラウド・ギター"とプリンス
"レス・ポール・レコーディング"とレス・ポール

◎定価1,404円(本体1,300円+税)
◎四六判 / 208ページ

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