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  • フルデジタル・プロセッシングでハイレゾ音源にも対応するコンパクトなプリメイン・アンプ

DENON PMA-60 reviewed by 小島康太郎×堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)

DENON / PMA-60

DENONからコンパクトなプリメイン・アンプPMA-60が登場した。アンプ部には、新世代のデジタル・アンプ・ソリューション“DDFA”の最新バージョンを採用したClass Dアンプを搭載し、デジタル・ソースを再生する際の入力からボリューム調整、増幅、フィードバック処理まで、すべてをデジタル・ドメインで行なうことが可能となっている。また、最高32ビット/384kHzの入力に対応するほか、USB-DAC機能、Bluetooth機能の搭載など、現代の音楽リスナーのニーズに幅広く応える内容だ。音楽制作の現場においても、特にミックスやマスタリング時に、コンポやラジカセなどによるリスニング・チェックが行なわれているが、ここでは、マスタリング・エンジニアの小島康太郎氏とPENGUIN RESEARCHのベーシスト/コンポーザーの堀江晶太氏に試聴チェックしてもらった。彼らのインプレッションから、PMA-60の性能に迫っていきたい。

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about DENON PMA-60 〜 PMA-60の特長

DENON PMA-60 / 価格:オープン(市場予想価格:70,000円前後)

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■新世代DDFA搭載Class Dパワーアンプ
 DDFAとは、QUALCOMMのデジタル・アンプ・ソリューション。PMA-60にはその最新バージョンが採用されており、これまでのClass Dアンプの課題であったひずみの多さや電源変動による音質劣化を克服している。

■ “Advanced AL32 Processing Plus”の搭載
 PCM32ビット/384kHzの入力に対応した、DENON独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術の最新バージョン“Advanced AL32 Processing Plus”を搭載。ひずみのない繊細な描写や正確な音の定位、豊かな低域といった、原音に忠実な再生を実現している。

■フルデジタル・プロセッシング
 デジタル・ソースを再生する際には、Advanced AL32 Processing Plusによる補間処理、ボリューム調整、増幅、フィードバック処理まで、すべてをデジタル・ドメインで行なうことが可能となっている。

■DSD11.2MHz & PCM32ビット/384kHz対応USB-DAC
 USB-DAC機能はDSD11.2MHzとPCM32ビット/384kHz対応。DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生とDoPをサポートしている。

■高音質ヘッドフォン・アンプ
 スピーカー出力用アンプとは別にヘッドフォン出力専用アンプを搭載。ハイスピード&ローノイズな高速オペアンプで、出力バッファーにはディスクリート回路を採用し、ヘッドフォンでも高音質な音楽を楽しめる設計となっている。

■そのほかの機能
 USB接続時のコンピューター・ノイズをシャットアウトするデジタル・アイソレーターの搭載。またデジタル回路を正確に同期させ、ジッターを抑えた再生を実現するためのマスター・クロックを採用している。さらに、iOSデバイスやAndroidスマートフォンなどからワイヤレスで音楽が楽しめるBluetooth機能(aptX Low Latency / AAC / SBC、NFC対応)、本体上下のパネルに3mm厚のアルミニウムの使用、縦置き対応といったさまざまなニーズに応える機能を備えている。

QUALCOMMのデジタル・アンプ・ソリューションDDFAの最新バージョンを採用したClass Dアンプ

リア・パネルには、上段左からAUX INのR/L(RCAピン)、デジタル入力としてUSB-B、OPTICALの1/2(S/PDIF)、COAXIAL(RCAピン)、下段左からスピーカー端子のR/L、サブウーファー・プリアウト端子(フォーン)を備える

Interview:小島康太郎 × 堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)

 さまざまな新機能を搭載したPMA-60は、プロの耳ではどのように聴こえるのだろうか? ここでは、FLAIRマスタリングワークスに所属する小島康太郎氏、5人組ロック・バンド、PENGUIN RESEARCHのベーシスト/コンポーザーを務める堀江晶太氏に試聴を依頼。小島氏が手掛けた彼らの楽曲を、氏のマスタリング・ルームで試聴した。普段使っているというコンパクト・コンポーネント・システム、JVC EX-A3のウッド・コーン・スピーカーをリファレンスにして聴いたPMA-60の印象を語ってもらった。

エンジニア小島康太郎氏(左)、PENGUIN RESEARCHのベーシスト/コンポーザー堀江晶太氏

音のきめ細かさがPMA-60の特長的な武器になっている

──今回はPENGUIN RESEARCHの新作EPから、疾走感あふれるロック・チューン「方位磁針」を聴いてみました。実際に小島さんがこのKOTARO Roomでマスタリングされた音源ですが、スタジオで常時使用しているウッド・コーンのシステムで聴いたあと、アンプのみをPMA-60に変えて試聴してみました。どんな印象を持ちましたか?

堀江晶太(以下堀江) もともと僕は、自分の家でウッド・コーンを使って音作りから作曲/編曲までやっているので、いつもの聴きなじみのある音だったんですけど、そこからアンプだけを変えてみたら、まず音の粒子というか粒がきめ細かく感じました。その影響からか、全体の音も澄んで聴こえましたね。あと、ボリュームを小さくしてみたんですけど、それでも音の輪郭や進力が落ちずに残っていたのは好印象でした。

PMA-60は、1dBステップで精密なボリューム調整が可能。二人とも調整しながらチェックしていた

小島康太郎(以下KOTARO) 僕も(堀江)晶太君と同じような印象を受けました。低音感は少ないものの解像度は高いなと。ただ、今はスピーカーをウッド・コーンのもので聴いていたからか、ボリュームを下げていったときに、多少音のバランスが崩れる印象がありました。これはスピーカーを推奨のものに変えてみないと判断できないことだと思いますが。

──その後スピーカーをPMA-60のリファレンスとして使っているDALI Zensor 1に変えて聴いてみましたが、それによって印象は変わりましたか?

KOTARO 予想通りバランスが良くなりましたね。高域もナチュラルに伸びていたし、低域もしっかり聴けた。先ほどと同じようにボリュームを下げながら確認した際も、バランスが崩れるようなこともなかったです。

「アンプの性能が高く、スピーカーとの組み合わせ次第では 音楽制作にも対応できる可能性がある」と語る小島氏

堀江 高域の解像度の高さは、ウッド・コーンのスピーカーで聴いたときと変わらない印象だったので、音のきめ細かさというのは、どんなスピーカー環境で聴いても安定していて、PMA-60の特長的な武器になっていると思いました。あと、KOTAROさんがデスクの前で聴いているときに、僕は後ろのソファで聴いていたんですけど、アンプの性能やスピーカーの特性がどういうものかなど意識せずに、リラックスして聴けたんですね。リスニング用としては、このくらいスッと音が入ってくると、すごく気持ち良い。デスクのところでも聴きましたが、僕は後ろのソファで聴いている方が好きでしたね。

KOTARO ウッド・コーンはアンプとスピーカーがセットでその性能を発揮するような作り方をしていますが、PMA-60をZensor 1で聴いてみたら、同じように良いバランスで気持ち良く聴けました。

ハイレゾ音源に対しても高い再生能力を持っている

──PMA-60は、最高32ビット/384kHzの入力に対応したアンプです。小島さんが手掛けた南壽あさ子さんのハイレゾ音源「八月のモス・グリーン」を聴いてみましたが、いかがでしたか?

KOTARO 南壽さんの音源は、24ビット/96kHzのPCM音源でしたが、この部屋のラージ・スピーカー、PMC MB-1と聴き比べてみても、極端に印象が変わることはありませんでした。PMA-60の高い解像度における再生能力は、ハイレゾ音源でもしっかり対応していますね。

堀江 そうですね。僕らの曲は44.1kHzでしたが、レートが上がった分だけ、音の輪郭が広がったというか、さらに外側の成分が増えている印象でした。スピーカーをZensor 1に切り替えてもそれは感じられましたし。ボーカルやシンバルなど、音の切れ際までしっかりと聴き取ることができ、明らかに別の額縁で鳴っていましたね。

「聴いてすぐに心地良いなと感じることができ 楽曲の音にしっかり向き合えると思います」と語る堀江氏

──PMA-60は、音楽制作やリスニングなど、幅広く活躍しそうなアンプになりそうですね。

KOTARO そうですね。アンプの性能はかなり良いと思いましたし、スピーカーとの組み合わせによっては音楽制作にも対応できる可能性を感じました。また、リスニング用としても、今回の組み合わせで音楽を楽しく聴くことができたので、オススメできますね。マスタリング・スタジオでも、こういったコンポ(民生機)で確認することは必要な工程なんです。僕らの仕事は、ラージからニアフィールド、民生機、パソコンのスピーカー、そしてヘッドフォンなど、さまざまな環境で聴かれたときに、アーティストがリスナーに伝えたい芯の部分がぶれない音作りをすることですからね。

堀江 音の印象は最初から最後まで変わらなくて、解像度が高くナチュラルな音像だと思いました。僕もそうなんですけど、機材の仕組みなど専門的な知識にあまり詳しくなくても、聴いてすぐに心地良いなと感じることができたのは素晴らしいですね。楽曲の音にしっかり向き合えるアンプだと思います。

KOTARO Roomでの試聴は、デスクと後方のソファとで交互に座りながら行なわれた

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 本記事は、リットーミュージック刊『サウンド&レコーディング・マガジン 2018年2月号』の特集記事を転載したものです。本号の巻頭インタビューには、電気グルーヴでの活動をはじめ、DJやリミックス・ワークなど近年ますます勢いを増し続ける石野卓球が登場。12月27日発売の最新ソロ・アルバムと2018年1月発売となるボックス・セットの2タイトルの内容に迫ると同時に、所有機材を振り返るロング・インタビューも敢行。石野卓球のクリエイター人生35周年を記念した一大企画となっています。また特集ではD.O.I.×SUIが2018年の"旬な"サウンドの傾向を、2017年の洋楽/邦楽/機材の動向から徹底解析します。そして特別付録には音楽制作ツール購入ガイド『サンレコ for ビギナーズ2018』小冊子も付いてきますので、ぜひ手に取ってお楽しみください!

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製品情報

DENON / PMA-60

価格:オープン

【スペック】
■出力:25W+25W(8Ω、1kHz、THD0.1%)、50W+50W(4Ω、1kHz、THD1.0%) ■全高調波ひずみ率:0.004%(デジタル・イン、定格出力、-3dB、8Ω、1kHz) ■SN比:110dB ■入力感度:0.13V(AUX) ■入力インピーダンス:22kΩ ■Bluetooth:バージョン3.0 ■外形寸法:200(W)×86(H)×258(D)mm(横置き時) ■重量:2.7kg
【問い合わせ】
デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター TEL:0570-666-112 https://www.denon.jp/jp
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