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Xotique Japan Shop【2018ギター工房放浪記。】

Xotique Japan Shop

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最新鋭ネック・メンテ機器=PLEKで、よりスピーディーな対応が可能に

 東京メトロ千代田線の赤坂駅と乃木坂駅、都営大江戸線の青山一丁目駅がひしめき合う、このエリア。各国の大使館が多いことでも知られるが、大手レコード会社やプロダクション、プロ・ユースのレコーディング・スタジオなどもあり、いわゆるギョーカイ人御用達の土地でもある。そんな都心の一等地に居を構えるのがXotique Japan Shop(エキゾティーク・ジャパン・ショップ)だ。

 ご存知Xoticブランドをはじめ、Z.VEX EFFECTSなども取り扱うPCI JAPANがオープンした工房で、同社と同じビル内に出店。また、同社の取り扱いブランドのギターやアンプ、エフェクターなどの試奏、販売、オーダー受け付けや、リペア、メンテナンス、カスタマイズを行なうショールーム兼ショップとしての機能もある。プレジデントの黒川祐樹氏によると、場所柄もあって顧客の7割がプロ・ミュージシャンということだが、決して敷居が高いわけではない。実際、今回特に注目したいPLEK(プレック)によるネック・メンテナンスに関しては、プロ/アマ半々くらいの比率だそう。

「従来のリペアは楽器のお預かりから完成まで、数日のお預かりとなることが多いのですが、PLEKを導入したことで、かなりスピーディーな対応が可能となりました。内容にもよりますが、当日のお渡しも可能です。待っている間は、ショールームの製品を試奏していただいたり、サウンドメイクのご相談をされたり、あとは『ギター・マガジン』を読んだり(笑)されている方が多いですね」

 PLEKというのは、ドイツで開発されたネック・メンテナンス専用の大型機材(記事トップ写真)。通常のネック調整では、リペアマンがネックの具合をチェックし、反りや弦高の調整、必要に応じてフレットの擦り合わせを行なう。擦り合わせは弦を外して行なうため、チェック時とはネックの状態が変わるわけだが、その誤差はリペアマンの技術と経験値によってカバーされている。PLEKの場合は、まず現状を把握するため、弦を張ったままの状態でスキャン。ネックとトラスロッドの状態、フレットの高さと形状、ネックの反りの状態、バズ(ビビリ)の発生量、ナットとブリッジ・サドルの高さ、フレット位置とフレット浮きなどの異常、スケールと弦間、弦の振幅量を各弦ごとに計測し、その数値がモニター画面で視覚化される。

「高価格でないのもあってか、スキャンだけのお客様もけっこういらっしゃいますよ(税別3,500円~)。原因はわからないけど弦高が高くなってしまって弾きにくいとか、そういうケースは多いと思うんですよね。でもネックが反っているなら、測ればそれがわかるでしょうし、アドバイスができると思うんです。せっかく良いギターを持っていても、しっかりとした調整がされていないと残念ですよね。あと、特に問題はなくても、良い状態を測っておくというのもおすすめです」

 PLEKによって緻密に数値化されたデータは、言わばカルテと同じ。そのデータは蓄積されていくため、例えば別のギターを同様のセッティングにしたい場合も、数値による具体的な設定が可能となる。作業内容はモニター画面上で、どういった処理をすれば理想的な状態になるのかを確認したうえで、1/100ミリ単位の微調整が可能。決定したら、計測と同じく研磨や整形もコンピューター制御のため、正確かつ短時間で行なわれる。

「一度スキャンされると、リピーターになっていただけますね。時間の短縮が実感できるのと、やはり一度測っておくと次回お持ちいただいた時にどう変わったか、数値で見れるようになるので。また、フレットを削る量が最低限に抑えられるというのも大きいと思います。地方から送ってこられる方もいらっしゃいますし、7弦ギターや8弦ギターのお客様もいらっしゃいますね」

 PLEKによる計測と調整は、状況によっては即日完了も可能なほどスピーディーではあるが、最近では需要が増え、完全予約制での対応となる。PLEKに限らず、多くのプロを満足させるリペア&メンテナンスの品質が体感できるというのは、ここ Xotique Japan Shopの大きな魅力だ。

Shop Data

Xotique Japan Shop(エキゾティーク・ジャパン・ショップ)

〒107-0052
東京都港区赤坂8-12-12
03-3408-6007
http://www.xotique.jp/

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