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中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)が語る“UNIVERSAL AUDIO Apolloラック”の魅力

UNIVERSAL AUDIO Apollo 8

UNIVERSAL AUDIO Apolloシリーズは一般的なオーディオ・インターフェースと大きく異なり、UADプラグインのリアルタイム・プロセッシングが行なえるDSPと、プリアンプやギター・アンプの名機をエミュレート可能なUNISONテクノロジーを搭載している。ここでは、Apollo 8を所有する中野雅之氏(BOOM BOOM SATELLITES)のスタジオに伺い、その使用感についてコメントをいただいた。

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ギターはUNISONを使って録音した方が不思議な生々しさがある

── ギター録りでApollo 8のUNISON機能を多用しているそうですね。

中野  ギター録音はほとんどUNISONです。高価なマイクやギター・アンプを使ったレコーディング環境とフェアに聴き比べても、Apollo 8にギターを直接つないで録った方がむしろリアル感がある……不思議な生々しさが感じられるんです。スーパーリアルというか、マイクやマイクプリを通さずに目の前でアンプが鳴っているような、今までのシミュレーターとは別次元の音がします。Marshall系アンプのUADプラグインはほとんど持っていて、中でもMarshall Silver Jubilee 2555は中域に音圧感があって多用しています。また、クランチっぽいアルペジオにはMarshall Bluesbreaker 1962というように、用途によって使い分けていますね。

── ボーカルにもUNISONを使用していますか?

中野  最近はAPI Vision Channel Stripを使うことが多くて、ダイナミック・レンジが広いボーカルをギュッとまとめてくれる印象です。UADのNEVE 1073も使いますが、これは実機と違って“サウンドがまとまる”というよりは“繊細で生々しくなる”ので、ウィスパー・ボイスなどを奇麗に取り込む際に使用しています。そういう意味で実機とUADプラグインは別々のノウハウが必要という印象がありますが、1台で非常にサウンド・キャラクターの幅が広い機材なので、実機のサウンドとUADプラグインの特徴をうまく組み合わせると歌い手やギターの竿に合ったサウンドに対応できると思います。

中野雅之氏がApollo 8で使用しているUADプラグインの一部:NEVE 1073 preamp(写真左上)、Marshall Silver Jubilee 2555(写真左下)、Empirical Labs EL8 Distressor(写真右上)、Bermuda Triangle(写真右下)

── 本チャンでもギターやボーカル・マイクをApollo 8へダイレクトに接続して録音しているのでしょうか?

中野  ボーカルに関しては今試しているところです。何もプラグインを通してない状態で素のボーカルを録っておくのが理想なんですが、当然ながらダイナミック・レンジが広いボーカルはコンプを挿さないとクリップしてしまうので、どうやったら適正レベルにうまく収められるかを研究していて。ちょうど今やっているプロジェクトでTOWNSEND LABS Sphere L22を試すことができたんですが、なかなか良い感触だったので本格的に使おうかと思っています。録音後にマイクの種類や指向性、それから距離もプラグイン上で変更できて非常に面白いマイクです。Apollo 8で直接ボーカルを録るケースは今後増えるかもしれないですね。

TOWNSEND LABS Sphere L22。指向性や空間内のマイク位置、方向などを録音後に調整できる特殊な仕様のコンデンサー・マイクと専用プラグインによる画期的なシステム。なお専用プラグインUADのほかAAX Native、VST2、VST3、Audio Unitsにも対応しているが、UAD Consoleで使用するとほぼゼロ・レイテンシーでリアルタイム処理が可能

── 当然ながら、ミックスでもUADプラグインを活用しているわけですよね?

中野 プレート・リバーブのEMT 140や、テープ・エコーのGalaxy Tape Echo、マスターEQのManley Massive Passive EQなど、ほとんど使います。UADプラグインは新しい製品が出るたびにクオリティが上がっていて、その分DSP負荷も増えるんですが、これがプラグインで出せるのかと驚くようなものが次から次へと出てくる。なので、新しいプラグインが出るとついついポチってしまうんですよね(笑)。

Apolloを100万円ぐらいのスペックで作って欲しい

── DSPパワーは、所有しているApollo 8(Quad)1台で足りていますか?

中野 UAD-2 DSPアクセラレーター・カードのOctoとQuadを1枚ずつ接続しているので、Octo×2枚分を稼働させている状態ですね。これだけあれば大抵は大丈夫です。

作業スペース右手ラック。上段からVINTECH AUDIO Model 473、X81、DBX 160SL、UREI 1176、DOEPFER MS-404、APOGEE Symphony I/O、UNIVERSAL AUDIO Apollo 8。ラックの上にはGRACE DESIGN M905のモニター・コントロール部とVUメーターHAYAKUMO Formaが置かれている

UNIVERSAL AUDIO Apollo 8はラックの一番下段に置かれている

── 今まで使用してきたオーディオ・インターフェースに比べて、Apollo 8の音質はいかがですか?

中野  Apolloは初代のシルバー・モデルから使っていますが、この世代になってからADコンバーターなどのクオリティがだいぶ上がったという印象ですね。正直、初代のApolloはまだ本チャンのレコーディングは無理かなと思っていましたが、Apollo 8になってからは問題無く使えるレベルだと思います。この価格でここまでのクオリティのサウンドが出せるというのはとても使いでがあって、ハイアマチュアからプロまで信頼して使える機材だと思います。今後、スーパー・アナログのスペックを持ったApolloが出たら100万円ぐらいでも僕は欲しいです(笑)。

── Apollo Twin MKIIのように、小型のApolloシリーズを持ち出して作業を行なうというケースも今後ありそうですか?

中野  出先で軽くミックスしたり、商業スタジオの卓とアウトボードではできないことをApollo 8で行なったことは今までもあります。ミックス段階でひと癖あるエフェクトをUADプラグインでかけてAVID Pro Toolsのセッションに放り込んだりして。ほかにも以前、海外のマスタリング・スタジオに2日間スケジュールを組んで行なったことがあるんですが、1日目に完成したものをホテルで聴いて、次の日に修正してもらう部分をUADプラグインでシミュレートするという使い方をしたこともあります。こういうときはラック版のApolloよりもApollo Twin MKIIのようなコンパクトなシステムの方が便利だなと思いますね。ぜひ小型モデルにもたくさんのDSPチップを積んでほしいです。

こちらも合わせてご覧ください
→ mabanuaが語る“UNIVERSAL AUDIO Apolloラック”を選んだ理由

UNIVERSAL AUDIO Apolloラック・シリーズのラインナップ

Apollo 8

実勢価格 Duo:245,000円(税別)/Quad:288,000円(税別)

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 18イン/24アウト仕様。UNISON対応のマイクプリを4基備えフロント・パネル左のノブでゲインを調整することができる。DSPを2基搭載する“Duo”と4基の“Quad”の2つのバリエーションをラインナップ。Apolloシリーズの中で唯一S/P DIFイン/アウトを装備している。

Apollo 8P

実勢価格 340,000円(税別)

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 16イン/20アウト仕様。UNISON対応のマイクプリを8基備えApollo 8と同じくフロントのノブでゲイン調整が行なえる。DSP搭載数は4基。

Apollo 16

実勢価格 340,000円(税別)

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 18イン/20アウト仕様。マイクプリは非搭載(UNISON非対応)だがD-Sub 25ピンの入出力を備え、Apollo 8/Apollo 8Pの2倍のアナログ接続数に対応する。DSPの搭載数は4基。リアにはThunderbolt端子×2やMADIイン/アウト、AES/EBUイン/アウト、モニター・アウトL/R、ライン・アウト1~8と9~16、ライン・イン1~8と9~16などが用意されている。

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Universal Audio / Apolloラック・シリーズ

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