Bose S1 Pro+ wireless PA system × 松井祐貴&井草聖二
- 2024/04/25
AER / IKEBE ORIGINAL Compact60/3 BIRCH PLYWOOD EDITION “WOODY”
AER Compact60/3は、海外で限定販売され大人気を博したアコースティック&ジャズ・ギター・アンプです。そして今回ご紹介するIKEBE ORIGINAL Compact60/3 BIRCH PLYWOOD EDITION “WOODY”は、Compact60/3を基本に、日本向けにイケベ楽器店がオリジナル仕様として発売したモデルとなります。アンプ本体のバーチ材の杢目がとても美しく高級感が漂っていますが、なんと通常モデルと価格は変わらないそうです。このアンプのポテンシャルは如何に!? さっそくチェックしていきましょう!
本体にはインプット1(1/4インチ・フォーン)、インプット2(XLR/ 1/4インチ・フォーン)という2系統の入力があり、アンプの出力も60Wとかなりハイ・パワーです。また、ベース、ミドル、トレブルの3バンドEQ(インプット2はベースとトレブル)を装備し、エフェクターもショート・リバーブ、ロング・リバーブ、ディレイ、コーラスの4種類を標準装備しています。背面にはセンド/リターン、DIアウト、チューナー・アウト、ライン・アウトもしっかりと搭載されていて、ライブPAやモニター・アンプとしても十分威力を発揮してくれそうです。
まずはアコースティック・ギターからサウンド・チェックを行ないましたが、あまり細かい設定をしなくても、つないですぐに良い音が出せる点に驚きました。まずはEQツマミをフラットに設定してみて、そこから好みに合わせて微調整し、エフェクトを決めていけるシンプルな設計です。アコギを弾く場合は、あまり高域を目立たせたくない場合と、ギラついたサウンドをしっかり聴かせたい場合に分かれると思いますが、そのどちらにも対応できる「カラー・スイッチ」が付いているので、一発で切り替えが可能です。
続いてセミアコの人気機種、ギブソン製ES-335でサウンド・チェックしてみましたが、ジャズ・ギタリストから絶大な人気があるのが納得できるサウンドでした。特に低域〜中域のハリとツヤが素晴らしく、「色気のあるサウンドとはこういうものなのか!」と頷いてしまいました。サウンドの立ち上がりが速いので、細かいパッセージや、小さい音でのフィンガリングのニュアンスがそのままダイレクトに出力されます。
通常のアンプのようにトーレックスを貼らずにバーチ材をむき出しにすることによって、高域から超高域成分がキレイに伸びている印象がありました。特にアコギは「シャラ〜ン」や、「ジャリ〜ン」といったオイシイ部分が強調できるので、一度このアンプの旨味を知ってしまうと戻れなくなりそうです。また本体のパワー感や押し出し感も十分あるので、この1台でリハーサルや本番までこなせるでしょう。そして、スピーカーのセッティングが素晴らしいのかコードを弾いた時の音の立体感が際立っていて、各音がつぶれずに出力できるのはありがたいところ。ぜひ一度このアンプを体感していただきたいです。
価格:¥112,500 (税別)
野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。