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  • ニュー・モデル4本が登場!

斎藤誠が弾く! マーティンD-18 Authentic 1939 Aged、HD-28、HD12-28、000RSG

Martin / D-18 Authentic Aged、HD-28、HD12-28、000RSG

  • 制作:デジマート・マガジン 取材・文:坂本信 写真撮影:八島崇 動画撮影&編集:熊谷和樹 録音:嵩井翔平

好評連載Martin Times。24回目はニュー・モデルを4本ご紹介! ビンテージ・ライクなルックスとサウンドを再現したD-18 Authentic 1939 Aged。なんとMartin Times初登場となる12弦HD12-28と、6弦仕様のHD-28。そしてロード・シリーズのエレアコ000RSGを、お馴染み斎藤誠氏の演奏でお楽しみください。

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斎藤誠が弾く!
マーティンD-18 Authentic 1939 Aged、HD-28、HD12-28、000RSG

Special Talk Session
斎藤誠が語る! マーティンD-18 Authentic 1939 Aged、
HD-28、HD12-28、000RSGの魅力

Martin Timesに12弦モデルが初登場!

 前回までは、ショップ・オリジナルやマーティン社側の自由な発想による個性的な仕様のモデルを3回にわたってご紹介してきた。今回は軌道をやや元に戻して、レギュラーあるいはそれに近いモデルの中で、少し変わったギターをご紹介しよう。

 D-18 Authentic 1939 Agedはその名のとおり、レギュラー・モデルの最高峰と言えるシリーズのD-18をベースに、ピッキングの跡や汚れなど、長年にわたって使い込んだような状態を再現したモデルである。HD12-28は、Martin Timesでは初めてとなる12弦ギターで、型番からもおわかりのとおり、D-28をベースにしたビンテージ・テイストのモデルとなっている。HD-28(2018)は今年リニューアルしたヘリンボーンのD-28で、一足先にリニューアルしたD-28(2017)と対を成すスタンダード・モデルである。000RSGは以前にご紹介したDRSGと同様の位置付けとなる、エントリー・モデルでありながらオール単板でグロス仕上げという、本格的なエレアコだ。

 オーセンティック・シリーズからロード・シリーズまで、さまざまな価格帯のマーティン・サウンドを堪能していただければ幸いである。

Authentic & Vintage
D-18 Authentic 1939 Aged

D-18 Authentic 1939 Aged(Front)


D-18 Authentic 1939 Aged(Back)

ペグにはニッケルがくすんだような加工が。ナットにも使い込んだような加工が施されている

オーセンティックをベースにしたモデルだけあって、マホガニーは最上級のものを使用

トップは音響的に重要な部分なので、引っ掻き傷や打痕の再現はごく浅い加工に留めてある

 レギュラー・モデルとしては最高峰に位置するオーセンティック・シリーズのD-18にエイジド加工を施したギター。マーティン本社の博物館所蔵の1939年製の実物を基に作られた本器は、リアワード・シフテッドXブレイシングを採用し、トップ材にはVTS(ビンテージ・トーン・システム)加工を施したアディロンダック・スプルースを使用。外観ばかりでなく、サウンドまで本物のビンテージを再現した真のレプリカである。
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【Specifications】
●トップ:アディロンダック・スプルース with VTS ●サイド&バック:ジェニュイン・マホガニー ●ネック:ジェニュイン・マホガニー ●指板:エボニー ●ブリッジ:エボニー ●スケール:25.4インチ(645.2mm) ●ナット幅:1 11/16インチ(42.9mm) ●トップ・ブレイシング・パターン:オーセンティック1939リアワード・シフテッドX・スキャロップト ●価格:¥1,080,000(税抜き)

Makoto’s Impression

 正直言って、こうしたエイジド加工はもともと好きじゃなかったんですが、最近は「とっても良いなぁ」と思うようになったんですよ(笑)。ピッカピカの新品だと、傷を付けたくないから弾き方もおっかなびっくりになりますが、エイジドだと最初からガンガン弾けますね。デモ曲は「男っぽい感じのロード・ムービーのサントラ」みたいな雰囲気にしました。で、ドレッドノートにしては低音があまり暴れないんですが、ブレイシングの効果でしょうか。開放弦を含むコードでもバランスが良いですね。マホガニーのキャラはハッキリ出ているけれど、材のクオリティが高いおかげかオールマイティに使えると思います。間違いなく最高級のD-18ですね。

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Standard Series
HD-28(2018)

HD-28(Front)

HD-28(Back)

スクリプト・オールド・スタイルのロゴと、オープン・ギア・タイプのペグ

ダイヤモンド&スクエアのインレイとヘリンボーンのパーフリングがビンテージ感をそそる

新仕様のXブレイシングはフォワード・シフテッドで、サウンド・ホールに近くなった

 スタンダード・シリーズにD-28とHD-28という2種類のモデルが存在することは、“ディー・ニッパチ”の人気の高さの証左でもある。Xブレイシングがスキャロップト、トップ周辺のパーフリングがヘリンボーンというHD-28の特徴は2018年仕様にもそのまま受け継がれ、D-28と同様にブレイシングはフォワード・シフテッドに変更されている。その他、ダイヤモンド&スクエアのインレイやオープン・ギア・タイプのペグの採用で、外観はよりビンテージ色の強いものなっている。
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【Specifications】
●トップ:シトカ・スプルース ●サイド&バック:イースト・インディアン・ローズウッド ●ネック:セレクト・ハードウッド ●指板:エボニー ●ブリッジ:エボニー ●スケール:25.4インチ(645.2mm)●ナット幅:1 3/4インチ(44.5mm)●トップ・ブレイシング・パターン:フォワード・シフテッドX・スキャロップト ●価格:¥470,000(税抜き)

Makoto’s Impression

 ドレッドノートは35、42、45といった上位機種もありますが、HD-28は何の不満もなく、昔から聴いてきたギターの音だという安心感がありますね。例えば巻弦の倍音が出過ぎないというか、ガリガリしないところに安定感とかロックっぽさを感じて、強く弾けるんです。それと低音弦がベースっぽくて、ギターでバンドのサウンドを再現しているような気分になれるんですよ。デモも、楽器屋さんで試奏する時にはほとんどの人が最初に鳴らすであろう(笑)、Gのストロークが後半に出てくるロー・コード主体の曲にしました。子供の頃からイメージしていたアコースティック・ギターのコード・スタイルで弾きたくなる楽器だということですね。

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Standard Series
HD12-28

HD12-28(Front)


HD12-28(Back)

ズラリと並んだ12個のペグには、クロームのエンクローズド・ギア・タイプを採用

2018年仕様で“D”から“HD”に変更されたことを示すヘリンボーンのパーフリング

べっ甲柄の赤いドットのブリッジ・ピンも新仕様。12個あると華やかに見える

 スタンダード・シリーズの他のモデルと同様、2018年の新仕様となった際に、それまでのD-28ベースではなく、トップの周囲にヘリンボーン・パーフリングを施したHD-28ベースに変更された12弦ギター。いわゆるパフォーマンス・ネックの採用も他の2018年モデルと同様だが、もともと弦を押さえるのが大変な12弦ギターだけに、このネックによる演奏性の向上は特筆すべき点で、その効果の大きさは6弦ギター以上と言っても過言ではない。
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【Specifications】
●トップ:シトカ・スプルース ●サイド&バック:イースト・インディアン・ローズウッド ●ネック:セレクト・ハードウッド ●指板:エボニー ●ブリッジ:エボニー ●スケール:24.9インチ(632.5mm)●ナット幅:1 13/16インチ(46.1mm)●トップ・ブレイシング・パターン:スタンダードX ●価格:¥470,000(税抜き)

Makoto’s Impression

 今回のメインとも言えるギターですね。12弦ということでデモはピック弾きの曲にしました。もし指弾きをするなら、サム・ピックやフィンガー・ピックを使うのが良いでしょうね。12弦と言えばやはり巻弦とそのオクターブ上の複弦の味わいだと思うので、デモ曲も低音弦を不自然なぐらい多用しています(笑)。昔、ブルース・スプリングスティーンのソロ・ライブを観た時に、彼が12弦ギターでパワー・コードなんかもガンガン弾いていて、いろんな使い方があるんだなぁと思ったことがあるので、この曲でもさまざまなアプローチを盛り込みました。胆を据えて弾かないと、弾き損じたり、複弦が1本しか鳴らなかったりしますが、これは弾きやすいですね。

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Road Series
000RSG

000RSG(Front)


000RSG(Back)

重厚感のある深い色調に仕上げられたボディ材のシリス

エレアコの出力ジャックは立奏を意識した位置に取り付けられている

ピックアップはフィッシュマンのソニトーンを搭載

 2年前に発売され、Martin Timesでもご紹介したDRSGと同様、ボディにシリスという材を採用したエレアコである。オール単板のモデルとしては最も低い価格帯のロード・シリーズに属するギターでありながら、高級感のあるグロス仕上げを採用。ネックはモダンな奏法にも対応するパフォーマンス・ネック、フィッシュマン社製ソニトーン・ピックアップ・システム搭載という、ライブでガンガン使える仕様になっている。
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【Specifications】
●トップ:シトカ・スプルース ●サイド&バック:シリス ●ネック:セレクト・ハードウッド ●指板:FSCサーティファイド・リッチライト ●ブリッジ:FSCサーティファイド・リッチライト ●スケール:24.9インチ(632.5mm)●ナット幅:1 3/4インチ(44.5mm)●トップ・ブレイシング・パターン:スタンダードX ●価格:¥215,000(税抜き)

Makoto’s Impression

 このクラスのモデルなのにキレイなグロス仕上げですね。生音はそれほど大きくないけれど、アンプで鳴らした時の音は気持ち良いです。このクラスのギターだと、むしろピックアップを付けてガンガン弾いた時に力を出すようなのが良いのかもしれません。ロード・シリーズというだけあって、やはりツアーが多い人にはオススメしたいですね。出力ジャックの位置もライブで立奏することを想定しているんだと思います。楽器としてのバランスも良いし、どんなシチュエーションでも同じような感覚で弾けそうですよ。エレアコということで、デモ曲には懐かしいヒット曲っぽいコード進行の入った(笑)、ポップなものを選びました。聴く人が聴けばわかると思います。

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Makoto’s Impression〜試奏を終えて

 D-18はエイジド加工する人の考え方を想像するのも楽しいけれど、とにかく音が最高ですね。あえてオーセンティックをベースに「本物の」ビンテージのサウンドを再現しようとしたあたりはさすがです。PAなしのライブができちゃう感じで、通が喜びそうなギターでした。HD-28はまさに「漢(おとこ)」な感じのサウンドで、45がオーケストラ的なのに対して、28はやはりバンドっぽいんですよ。70年代には45をロックで使うクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングみたいな人たちもいましたが、バンドの中にすんなり入っていけるのはやはり28だと思うし、持った時の気持ちも全然違います。000RSGは気軽に弾けるので、家にあったらこればかり弾いているかもしれません。僕はデモ曲をだいたいリトル・マーチンで作っているんですが、これはもっと本格的ですしね。あと、12弦は60年代後半ぐらいのポップ・ソングで使っているものが多くて、サウンドにはけっこう存在感がありました。「あの素晴らしい愛をもう一度」がヒットした頃の加藤和彦さんもよく使っていましたね。僕が以前に持っていた他社製の12弦はネックの幅が広すぎて弾きこなせませんでしたが、HD12-28はそれに比べてずっと弾きやすいです。それにしても、12弦ギターの音って良いですね。6弦とは全然違います。

Martin Times〜It's a Beautiful Day バックナンバーはこちらから!

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製品情報

プロフィール

斎藤誠(さいとう・まこと)
1958年東京生まれ。青山学院大学在学中の1980年、西慎嗣にシングル曲「Don’t Worry Mama」を提供したのをきっかけに音楽界デビューを果たす。 1983年にアルバム『LA-LA-LU』を発表し、シンガー・ソング・ライターとしてデビュー。ソロ・アーティストとしての活動はもちろん、サザンオールスターズのサポート・ギターを始め、数多くのトップ・アーティストの作品への楽曲提供やプロデュース活動、レコーディングも精力的に行なっている。 2018年4月18日、MARTIN GUITARのラジオCMでお馴染みの斎藤誠の新曲「It’s A Beautiful Day」がニュー・シングルとしてリリースされた。また、本人名義のライブ活動の他、マーティン・ギターの良質なアコースティック・サウンドを聴かせることを目的として開催されている“Rebirth Tour”のホスト役を長年に渡って務め、日本を代表するマーティン・ギタリストとしてもあまりにも有名。そのマーティン・サウンド、卓越したギター・プレイを堪能できる最新ライブ情報はこちらから!

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