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  • 楽器フェア2018で行われたSHURE×サンレコのイベントを詳細レポート!

エンジニア&歌い手が明かすSHUREボーカルマイクの選び方

SHURE / SM58、PGA58、Beta 58A、KSM8

10月19〜21日の3日間にわたり、東京ビッグサイトにて開催された“楽器フェア2018”。その最終日である21日にSHUREとサウンド&レコーディング・マガジンが共同で、“SHUREボーカルマイクの選び方”と題したセミナーを行った。普段からステージでSHUREのマイクを愛用する城戸あき子(CICADA)と、SHUREの音を知り尽くしたエンジニアの小松久明氏(オアシスサウンドデザイン)が登壇。サウンド&レコーディング・マガジン副編集長の松本伊織による司会進行のもと、両氏にSHUREマイクの特徴や魅力などを語ってもらった。その様子をレポートしよう。

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エンジニア&ボーカルがSHUREマイクを語る高密度な45分

 3部構成で行われた今回のセミナー。まずは、SHUREの93年に及ぶ歴史を振り返った。同社は1925年にイリノイ州シカゴにてシドニー・N・シュア氏が創業、1939年に世界初となる単一指向性ダイナミック・マイクのModel 55 Unidyneを開発した。1942年には米軍にもマイクを提供。軍規格の製品作りが現在に至る高品質の礎となる。1965年には現在もダイナミック・マイクの定番モデルとして親しまれているSM57、SM58を発売。同社の革新的な発明と、その陰に潜む膨大な努力を垣間見た。

 次にSHUREのボーカル用ダイナミック・マイク、SM58PGA58Beta 58AKSM8の4機種で、城戸が実際にCICADAの新曲「ふれてほしい」を歌い、比較テストを行った。城戸の所感や、小松氏の解説を下記の比較テストにまとめたので、参考にしてほしい。

 最後に、マイクをより良く使うためのハウ・トゥを小松氏が解説。おろそかになりがちなマイクのメンテナンスについて小松氏は、「清潔に保つためクリーニングをすべき。グリルは使い古した歯ブラシなどで掃除し、ウレタンは取り外して水洗いします」と説明した。また、自分専用のマイクを持つことの重要性について城戸は、「同じマイクでも新品の頃と、ライブを何本もやってからでは違います。自分専用のマイクをずっと使っていた方が、マイクが自分の声に慣れていってくれるんです」と語ると、小松氏も「マイクは歌っている人の癖を覚えてくれるんじゃないかな」と賛同した。

 45分の高密度なイベントはこうして終了。普段なかなか聞くことのできない第一線で活躍するエンジ二アと、SHUREマイクを愛用するボーカリストのリアルな意見に、来場者は大きな拍手を送った。当日はイベントで使用した機種を中心にブースに展示。イベントに参加した観客の多くが、自身の声で試しているのが印象的であった。

 5人組バンドCICADAのボーカル、城戸あき子。イベントでは新EP『ESCAPE』収録の「ふれてほしい」を高らかに歌い上げた

LUNA SEAやBAROQUEなどのPAエンジニアとして活動してきた小松久明氏(写真右)。モンゴルで行ったSM58だけでのコンサートなど、これまでさまざまな現場で培った経験やノウハウを語ってくれた

SHUREボーカル用ダイナミック・マイクを比較テスト

SM58

半世紀以上世界中で使用されるスタンダード・モデル

 定番機種と言えるSM58。半世紀にわたり世界中で使用されているSM58について小松氏は“とにかくベーシックなマイク”と言い、「まずはSM58を試してみて、そこを基準に自分にはどんなマイクが適しているのかを探していくのが良いと思う」とアドバイスをした。また、姉妹機であるSM57との違いを、「中のユニットやダイアフラムは一緒なんです。SM57はギターなどの楽器を録るために作られており、ウィンド・スクリーンが違うことで、特性の違いが生まれています」と小松氏は解説した。

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PGA58

リーズナブルながらもSHUREクオリティ

 SM58よりもリーズナブルなモデルのPGA58。今回初めてPGA58を使用したという城戸は「SM58よりも低価格で買えるということですが、しっかりした音だなという印象」とそのクオリティを評価した。小松氏も「手の届く価格でありながらしっかりとした製品だなという感じです。初めて買うマイクとしていいと思います」と語った。リーズナブルながらもSHURE製品としてのクオリティは確保されているので、自身がボーカリストでなくとも、仮歌をしっかりした音でレコーディングしたいという人にも向いているだろう。

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Beta 58A

パワフルなサウンドの超指向仕様マイク

 SM58よりも4dB出力が大きく、スーパーカーディオイド特性を持つBeta 58A。以前、Beta 58Aを使用していたという城戸は「歌声がクッと持ち上がる印象」と感想を述べた。小松氏は「4dBの差は非常に大きく、同じ声量で歌っていても音量の増加が実感できます。さらに、スーパーカーディオイドなので、目の前の音だけをとらえ、音のカブリを少なくしてくれるんです。同じように歌ってもカブリが少ない分、クリアに聴こえます。城戸さんのボーカルの場合でも、全帯域がクリアに出ていましたね」と印象を語った。

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KSM8

Dualdyneを採用したフラッグシップ機種

 堅牢な炭素鋼をグリルに使用したSHUREダイナミック・マイクのフラッグシップ・モデルであるKSM8。ライブでこのマイクを使用しているという城戸は、「KSM8はステージで動いているときに口から離れてしまってもしっかり音を拾ってくれるなと感じます」と言う。また小松氏は、「KSM8はダイアフラムを2枚搭載したDualdyneによって、近接効果で低域がこもり歌詞が聴き取りにくくなるのを軽減してくれます。さらに疎水性織布ライニングを採用しているので、ポップ・ノイズにも強い上に、水をこぼしても大丈夫」とKSM8の優れた特性について述べた。

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サウンド&レコーディング・マガジン 2019年1月号 発売中!

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製品情報

SHURE / SM58

価格:オープン

【スペック】
●質量:298g ●高さ×幅×奥行き:162×51×51mm ●周波数レスポンス:50Hz-15kHz/テイラード ●感度:-54.50 dBV/Pa – 1.85 mV/Pa ●トランスデューサータイプ:ダイナミック 指向特性パターン:カーディオイド ●コネクター:XLR3ピン
【問い合わせ】
https://www.shure.co.jp/
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SHURE / PGA58

価格:オープン

【スペック】
●質量:294g ●周波数レスポンス:50Hz-16kHz/テイラード ●感度:-55.00 dBV/Pa – 1.79 mV/Pa ●トランスデューサータイプ:ダイナミック 指向特性パターン:カーディオイド ●コネクター:XLR3ピン
【問い合わせ】
https://www.shure.co.jp/
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SHURE / Beta 58A

価格:オープン

【スペック】
●質量:278g ●周波数レスポンス:50Hz-16kHz/テイラード ●感度:-51.50 dBV/Pa – 2.60 mV/Pa ●トランスデューサータイプ:ダイナミック 指向特性パターン:スーパーカーディオイド ●コネクター:XLR3ピン
【問い合わせ】
https://www.shure.co.jp/
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SHURE / KSM8

価格:オープン

【スペック】
●質量:330g ●周波数レスポンス:40Hz-16kHz/テイラード ●感度:-51.50 dBV/Pa – 1.85 mV/Pa ●トランスデューサータイプ:ダイナミック 指向特性パターン:カーディオイド ●コネクター:XLR3ピン
【問い合わせ】
https://www.shure.co.jp/
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プロフィール

城戸あき子
5人組バンドCICADAのボーカルとして活動。ソロ・ワークとしても、冨田ラボやOrlandなどのゲスト・ボーカル参加や、過去にはメインMCとしてラジオ・レギュラーを持つなど多岐にわたっての活動を展開する。11月21日にCICADAの最新EP『ESCAPE』がリリースされた。

小松久明
LUNA SEA、BAROQUE、石野真子、手蔦葵、吉澤嘉代子、 昆夏美など多くのアーティストのライブ・ミキシングやプランニング、サウンド・デザインを手がけるエンジニア。洗足学園音楽大学で後進の指導にもあたる。

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