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  • 【連載】HELIXの達人 〜HELIX Masters 第6回

若井望 〜生粋のHR/HMギタリストが詳らかにするLine 6 Helix Floorの核心

Line 6 / Helix Floor

Line 6 Helixシリーズを愛用するトップ・アーティストたちに、その活用法とインプレッションを披露してもらう本連載。その第6回目は、自身のHR/HMプロジェクトDESTINIAを始めさまざまなサポート、プロデューサー/コンポーザーとしても精力的に活動する若井望に登場いただこう。あらゆる状況/用途において、まさにHelixの核心を突いた活用法を実践する彼に、本機の普遍性とメリットを存分に披露してもらった。

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Helix/HXファミリーのファームウェアが2.80にアップデート!

 Helix/HXファミリーすべてに適用されるファームウェア2.80がリリースされた。当アップデートは、すべてのHelix/HX製品を同一のエコ・システム内に統合するための新しいHelixコア・エンジンを採用した最初のファームウェアとなり、すべてのHelix/HXユーザーが対象となる。その内容でまず注目したいのは、大量に追加された画期的な機能群。例えば、HelixをPCと接続して、DAW/DJソフト/照明ソフト/メディア・プレイヤー/動画ソフト/webブラウザ/画像編集ソフト/ビデオ・ゲーム/エクセル/パワーポイントなどのコントローラーとしても機能させることができる“ホットキー”(※HX Stompは対象外)、VDI経由で接続されたVariaxの個々の弦のレベルをリモートで独立して調整できる“Variax ストリングス・レベル”(※HX StompとHX Effectsは対象外)の追加、さらにHelixおよびHX間でプリセットを共有できるようになるなど、その内容は多岐にわたる。もちろん今回も新たなアンプ・モデルとエフェクト・モデルも追加されているので、ぜひ以下のURLから併せてチェックしてほしい!

■ニュース・ページはこちら
https://line6.jp/news/1168/

■ファームウェアのアップデート方法はこちら
http://yamaha.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/10135/session/L2F2LzEvdGltZS8xNTYzODgzNTI0L3NpZC9WajIyVnNrbw%3D%3D

※2019/7/24追記

若井望 × Line 6 Helix Floor

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about Helix Floor
フロア・タイプの最高位マルチ・プロセッサー

Line 6 / Helix Floor

Line 6 / Helix Floor

 PODとはまた異なる観点からのギター・サウンド・プロセッシングを実現するため、6年にも及ぶ開発期間を経て2015年にリリースされたHelixシリーズ。現在までにフロア・タイプ2種とラック型、プラグインをラインナップしているが、中でも宅録/ライブといったシチュエーションを問わず人気を呼んでいるのが、フロア・タイプのHelix Floorだ。最新のVer2.71では、新開発のHXモデリングによる72タイプのアンプ・モデリングと37タイプのキャビネット、MシリーズやDL4などから移植された77種の“レガシー”エフェクトを含む194種類以上のエフェクトなどを内蔵し、まさにギター・サウンドメイクの中枢システムとして活躍してくれる。

 Helix Floorの豊富な入出力と柔軟なルーティング機能が真価を発揮するのは、やはりライブの場。さまざまな現場を乗り越えてきた若井がまず配慮するのはリスク管理の部分で、外部アンプ接続用と並行してライン出力用プリセットも用意しており、アンプのトラブルが起こった場合はプリセットを切り替えるだけで音の途切れを最小限に抑えて演奏できるようにしている。また、中音と外音を完全に分けて同時出力したい場合も、シグナル・チェーンをスプリットするトゥルー・パラレル設定を選べば、ひとつのプリセット内でアンプ接続用とライン出力用それぞれに合ったアウトプット設定やブロック設定が可能。アンプ接続側はエフェクトのみの使用でアンプやスピーカー、マイク・シミュレートを通さないといった設定も簡単に行なえるわけだ。ちなみに、若井はプリセットのド頭にセンド&リターンを入れ、外部チューナーを接続しているが、演奏中もチューニングを確認したい人には試してもらいたいアイディアだ。また、一般的なアンプに接続できるEXT AMP端子やMIDIを活用すれば、外部アンプのチャンネル切り替え、リバーブのオン/オフなどがHelix Floorでコントロール可能。アンプとエフェクト、切り替えに2アクション必要だった操作が、1アクションで行なえるのはメリットだろう。

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Wakai's View
若井望が語るHelix Floor

Helixは僕のクリエイティブな作業環境の軸になっています

 2016年に浜田麻里さんのツアーに参加した時、直前に機材がトラブってしまったんですが、その時にISAO君からHelix Floorを紹介してもらったのが使い始めたきっかけですね。まず思ったのが、インターフェースのわかりやすさ。なにせツアー直前で時間がなかったわけですけど、いざ試してみたら一瞬で出したい音に近づけたんです。これまでだったらラックを組んで、あれこれテストをしなければいけなかったものが、一瞬でシステムを組んで音作りができた。この使い勝手の良さが一番ですね。

 現在は、例えばライブだとHelix Floorからラインで出力していますが、IRデータも自由に使えるので、良い音をステージ上の音の被りなしに出すことができるわけです。これは外音をクリアに出すという点だけでなく、ステージ上のモニター的にも、セッティングの早さ的にもメリットになりますね。それと、MIDIコントローラーとしても秀逸なので、Helix Floorで外部のアンプのチャンネル切り替えなどもコントロールしています。その際、ライン出力用のプリセットもバックアップ的に用意しておいて、アンプなどがトラブった時にプリセットを切り替えるだけで対処できるようにしていますね。これまでだったら、アンプを積み替えたりと大変な作業だったバックアップも、これ1台で済むというのは大きいです。もうひとつ、Helix Floorをオーディオ・インターフェースとして使い、ツアー先のホテルとかでもレコーディング作業をすることもあります。HelixシリーズはプラグインのNativeも使っているんですが、そこで作った音をHelix FloorやHX Stompにフィードバックしてライブで使うこともできます。最初はライブ用の機材として導入したHelixシリーズですが、今は僕のクリエイティブな作業環境の軸になっていますね。

 今回のデモ動画では、バッキングは【ANGL Meteor】を【4×12 1960 T75】というスピーカーで鳴らし、自分が好きなIRのマイク・データで録っています。リードはアンプのゲインを少し落とし、【Compulsive Drive】と長めのディレイを入れました。あとはイントロで【Dynamix Flanger】を、Bメロでコーラスの【Dimension】を使っています。音色の切り替えは、やっぱりスナップショットが圧倒的に便利で、音切れもなく劇的にキャラクターを変えることもできてしまいます。そのぶん、各スナップショットごとの設定はかなり細かく行なっていますね。

 Helixを使い始めたことで、これまで感じていたさまざまなストレスがなくなりました。セッティングの速度、出したい音とモニター音の違い、作った音をプラグインに置き換えた時の違い、出先でもレコーディングしたい時に必要な機材、そういう問題を大幅に解消してくれて、クリエイティブな作業により時間を割けるようになりましたね。

達人の格言

若井望「DTM,REC,LIVE,TOUR──すべてのアーティストDNAを繋ぐ螺旋システム、それが"Helix"だ」

Line 6 モニター・プレゼント・キャンペーン実施中!

line6_monitor_1903.png※応募の受け付けは終了しました

 現在Line 6では、「HX Stomp」「Relay G10S」「Spider V 20」のモニター・キャンペーンを行なっている。上記3モデルをモニターとして一定期間試し、ブログであれば1回以上、FacebookかTwitterであれば指定のハッシュタグを付けて5回以上情報発信するなど所定の条件を満たすと、なんとモニター品をそのままプレゼント! 注目の製品を試せる&入手できる魅力的なキャンペーンなので、以下要項にてどしどしご応募ください!

■応募期間:2019年3月14日(木)9:00 ~ 2019年3月31日(日)23:59
■募集人数:計3名
・Line 6 / HX Stomp:1名
・Line 6 / Relay G10S:1名
・Line 6 / Spider V 20:1名
■モニター期間:モニター品納品(2019年4月中旬頃を予定)から3ヶ月間
☆応募・詳細はコチラから → https://member1.jp.yamaha.com/campaign/detail/id=25949?utm_source=line6TW_ad&utm_medium=social&utm_campaign=allyear

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特集:日向秀和(ひなっち) meets Line 6 Helix LT

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製品レビュー:Line 6 / Helix LT

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製品情報

Line 6 / Helix Floor

価格:オープン

【スペック】
●プリセット・ロケーション:1024 ●エフェクト数:194 ●アンプ数:72 ●キャビネット数:37 ●マイク数:16(※以上ファームウェア・バージョン:v2.71の場合)●液晶:6.2インチ ●コントロール:プリセット、セーブ、メニュー、ホーム、アンプ、ジョイ・スティック、バイパス、アクション、ページ、ノブ×6、ボリューム、ヘッドフォン・ボリューム、フット・スイッチ×12、エクスプレッション・ペダル、パワー・スイッチ、グランド/リフト・スイッチ ●入出力端子:EXP2、同3、EXTアンプ、CV/エクスプレッション・アウト、ギター・イン、AUXイン、MICイン、センド/リターン×4、XLRアウト×2、1/4インチ・アウト×2、ヘッドフォン・アウト、VARIAXインプット、MIDIイン、MIDIアウト/スルー、S/PDIFイン/アウト、AES/EBU-L6 LINKアウト、USB、ACイン ●電源:電源ユニット内蔵 ●外形寸法:560(W)×301(D)×92(H)mm ●重量:6.6kg
【問い合わせ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン Line 6インフォメーションセンター TEL:0570-062-808
Helix製品ホームページ Line 6 Helix Japan User Group(Facebook)
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プロフィール

若井望
わかいのぞむ●高校在学時にヘヴィメタル/ハードロックを聴き、音楽を始める。洗足学園大学・音楽家JAZZコースへ進学。10代からプロ活動を始め、いくつかのバンドでCDをリリースする。2014年より“Nozomu Wakai's DESTINIA”を始動させ、ロブ・ロック(インペリテリ、ドライヴァー)らを迎えて1stアルバム『Requiem for a Scream』、ミニ・アルバム『Anecdote of the Queens』などを発売する。2016年には、浜田麻里のサウンド・ディレクター/ギタリストとして、またルーク篁のソロ・ツアーにサポート・ギタリストとして参加。2017年に、ロニー・ロメロ(レインボー、ローズ・オブ・ブラック)を迎えて『METAL SOULS』をリリースし、2019年にも新たなアルバムを発表する予定だ。

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