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Vivie Rhinotes & FenneComp × IKUO

Vivie / Rhinotes、FenneComp

  • 制作:デジマート・マガジン 動画撮影・編集・録音:川村健司 写真撮影:八島崇(人物)、菊地英二(製品)

個性的で鮮やかなデザインと高品質なサウンドで高評価を受けている国産エフェクター・ブランドのVivie。今回は、同社が久しぶりにリリースしたベース用製品であるRhinotesとFenneCompを取り上げる。試奏してくれたのは、すでに自身でもRhinotesを導入しているというIKUOだ。

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Vivie Rhinotes & FenneComp × IKUO

Rhinotes
原音と歪み音が
自然に融合するオーバードライブ

Vivie / Rhinotes

 Vivieのベース用製品第二弾として今年2月にリリースされたRhinotes(ライノーツ)は、原音とエフェクト音がブレンドできる3バンドEQ付きのオーバードライブだ。歪みのサウンドの質感は、近年流行しているキメの細かいタイプで、原音と歪み音との馴染み方が非常にナチュラルという印象。弱く歪ませた際に高域だけが妙にチリチリと分離して聴こえるわけでもなく、また、過激な歪み成分が低音域で濁るということもない、質の高い幅広い歪みサウンドをクリエイトすることができる。

ミドルの周波数帯はミニ・スイッチによって400Hzと800Hzを切り替え可能

ブライト・スイッチをオンにすることで、2kHzを約5dBブーストすることができる

 イコライザーはトレブル、ミドル、ベースの3バンドのツマミを備えているほか、ミドルの周波数帯はミニ・スイッチによって400Hzと800Hzを切り替え可能。ベース・サウンドの質感や音抜けに関わる帯域を積極的に調整することができる。また、2kHzを約5dBブーストするブライト・スイッチを搭載し、ロー・エンドを損なわずにギラつきのあるサウンドを得ることもできる。

 ベース・ソロなどの“ここぞ”といった激歪みサウンドから、1曲を通してかけっぱなしにしたプリアンプ的な使用法まで、さまざまなシチュエーションで活躍できるポテンシャルを秘めたペダルだ。

IKUO's Setting

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FenneComp
絞り込まれたツマミとこだわりのスイッチで
初心者でも扱いやすいコンプレッサー

Vivie / FenneComp

 Vivieのベース用製品の最新版は、同社としても初のコンプレッサー・ペダルとなるFenneComp(フェネコンプ)だ。コンプレッサーの回路には、フォト・カプラ素子を用いたオプト(OPT、オプティカル、光学)タイプを採用し、音楽的でナチュラルな効果から、エフェクティブに効くコンプ・サウンドまでを実現する。

アタック・スイッチによって、2種類のコンプレッサー・キャラクターを選択できる

ゲイン・リダクションLEDインジケーターでエフェクトのかかりを視認することが可能だ

 ツマミは、音量を調整するレベル、コンプレッサーの圧縮具合(0dB〜-40dBでスレッショルドを、1:1〜8:1でレシオを同時に可変していく)を決めるコンプ、高音域をブースト/カットするトーンという3つと絞り込まれており、初心者でも扱いやすいだろう。さらに、アタック・タイム(3ms/18ms)とリリース・タイム(180ms/240ms)を同時に切り替えて、コンプのキャラクターを変えるアタック・スイッチを搭載しているのもアクセントになっている。アタックを残したければ“スロウ”側に、音の粒立ちを揃えたければ“ファスト”側にと、好みに応じて切り替えよう。

 なお、コンプ・ツマミの右下にあるゲイン・リダクションLEDインジケーターでコンプのかかり具合を目で確認することも可能だ。

IKUO's Setting

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IKUO'S Impression

 多彩なコントロールで音色を作り込めるRhinotes、シンプルなコントロールのFenneComp。 それぞれのモデルは、IKUOにどう映ったのだろうか。

Rhinotes
音ヤセしない多様性のあるオーバードライブ。

 RhinotesはSNSで話題になっていたので、実は僕も購入して使っています。歪んでいてもスラップの音が抜けてくるというのがすごく気に入っていて、速いパッセージを弾いても音が歪んでいるのに追いついてきますね。

 チューブ・アンプっぽい雰囲気のあるオーバードライブから過激な歪みまでが作れますが、ドライブを上げていってもローがヤセていかないのがいいですね。歪みサウンドを作るときのキモはやはりミックスのツマミ。ミックスをエフェクト音のほうに振り切ってドライ音がない場合には音ヤセしてしまう機種もあるんですが、これはミックスをフルにしても音ヤセがない。そういう意味で、ミックスをわりと上げめにしてRhinotesの音をちゃんと生かしてあげたほうがいい感じになるのではないかと思います。ミックスを上げめに設定しておくと、ゲインをそこまで上げなくてもかなり歪んだ雰囲気が出せます。

 3バンドのイコライザーは、けっこう効きがいいですね。ローはかなり出ますが、もともとそんなに音ヤセしないので、そんなに上げなくても使っていけると思います。トレブルはかなり攻撃的なところが上がるので、プリアンプとして使う際に、例えばスラップのときにオンにするとしてトレブルを強調する使い方もアリかもしれません。もしくは、歪みをかけたときに耳に痛い部分をカットして耳馴染みを良くしたり、3フィンガーの速弾きのときなどはカットしたほうがキレイに聴こえるというのもありますね。ミドルはフリケンシーがついていて400Hzと800Hzを選べます。ロー・ミッドとハイ・ミッドという感じですね。400Hzをカットするとドンシャリに近い音が作れますが、個人的にはブーストして使うほうがサウンドの輪郭が出て好きですね。800Hzはブーストするとベースの歪みがよく聴こえてくる周波数帯。逆にカットするといわゆるスラップ向きのドンシャリ・サウンドが簡単に作れます。あとブライト・スイッチがついていますが、プレゼンスとトレブルの間くらいが上がる感じで、同時に音圧も増すイメージですね。輪郭がよりハッキリします。

 僕の場合は歪んだスラップ用として使っていますが、先日やったJポップのカバー曲のライブで、あまり歪ませずにチューブっぽいドライブ・サウンドで使ってもすごく評判が良くて。飛び道具として歪ませるだけではなくて、歌もののバンドで常にかけっぱなしでプリアンプとしても使えると思います。指弾きもスラップも1音色でいけるっていうところがすごく魅力的だし、歌ものにも激しいロックにも使えるような多様性のあるオーバードライブだと思います。

FenneComp
コンプ初心者でもわかりやすい。

 ツマミの数が少ないので操作がわかりやすく、音も効きもわかりやすいのが特徴ですね。

 コンプのかかり具合を決めるのはコンプ・ツマミだけで、オプティカル・コンプだからか、ハイが落ちる感じもあまりなくて、原音に忠実なままコンプレッションされていくイメージ。コンプ・ツマミを上げていくと、けっこうエフェクティブにエグいところまで圧縮感が出てきますね。コンプをかけると圧縮されて音量が下がるので、その補正としてレベル・ツマミで音量を上げていくんですが、ブースターとしても使えるくらい余裕があります。あと、レベルを上げるとノイジーになってしまう機種もあるんですが、これはかなりノイズが少ないのもポイントです。アタック・スイッチは、用途によって使い分ければいいと思いますが、ファストにするかスロウにするかでけっこう印象が変わりますね。

 トーン・ツマミはトレブルをブースト/カットできますが、ブースト方向はかなり強調されます。コンプは圧縮することでハイが落ちやすいですが、このツマミでバキバキなサウンドも作れますよ。

 コンプって、オーバードライブなどと違って音が極端に変わるものではないから、ツマミが多いと細かく調整ができる反面、逆に設定が難しいということもありますよね。そういう意味で、FenneCompはツマミが少ないんですけど、アタック・スイッチでもう少しだけ細かく設定できるし、コンプ初心者の人が最初に使う機種としてもいいと思います。

From スタッフA氏
“いい音”や“使いやすい”は大前提で、
“プラスアルファ”についてはかなり意識をしています。

 最後に、VivieのビルダーでもあるスタッフA氏に、今回の新製品ついて聞いた。

スタッフA氏

──Rhinotesのコンセプトは?
 ベースにとって一番いい歪みを作りたいと考えたときに、今、市場で最も売れている製品は意識しました。ただ、パッと聴いたときにカッコいい音であっても、アンサンブルに入るとちょっと派手すぎたりベースが前に出すぎたりするようなものではなく、かけっぱなしでもいい音の製品が作れないかというところはポイントでしたね。

──ミッドの周波数帯が切り替えられたり、ブライト・スイッチを搭載していることもポイントですね。
 ギターもベースも、ミドルはその楽器自体が魅力的に聴こえる帯域ですし、意識して音作りしている人が多いと思います。フリケンシーをつけることによって、さらに深めた音作りができると思いますし、具体的に周波数のポイントをどこにするかは、かなり試行錯誤しました。また、ブライト・スイッチについては、当初付けなくてもいいんじゃないかという意見もあったんです。しかし、現在の音楽シーンでは、ベースがリズム楽器としてアンサンブルを支える以外に、一歩前に出てスポットライトを浴びてステージに立つことも増えてきたということもあり、輪郭を強調することでベースを一歩前に出すことができるような機能があるといいんじゃないかということで搭載することにしました。

──開発で最も時間をかけた部分は?
 ハイ・ゲインにしたときにカッコいい音っていうのは、わりと早い段階で作ることができたんです。ただ、今回目指していたのは、かけっぱなしにしたときにも成立するようなものでしたし、かけっぱなしでもカッコよくて、邪魔にならず、でも存在感はあるというロー・ゲインのサウンドを詰めていくところは、かなり時間をかけました。実は、その調整に時間がかかったことで、もともと予定していた発売時期を延期したんです。

──Vivieとして初のコンプレッサー製品となるFenneCompについてはいかがですか?
 開発にあたっては、多機能なものにするのか、わかりやすいシンプルなものにするのかで迷ったんですが、コンプはギター製品も含めて初めて出す製品でしたので、ビギナーから玄人まで、多くの方が手に取りやすい仕様のものがいいんじゃないかということでシンプルなもの、わかりやすいものを目指しました。回路設計をするときには、ナチュラルさと効いている感じの同居が難しくて。当然のことなんですが、ナチュラルにすればするほど、“かかっている感じ”がわからないんですよね。そのバランスを取りつつ回路を設計していきました。

──シンプルなコントロールながら、アタック・スイッチの搭載にこだわりを感じます。
 Vivieではエフェクターの設計をゼロからきちんとできるので、コントロールは無限に“ツマミ化”することができるんですね。そのなかで、どのパラメーターまでをツマミとして調整できるように絞っていくのかを考えるのが、エフェクター・ビルダーの仕事だと思っているんです。ツマミを減らしてシンプルにすればビギナーは使いやすくなりますが、音作りに一家言ある方にとっては少しかゆいところに手が届かない。そこを補う意味で、コンプのキャラクターを切り替えられるアタックのスイッチを搭載しました。

──エフェクターの開発にあたり、“ベース用”というところでの難しさはありますか?
 特にコンプに顕著ですが、アクティブ・ベースとパッシブ・ベースでの出力の差という部分ですね。アクティブのベースにスポットを当てて設計すると、パッシブのベースで試したときにあまりいい音にならなかったりするんですよ。ギタリストに比べてもベーシストは人によって使っているタイプのベースがさまざまですから、どこにどれだけ寄せるのかがポイントになってきます。どちらのタイプで使っても満足していただけるポイントを探すというのが、難しいところですね。

──ベースは多弦という問題もありますよね?
 そうですね。多弦ベースに関しても年々使用者が増えていると考えていますので、より低いところの低音がキレイに鳴るのかどうかは意識しています。ただ、スポットを多弦に合わせて調整するということではなくて、4弦ベースでもしっかりといい音で、多弦でもいい音でというバランスを取っていく作業が難しいし、時間のかかるところですね。

──さて、Vivieとしてのトータル・コンセプトというのはありますか?
 Vivieのエフェクターは“音がいい”というのは大前提ですね。最近のエフェクターって音が悪いものってないと思うんです。すごく優れているものはあっても、音が良くないものってあまりない。10数年前にはエフェクターが黎明期で、音が良くないものも正直あったと思うんですけど、今は淘汰されているので、“いい音”や“使いやすいもの”というのは前提ですね。そのうえで、音、機能、デザインも含めて、新しいもの、今までの市場にないもの、プラスアルファっていうところについてはかなり意識をしています。

──ところで、Vivieのエフェクターはネーミングが動物モチーフになっていますが、こだわりがあるのですか?
 これについては、Vivieを立ち上げたときに、わかりやすいデザインがいいんじゃないかということで、ギターの歪み製品を3機種リリースしたんですけど、その頃から応援してくださる方に“動物がかわいい”と言っていただいていて、正直、引くに引けなくなっている部分はあります(笑)。今後は、動物じゃないものが出てくる可能性もありますが、もし何かいいアイディアがあれば、ぜひVivieのTwitterなどにメッセージをいただきたいですね(笑)。

──今後の展望は?
 今、音楽的ななかで最もワイドレンジで扱いやすいものをコンセプトに、シールドを開発中です。エフェクターは、揺れものもやりたいですし、今後もバリエーションを増やしていって、少しでもお客様のニーズに合ったものを提供していけたらと考えています。

ベース・マガジン 2019年8月号 発売中!

190719_BM_2019_08.jpg 本記事はリットーミュージック刊『ベース・マガジン 2019年8月号』の特集記事を転載したものです。今月号の表紙は、結成15周年を迎えたUNISON SQUARE GARDENの田淵智也。ほかにも、草刈愛美(サカナクション)や、今回RhinotesとFenneCompを試奏してくれたIKUOのインタビューなどなど盛りだくさんの内容ですので、ぜひチェックしてみてください!

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製品情報

Vivie / Rhinotes

価格:¥29,800 (税別)

【スペック】
●コントロール:レベル、ミックス、ゲイン、トレブル、ミッド、ベース、ミッド・フリケンシー・スイッチ、ブライト・スイッチ、オン/オフ・フットスイッチ ●入力端子:インプット、アウトプット ●電源:9V乾電池、9Vアダプター ●外形寸法:98(W)×128(D)×50(H)mm
【問い合わせ】
CygnusEntertainment TEL:048-499-2005 https://vivie-effect.com/
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Vivie / FenneComp

価格:¥19,800 (税別)

【スペック】
●コントロール:レベル、トーン、コンプ、アタック・スイッチ、オン/オフ・フットスイッチ ●入力端子:インプット、アウトプット ●電源:9Vアダプター、9V電池 ●外形寸法:75(W)×115(D)×48(H)mm
【問い合わせ】
CygnusEntertainment TEL:048-499-2005 https://vivie-effect.com/
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プロフィール

IKUO
いくお●1996年からEx-iT、Lapis Lazuli、CUBE-RAYといったバンドで活動し、2004年からはT.M.Revolutionなどのサポートでも活躍する。現在、自身のバンドとしてはBULL ZEICHEN 88、Rayflower、The Choppers Revolutionに所属。今年7月24日には2ndソロ・アルバム『Easy come,easy core!!』をリリースする。

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