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  • "夢の空間"を実現した自宅スタジオに大接近!

アコースティックエンジニアリングが手がけた"ドラムが叩ける"プライベート・スタジオ Vol.01

アコースティックエンジニアリング

“自宅で思いきり音を出したい!”、“いつでも楽器を鳴らせる環境を手に入れたい!”……自分のスタジオを持ちたい願望は、楽器を演奏する人ならば誰もが思うこと。そんな“マイ・スタジオ”の夢を実現してくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスの防音/音響工事も行う、アコースティックエンジニアリングだ。ここでは同社が手がけた”ドラムが叩ける”プライベート・スタジオにフォーカス! 今回は福岡県でその夢を叶えたプロ・ドラマー、伊藤公了さんのスタジオを紹介していこう。

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CASE:1 福岡県 伊藤公了さん宅スタジオ

"ドラムが叩ける"夢のプライベート・スタジオを実現した伊藤さん。ドラマーとして数々のライブ、レコーディングに参加し、九州を拠点に置きながら全国で活動を展開している。プロフィールはページ下を参照

24時間思い立ったらすぐ叩けるスタジオが欲しい

 私は仕事柄、レッスンやレコーデイングを常日頃するんですけど、外のスタジオを借りるとよく、“自分は空いているけどスタジオは空いていない”とかあったりするんです。だから、“自分の身体さえ空いていればいつでも録音やレッスンができる……24時間思い立ったらすぐできるスタジオが自宅に欲しいな”とずっと思っていて。それで、当時ちょうど自分の住む家を探していたので、“この際だからスタジオを作ってしまえ”ということにしたんです。そうしたら、広いリビングのある家が見つかって。スタジオを作ってくれるメーカーさんはインターネットで探していたんですけど、“ドラムが叩けるスタジオを作りたい“と資料請求をしたときに、アコースティックエンジニアリング(以下AE)さんだけは、“どういう感じに作りたいのですか”と対応してくれたんです。資料を送るだけでなく、親身になって応対していただいたのはすごく大きかったですね。すぐにAEさんに決めました。しかも話の中で“家の図面を送りましょうか”と言ったら“直接うかがいます“ということで、わざわざ福岡まで来られて、部屋のサイズを隅々まで測っていただいたんです。"これからちゃんとスタジオを作ってくれる"という信頼感が持てましたね。

ドラム・セット3台、大型のモニター、レコーディング機器、アンプ&スピーカー類、ギター、さらにボンゴやベース、キーボードなどがズラリと並ぶ伊藤さんの自宅スタジオ。その面積は施工後約11畳

PCの画面とスタジオ内にセットされたカメラの映像を観ることができるモニターも設置。非常に高い遮音性能が得られており、朝方から夜中まで、時間をまったく気にせず使うことができるそうだ

“ミュージシャンの演奏しやすい環境”を作ってくれる

 スタジオが完成したのは昨年の1月ですが、もともとあったリビングを取り壊すところから見ていて、少しずつ生まれ変わってスタジオになっていくのが楽しかったですね。それから、施工中にも関わらず、データ通信LANと電話線を引いてほしいということと、インターフォンを音の鳴らないフラッシュ・タイプにしてほしいという要望に非常に早く対応してもらいました。あと、部屋の遮音性能を向上させるために床も防振床(浮き床)に造り替えたのですが、AEの担当の方から、遮音床の仕様の中でもカチッとタイトな低音の響きが得られるコンクリート浮き床仕様を薦めてくれたので、それを採用しました。これがすごく良くて。芯のあるバス・ドラムの音が出ますし、一番気に入っているところでもありますね。ただ遮音するだけではなくて、AEさんは“ミュージシャンの演奏しやすい環境”を作ってくれるんです。おかげさまで、このスタジオを使うミュージシャンには、“もう外のスタジオではできない”と気に入ってもらっています(笑)。デッド過ぎず、ライブ過ぎずの絶妙な響きで、生徒さんからも“ここに置いてあるドラム・セットが欲しい”と言われるんです。そのくらい良い音で聴こえるんでしょうね。このスタジオで自分の練習はもちろん、良い音楽を作って1人でも多くの方に聴いてほしいです。

“なるべく明るいスタジオにしたかったんです”という伊藤さんのリクエストで、スタジオ内に窓は4ヵ所設置されている。日中はかなり明るい

空港から非常に近い伊藤さんのお宅。外壁は遮音のため、リフォーム時に厚くされており、スタジオ内では、大音量の飛行機の音さえもまったく聴こえないという

天井は、音の響き、そしてなるべく高さを確保するために、2.8mから3.1mにまでアップ。“広さもそうですけど、天井を高くしたかったんです”と伊藤さん

※本記事はリズム&ドラム・マガジン2012年6月号の記事を転載したものです。

Q&A〜ドラム・スタジオにおける設計作法の要点とは……?

 スタジオは地下室に造れば万全……とはよく言われることですが、高コスト障壁が立ちはだかります。この連載コラムで再三述べて来たように、地下室でなくてもコンクリート造住宅でなくとも、きちんとした設計作法を踏むのであれば、十分実用になるスタジオは可能です。しからばドラム・スタジオの設計作法の要点とは……?

①音を伝えなくない場所から遠ざけてスタジオを配置する……ここまでは常識の範囲。②内装下地構造を防振(浮き)二重構造にする……さて、このあたりから早くも通常の建築設計から少し作法が変わってくることになります。遮音構造の基本は、隙間のないこと、遮音する面材が重いことが基本ですが、実用レベルのドラム・スタジオの遮音性能を得るには、躯体構造とは振動的につながってない防振二重構造が必要です。これによって飛躍的に性能が向上し、躯体構造に遮音材料を張り増しするといった手法の失敗事例はほとんどが防振二重構造になっていません(回答:鈴木泰之/設計担当)。

アコースティックエンジニアリングとは?

 株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。

株式会社アコースティックエンジニアリング

【問い合わせ】
TEL:03-3239-1871
Mail:info@acoustic-eng.co.jp
住所:東京都千代田区九段北2-3-6九段北二丁目ビル

HP:http://www.acoustic-eng.co.jp

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プロフィール

伊藤公了
いとうまさのり●福岡県出身。1992年アメリカ・ロサンゼルスにある音楽専門学校に留学。現地でのミュージシャンとのセッションを通してさまざまな音楽スタイルを学び 帰国後は関西を中心に音楽活動を展開。1996年に活動の拠点を福岡へ移し、さまざまなアーティストのライブ・サポート、レコーディング、ツアー・サポートなど、九州のみならず全国で活動を展開中。ドラム・メーカー“CANOPUS”のエンドーサーとしても活動。最近はカホン、ジャンベ、コンガなどパーカッショニストとしても活動している。

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