Famousからはじめよう! 実力がわかる5つのポイント
- 2024/03/11
JHS Pedals / BENDER
アメリカのハンドメイド・エフェクター・ブランド “JHS Pedals” より、伝説的なファズを再現した新たな4機種がリリースされた。想定売価は4機種とも24,000円(税別)。
ブランド創設者“ジョシュ・スコット”のコレクションの中から、もっとも貴重なシルバーとオレンジのデザインによる1973年製の「MK3(トーンベンダー)」、いわゆる “オノマトピア” バージョンを復刻したもの。このバージョンは、非常に特殊な3つのゲルマニウム・トランジスターを搭載しており、いまだに多くのファンを持つが、動作が不安定という難点もある。
本機は、精度と一貫性をあわせ持つ現代のシリコン・トランジスターを採用することで、ビンテージ・ゲルマニウム・ファズの感触とレスポンスを獲得。コントロールはボリューム/トーン/アタックを装備し、さまざまアンプやギターで真価を発揮する。アタックは歪みの量をコントロールするノブで、時計回りでよりファジーなサウンドを作り出す。さらに、シャーシ側面のモード・ボタンを押すことでゲインが増加し、中域がブーストされる。このモードでアタックを高く設定すると、ピッキングの強弱に応じてファズにわずかにゲート感が生まれる。
「BRENDER」はクランチとディストーションの中間のようなファズ、あるいは非常にアグレッシブなファズを求めるギタリストに最適なモデルと言えるだろう。
1969年、エレクトロ・ハーモニックス社は伝説的なディストーション・ファズ「ビッグ・マフ」の初代バージョンとなる “トライアングル” を発売した。1973年にはバージョン2 “ラムズ・ヘッド”、1977年にはバージョン3 “Pi”、1978年にはバージョン4 “オペアンプ” など、さまざまなニュー・モデルが発売されたが、そのすべてが1984年に生産停止に。同社の2度目の倒産によりビッグ・マフは約10年間、姿を消すこととなった。
1991年、エレクトロ・ハーモニックス社の創業者マイク・マシューズは、サンクトペテルブルクにある旧ソビエト連邦の製造会社ソブテックと契約し、ビッグ・マフを復活させる。技術的側面ではバージョン7と呼ばれているが、マイクはすでに以前の商標を所有していなかったため、「マイク・マシューズ・レッド・アーミー・オーバードライブ」と名づけられた。このバージョンは最初期のロシア製ビッグ・マフで、おそらく全バージョンの中でもっとも希少なモデル。1991~92年に生産された数量はごくわずかで、現存する個体もほとんどなく、入手するのはほぼ不可能。有名なソブテックの “シビル・ウォー” バージョン(1992年後半)と特徴は共有しているが、別物として捉えられている。のちに続く、どのソブテック製ビッグ・マフよりもウォームでクリアな音色を持つ “レッド・アーミー” は、独特なフレーバーを提供する。
「CRIMSON」は、ジョシュ・スコットが所有する “レッド・アーミー” の正真正銘のレプリカ。ファズの歴史に刻まれた、貴重かつ独特なサウンドが味わえるはずだ。
1966年、盛り上がりを見せるブリティッシュ・ロック・シーンでファズ・エフェクトが求められていることを知ったアイバー・アービターは、自身の会社であるアービター・エレクトロニクスから、この流行のサウンドに対する彼自身の解答を提示したいと考えた。そして、マイク・スタンドの円形の土台を見て、同様の丸い筐体にエフェクトを収めて顔のように見せる(2つのノブが目、フットスイッチが鼻、ブランド・ラベルが口)というアイディアを思い付く。こうして誕生したのが「ファズ・フェイス」だ。
同年、ジミ・ヘンドリックスがロンドンを訪れ、アイバーがデザインしたファズ・フェイスは彼の愛機となった。ファス・フェイスは、最初期の数年はゲルマニウム・トランジスターを使用していたが、1969年にはゲルマニウムから完全にシリコンの時代となり、アービターもシリコン・トランジスターを使用するように。ジミは、そのサウンドや攻撃的なバイト感に加え、使用環境によって動作が安定しないゲルマニウムよりも、シリコン・バージョンを好んで使用していた。
「SMILEY」は、初期のシリコン・ファズ・フェイスの素晴らしいサウンドを忠実に再現したもの。ジョシュ・スコットのコレクションの中から、いくつかのビンテージ・ユニットを選び抜いて解析し、この時代のマジックを完璧にキャプチャーすることに成功した。明瞭なサウンドが持ち味で、ディストーション・ペダルと焼け付くようなサステインの境界線を越え、ビンテージのアービターに求められる強烈なサステイン、伸びやかな低音域と中音域のバイト感を備えている。良好なファズ・フェイスのもっとも崇拝されている特徴の一つとして、ギター本体のボリュームを下げることでクリーン・サウンドを出力できる能力が挙げられるが、もちろん本機もこの特徴を再現している。
1960年代後半、日本の革新的なペダル・メーカーが生み出し、入手困難になるほど高い人気を誇ったエフェクトの一つが、ユニボックスの「スーパーファズ」。単音やコードを分厚く焼けつくような質感に変貌させるオクターブ・ファズで、歪んだ音で演奏したときの高いオクターブ・アップ・サウンドは注目を集めた。最初は1967年に別ブランドのハニーより「サイケデリック・マシン」というアンプ・ヘッド・サイズのマルチ・エフェクト・ユニットに内蔵されてリリースされたが、その数か月後にハニー「ベイビー・クライング・エフェクト」という独立したペダルとして再リリース。ハニーの解散後はシンエイ(新映電気)に引き継がれ、自社のエフェクターを生産しつつシャフツベリー、ケント、クラウン、ジャックス、ユニボックスなど多くのブランドで同じ回路による製品をOEM生産。
こうして、この回路は世界中のブランドの製品ラインナップに浸透していった。ユニボックスの「ユニコード・スーパーファズ」バージョンは、ザ・フーのピート・タウンゼントの使用により、ほかのバージョンよりもよく知られている。最初期(1968年)は、シンプルで控えめなグレーの金属製筐体だったが、1970年にはトップ面に “SUPER-FUZZ” と表記した大きな長方形のフット・パッドを採用し、より目を引く外観へとモデル・チェンジ。レッド/ブルー、ブラック/グレー、ホワイト/ブラックといったカラーの組み合わせを選ぶこともできた。
「SUPREME」は、ジョシュ・スコットのコレクションから非常にレアな「スーパーファズ」ホワイト/ブラック・モデルを再現したもの。「スーパーファズ」の初期バージョンは、どれも驚くほど酷似しているが、この1972年製のユニットには、ほかのペダルよりも際立った特別なマジックがある。ラウドで叫ぶような、強烈なパワーのあるオクターブ・ファズ。そのサウンドをぜひ体感してほしい。
価格:オープン
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