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VOX VALVENERGYシリーズを和嶋慎治(人間椅子)が徹底試奏!

VOX / Silk Drive

  • 制作:デジマート・マガジン 試奏:和嶋慎治(人間椅子) 動画撮影・編集・録音:yucca inc. 取材・文:井戸沼尚也 スチール撮影:星野俊(製品画像を除く)

伝統あるアンプメーカーのVOXから、Nutube(コルグとノリタケ伊勢電子が共同開発した小型の新しい真空管)を搭載した歪みエフェクター「VALVENERGY」シリーズが発売され、注目の的となっている。チューブの歪みを知り尽くしたVOXが満を持して発表したペダルのサウンドとは、どのようなものなのか? 人間椅子の和嶋慎治が全4モデルを試奏し、そのサウンドの秘密に迫る!

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VOX VALVENERGYシリーズを
和嶋慎治(人間椅子)が徹底試奏!

Silk Drive

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 ブティック系アンプの音を再現したモデル。ブティック系と言われてもイメージが難しいという方は、レスポンスが速く、レンジが広く、ピッキングのニュアンスを余すところなく表現できる音を想像してみてほしい。このSilk Driveは、上記の特徴と、その名の通りシルクのように滑らかで上品な歪みを持ち合わせたモデルだ。特にゲインの設定が14時方向までの設定では、クリーンに太さと美しい倍音を加えただけのような、ごく軽いクランチ・サウンドとなる。この音が、絶品! まるで使っているアンプの質が1ランク上がったかのようなサウンドになり、一度踏むとオフにできなくなること間違いなしだ。本機の持ち味はロー・ゲイン・サウンドだが、ゲイン・コントロールの設定を15時方向以上に回すと、実は結構歪む。その時の歪みはややザラッとしていて質感も変わるので、ぜひ試してみてほしい。歪みを視覚的に確認できるOLEDディスプレイ(全機種搭載)も要注目だ。

[Specifications]●接続端子:INPUT端子、OUTPUT端子、DC9V端子、LINK端子●コントロール: GAINノブ、VOLUMEノブ、TREBLEノブ、MIDDLEノブ、BASSノブ、BRIGHTスイッチ、MODEスイッチ●電源:9Vアルカリ乾電池(6F22/6LR61) x 1またはACアダプター●電池寿命:約2時間以上(アルカリ乾電池使用時。使用状況により変化します)●外形寸法(W x D x H):72 mm x 120 mm x 55 mm(突起物を含む)●質量:350 g(電池含む)●付属品:動作確認用乾電池●アクセサリー(別売り):ACアダプターKA181(9V)

Mystic Edge

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 VOXの名アンプ、AC30の音を再現したモデル。ガラスのように美しい高域、豊かな中域、そして歪み量を増やすと倍音がたっぷりと乗ってくるあのニュアンスまで、まさにレジェンダリーなAC30そのものだ。コンボ・アンプらしいキャビネットの鳴りも再現されており(なんと、スタック・アンプで弾いてもコンボの鳴りがする!)、その完成度の高さには驚かされるはず。実機でもおなじみの“トーン・カット”コントロールを搭載し、十分にハイが出ていながら耳に痛くないあの音が簡単に作り出せる。全モデルに共通して搭載されている新真空管Nutubeの効果は本モデルにおいても十分に発揮されており、自然なコンプレッション、倍音の乗りや音圧感は格別だ。ロックの歴史を作ってきた実機のあの音は、ある程度音量を上げないと出せないが、これなら音量を自宅での使用に適したレベルまで下げられるのも嬉しいポイント。

[Specifications]●接続端子:INPUT端子、OUTPUT端子、DC9V端子、LINK端子 ●コントロール: GAINノブ、VOLUMEノブ、TONE CUTノブ、TREBLEノブ、BASSノブ、BRIGHTスイッチ、MODEスイッチ ●電源:9Vアルカリ乾電池(6F22/6LR61) x 1またはACアダプター●電池寿命:約2時間以上(アルカリ乾電池使用時。使用状況により変化します)●外形寸法(W x D x H):72 mm x 120 mm x 55 mm(突起物を含む)●質量:350 g(電池含む)●付属品:動作確認用乾電池 ●アクセサリー(別売り):ACアダプターKA181(9V)

Copperhead Drive

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 歴史的なブリティッシュ・スタック・アンプの音を再現したモデル。深めの歪みと特有のアタック感、そしてスタックのキャビネットならではの豊かなロー感まで、見事に再現している。いわゆるプレキシ系と呼ばれるサウンドはブライト・スイッチをオフにしてゲイン・コントロールを下げめに設定すればOK。よりモダンな音はブライト・スイッチを入れて、ゲインを上げて歪みを深くすれば作り出せる。クラシック・ロックから80年代以降のハードロックまでこれ1台で対応可能だ。たとえば、バッキングはローゲインに設定した「Mystic Edge」で、ソロは骨太な本機でといった使い分けをすれば、最高のブリティッシュ・ロック・サウンドを堪能できる。その際、各ペダルにあるLINK端子を市販のミニ・フォーン・ケーブルで接続すれば、片方をオンにすると自動的にもう片方がバイパスになり(全機種に搭載されたチャンネルスイッチ機能)、アンプのチャンネル切り替えのように使用することが可能だ

[Specifications]●接続端子:INPUT端子、OUTPUT端子、DC9V端子、LINK端子 ●コントロール: GAINノブ、VOLUMEノブ、TREBLEノブ、MIDDLEノブ、BASSノブ、BRIGHTスイッチ、MODEスイッチ●電源:9Vアルカリ乾電池(6F22/6LR61) x 1またはACアダプター●電池寿命:約2時間以上(アルカリ乾電池使用時。使用状況により変化します)●外形寸法(W x D x H):72 mm x 120 mm x 55 mm(突起物を含む)●質量:350 g(電池含む)●付属品:動作確認用乾電池 ●アクセサリー(別売り):ACアダプターKA181(9V)

Cutting Edge

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 シリーズ中、最も深い歪みを持つモデルで、モダンなロックに最適な一台。 特にソリッドでエッジの立った低音リフを弾くにはもってこいで、多弦ギターやダウン・チューニングとの相性も良い。歪みはかなり深く設定できるが、低域がダブつかないようタイトにコントロールできるうえ(“タイト・コントロール”を搭載)、レンジが広く解像度が高いため、低音弦でも音が潰れたり、音程が聞き取りにくくなったりすることはない。このようなレンジの広さや解像度の高さはシリーズに共通した特徴であり、「VALVENERGY」は9Vの電源電圧を15Vに昇圧してアナログ回路を駆動させていることが影響しているようだ。また、3種の接続モードを搭載しており(アンプのインプットに接続するSTANDARD、アンプのリターン端子に接続するPREAMP、ミキサーやDAWに接続するCAB-SIM/全機種共通)、シチュエーションを選ばずにチューブ・アンプのサウンドを楽しめる。さらに、歪みの粒が細かくクリーミーなことも、本機の特徴だ。

[Specifications]●接続端子:INPUT端子、OUTPUT端子、DC9V端子、LINK端子●コントロール: GAINノブ、VOLUMEノブ、TREBLEノブ、MIDDLEノブ、BASSノブ、TIGHTノブ、MODEスイッチ●電源:9Vアルカリ乾電池(6F22/6LR61) x 1またはACアダプター●電池寿命:約2時間以上(アルカリ乾電池使用時。使用状況により変化します)●外形寸法(W x D x H):72 mm x 120 mm x 55 mm(突起物を含む)●質量:350 g(電池含む)●付属品:動作確認用乾電池 ●アクセサリー(別売り):ACアダプターKA181(9V)

Wajima's Impression

エフェクター感覚で操作できる質の良いプリアンプのようだ

和嶋慎治(人間椅子)

 音を出す前に、まず手にとって、とても見た目がいいなと思いました。筐体の質感がいいし、各モデルの音色の特徴がカラーでイメージできます。ディスプレイもかっこいいですね。

 音に関しては、良い意味でエフェクター臭くない。質のいいプリアンプの音というか、本当にチューブ・アンプに触れているかのような音で、クオリティが高いと思いました。やはり、Nutubeを使用しているところがポイントでしょうね。普通にオペアンプを使ったクリッピング系の回路だとこういう音にはなりません。Nutubeあっての「VALVENERGY」なんだなと分かりました。それと9V電源を内部で15Vに昇圧しているそうですが、確かにこの音は9Vじゃ出せないと思います。かといって、一部の昇圧回路にみられる嫌なノイズもなく、とても自然ですね。総じて、音はアンプ、でも操作性は優しいエフェクターの感覚で、とても良かったです。

 それから、チャンネル・スイッチ機能が便利ですよ。例えば、バッキングを「Cutting Edge」で少しドンシャリにしてやると良い感じのリフが弾けるのですが、ソロではもう少し骨太な音が欲しいという時に「Copperhead Drive」をつないで切り替えてやると、すごくいい感じになります。片方をオンにすると片方がオフになるのは本当に便利で、モデルの組み合わせによって色々な使い方ができると思います。どの組み合わせが好みかを考えるのも楽しいですし、夢が広がりますね!

ペダルのLink端子同士をミニ・フォーン・ケーブルで繋ぎ片方をオンにすると、もう片方が自動的にバイパスになる。アンプのチャンネル切り替えのように使用することが可能だ

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製品情報

VOX / Mystic Edge

【問い合わせ】
コルグお客様相談窓口 TEL:0570-666-569 https://voxamps.com/ja/
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VOX / Copperhead Drive

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コルグお客様相談窓口 TEL:0570-666-569 https://voxamps.com/ja/
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VOX / Cutting Edge

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プロフィール

和嶋慎治(人間椅子)
1965年12月25日生まれ。青森県弘前市出身。大学時代、高校の同級生であった鈴木研一とハードロックバンド「人間椅子」を結成。ギターとボーカルを担当。1990年デビュー。ドラムのナカジマノブは2004年に加入。一時は低迷期を経ながらも休止はせず、地道に活動を継続。2013年および2015年には、OZZFEST JAPANに出演し、近年再ブレイクの兆しを見せている。デビュー30周年の2019年には、21枚目のアルバム「新青年」を発売。過去最高のオリコン順位を記録し、リード曲「無情のスキャット」のMVがYouTubeで世界的に話題となり2020年の2月に初の海外ワンマンツアー(ドイツ、イギリス)を行った。

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