NEO Created by OYAIDE Elec. / Ecstasy Cable
プロフェショナルのための製品を開発しているオヤイデ電気のブランド、NEO。新たにリリースされたのが、ギター／ベース用ケーブルのEcstasy Cableだ。演奏者が求める“気持ちの良いトーン”を具現化し、取り回しの良さや高耐久性も実現。サウンド面とプレイアビリティ面の両方を突き詰めたケーブルとなっている。ギタリストの菰口雄矢に試奏いただき、そのインプレッションを語ってもらった。
僕は普段からフラットな特性のケーブルを使うようにしています。どこかの帯域が強調されるようなものではなく、ギター本来の音が鳴っている感覚に近いケーブルを選ぶようにしているんです。そうすることでダイナミクスなどの演奏表現のコントロールがやりやすくなるんですよ。レコーディングではなるべくギターの情報量を失いたくないですし、自分が出している音をそのまま記録して、ミックス段階でエンジニアにEQやコンプで整えてもらうので、自分の出音の段階で無理にEQされたような音にはしたくないんです。Ecstasy Cableは素直なサウンドなのでレコーディングにとても向いていると感じました。
ギターのボリューム・ノブを絞っても音の解像度が落ちないのも特筆すべき点ですね。単純に音量が落ちるだけで、アタック感や倍音がぼやけない。安価なケーブルだと、ボリュームを絞った時に音がぼやけてしまって、アタックを出すために強く弾きすぎてしまうこともあるのですが、そういったストレスがなかったです。もちろんまったく高域が落ちないわけではないですが、自然な減衰の仕方で音が奥まりません。アンプでクランチ・サウンドを作る人は、ギターのボリュームを６や７くらいにすることできれいなクリーン・トーンになるでしょう。その際にダイナミクスの余地が残ってくれるのも魅力的です。
ケーブルの外装素材は硬すぎず柔らかすぎず、取り回しがとても良いです。他社製ケーブルだと、ステージ上のほこりなどがまとわりついて片付ける時に手が真っ黒になったりすることもありますが、そういったことがないですね。プラグ部分も軽く、ボディの鳴りへの影響も少ないと感じました。
Fractal Audio Systems Axe-Fx II XLなどのデジタル機器を活用するライブでもEcstasy Cableは重宝しています。演奏中にボリューム・ノブのコントロールをよく行なうのですが、真空管アンプなどのアナログ機器に比べて、デジタルによるシミュレートはボリュームの変化に弱い部分があると思います。でもボリュームへの追従性に優れたEcstasy Cableを使うことで、その弱みを補ってくれるイメージです。今はフル・デジタルでライブをするギタリストも増えてきましたし、そういった方にもお薦めできるケーブルになっています。
ライブでは長いケーブルを使わざるを得ないこともありますが、できれば僕は長くても３mほどのケーブルで演奏したいんです。長くなるほど音のロスが生まれ、イナた過ぎるサウンドになることもあります。でもEcstasy Cableは長めのケーブルでも音の劣化が少ないと感じました。現場のことを考えて開発されたのが伝わってきます。もちろんケーブルによる良い意味での劣化というのはギターならではのものだと思いますし、絶対に悪いことではありません。しかし、手元でサウンドをコントロールすることが多い僕にとっては、ケーブルによる音の劣化が少ないということが大きな武器になるんです。
ギターに特化しているケーブルというとレンジが狭いと思われるかもしれませんが、Ecstasy Cableはしっかりとしたレンジ感ながらもハイファイすぎず、ギターらしさのあるサウンドを保っています。ボーカルやベース、ドラム、シンセとさまざまなサウンドが混ざるバンドの中でも、ギターを太く聴かせることができる帯域をしっかりと出してくれるケーブルですね。
菰口雄矢
こもぐち・ゆうや●1988年生まれ。兵庫県出身。10代からプロ・ギタリストとしてのキャリアをスタートさせる。2011年にはフュージョン・バン ドのTRIXに加入（2016年に脱退）、2014年には初のソロ・アルバム『picture』を制作する。さらには自身が監修した教則本を発売するなど、幅広いフィールドで活動する技巧派プレイヤーだ。
