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BOSS GX-100で作るサウンド・レシピ|第2回:クリーン・サウンド編

BOSS / GX-100

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BOSSの技術を結集した最新マルチ

 スタイリッシュな見た目と高品位なサウンドで、自宅からライブまで様々な環境で活躍するマルチ・エフェクター、BOSS GX-100。 独自のAIRDテクノロジーによりチューブ・アンプのサウンドと弾き心地を実現しており、さらに接続先の機器にあわせて挙動を変えることで、生々しい楽器の響きが体感できるのが大きな特徴だ。

 23 種類のAIRDプリアンプと150種類以上のエフェクトを搭載。これらの接続順や組み合わせを自由にカスタマイズできるエフェクト・ブロック・システムは、実際のペダルを並べていくような直感的なサウンドメイクを実現。タッチ・パネルとツマミの組み合わせで操作が可能という、シンプルな操作感も魅力だ。

レシピ1:アルペジオが心地良いクリーン・サウンド

編集画面

 歌モノなどでアンサンブルに溶け込みやすく、心地良くアルペジオが弾けるようなクリーン・サウンドを目指して音を作っていきましょう。イメージとしては少しレトロな方向性で、ビンテージな匂いが欲しいところです。まず、初段にPEQ(パラメトリック・イコライザー)を入れます。このエフェクトは置くだけでサウンドが太くなるので、細かい設定はあまり気にせずに置いてみましょう。

 次にコーラスを使います。ビンテージのCE-1をイメージして、“RATEは低め・DEPTHを深め”というセッティングがオススメ。今回はRATEを“19”、DEPTHを“64”に設定しました。また、DIRECT LEVELをMAXの“100”に設定すると、原音がそのまま出力され、芯のあるサウンドになります。アンプはDELUXEで、12インチ・スピーカーを搭載したコンボ型を使用しました。ビンテージな雰囲気を出すには最適なアンプかと思います。

 次にディレイでやや味付けをして、最後にSPACE ECHOを使用しています。このSPACE ECHOはサウンドの雰囲気がかなり良く、レトロ感やビンテージな質感を出すにはぴったりのエフェクトです。FEEDBACKやEFFECT LEVELは低めに設定して、かけ過ぎないようにしましょう。

PARAMETRIC EQUALIZERの設定

CHORUSの設定

DELUXE COMBOの設定

DELAY PLUS STEREOの設定

SPACE ECHOの設定

レシピ2:レイド・バックなファンキー・カッティング!

編集画面

 70~80年代にかけて、ビンテージ・サウンドからややモダンに移り変わっていく時期のファンキー・サウンドをイメージしてみました。この頃のサウンドは完全なクリーンではなく、薄く歪みが乗っていて骨太な印象もあります。そのため、初段にOD BLUESというオーバードライブを入れ、DRIVEはかなり低く設定しています。強く弾いた時にかすかに歪むくらいが目安です。

 また、アンプ部分で選択したコンボのDELUXEアンプはドライブを上げていった際に高域の成分が歪みやすいため、GAINを低めに設定し、オーバードライブと合わせるイメージで音を作ってみました。次に、全体を整える意味でGEQ(グラフィック・イコライザー)を入れてあります。

 最後にREV+ PLATEというプレート・リバーブを入れました。70年代ならではの印象的なカッティング・サウンドにはプレート・リバーブの質感が大切です。深くはかけず、弾いていて気持ち良いくらいの設定に留めてあります。組み合わせるギターとしてはシングルコイル搭載のモデルで、フロントかセンター・ピックアップ、もしくはハーフ・トーンあたりでサウンドを作ると良いでしょう。ピックアップの出力があまり高くないものがオススメです。

BLUES ODの設定

DELUXE COMBOの設定

GRAPHIC EQUALIZERの設定

REVERB PLUS PLATEの設定

レシピ3:バンドで使えるスーパー・クリーン

編集画面

 いわゆる“スーパー・クリーン”や“クリスタル・クリーン”と呼ばれるサウンドは、単体では派手さがありますが、いざバンドで使ってみるとドラムの音圧に負けて聴こえなくなることが多い印象です。その部分を解消しながら、アンサンブル内でも抜けてくるスーパー・クリーン・サウンドを目指して音を作っていきましょう。

 まず、初段のX-COMPは必須です。このエフェクトは音の立ち上がりが素晴らしく、全体的に高めのパラメーターに設定するのが良いでしょう。アンプはTWINとJC-120を使い、2つのおいしいところを混ぜて使用するイメージです。TWINアンプは高域がかなりギラっとして立ち上がりの良いサウンド。そしてJC-120は低域~中域を補強する意図で選択していて、音の太さを出すための重要なファクターとなっています。

 サウンドの骨組みはX-COMPとアンプ2台でほぼ出来上がっていて、このあとにかけているDELAY+ STEREOやGEQ、REV+ AMBIENCなどは味付け程度といった感じになります。シングルコイル搭載のギター、そしてPUポジションはフロント側のハーフ・トーンが最適で、これでバンド内でも音抜けの良い“スーパー・クリーン”が楽しめるかと思います。

X COMPRESSORの設定

TWIN COMBOの設定

JC-120の設定

DELAY PLUS STEREOの設定

DELAY PLUS STEREOの設定

GRAPHIC EQUALIZERの設定

REVERB PLUS AMBIENCEの設定

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製品情報

BOSS / GX-100

価格:オープン

【スペック】
●サンプリング周波数:48kHz●AD変換:24ビット+AF方式 ※AF方式(Adaptive Focus method)=ADコンバーターのSN比を飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式。●DA変換:24ビット●内部演算:32ビット浮動小数点●エフェクト・タイプ:154種類●最大同時使用エフェクト数:15+3(DIVIDER/MIXER、SEND/RETURN、PHRASE LOOP)※使用状況により異なる。●メモリー:200(ユーザー)+100(プリセット)●フレーズ・ループ:38秒(モノ)、19秒(ステレオ)●チューナー内部検出精度:±0.1cent●規定入力レベル:INPUT=-10dBu、RETURN=-10dBu●最大入力レベル:INPUT=+18dBu、RETURN=+8dBu●入力インピーダンス:INPUT=1MΩ、RETURN=1MΩ●規定出力レベル:OUTPUT L/MONO、R=-10dBu、PHONES=-10dBu、SEND=-10dBu●出力インピーダンス=OUTPUT L/MONO、R=1kΩ、PHONES=44Ω、SEND=1kΩ●推奨負荷インピーダンス=OUTPUT L/MONO、R=10kΩ以上、PHONES=44Ω以上、SEND=10kΩ以上●コントロール:BANK▼スイッチ、BANK▲スイッチ、CTL1スイッチ、CTL2/TUNERスイッチ、1~4スイッチ、POWERスイッチ、EXP1スイッチ、GND LIFTスイッチ、EFFECTSボタン、CTL/EXPボタン、MENUボタン、EXITボタン、WRITEボタン、IN/OUT SETTINGSボタン、PAGEボタン、1~4つまみ、SELECTつまみ、OUTPUT LEVELつまみ、EXP1ペダル●ディスプレイ:カラーグラフィックLCD(480×272ドット)タッチ・スクリーン付●接続端子:INPUT端子、OUTPUT(L/MONO, R)端子、SEND端子、RETURN端子(標準タイプ)、PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、CTL3, 4/EXP2端子、AMP CTL1, 2端子(TRS標準タイプ)、MIDI IN端子、MIDI OUT端子、USB COMPUTER端子(USB Bタイプ)、Bluetooth ADAPTOR端子(専用タイプ)、DC IN端子●電源:ACアダプター●消費電流:1.2A●外形寸法:460(幅)×193(奥行)×73(高さ)mm●外形寸法(ペダル傾き最大時):460(幅)×193(奥行)×94(高さ)mm●質量(電池含む):3.5kg●付属品:ACアダプター(PSB-1U+ACコードセット)、取扱説明書、「安全上のご注意」チラシ、保証書、ローランド ユーザー登録カード●別売品:フットスイッチ(FS-5U、FS-5L、FS-6、FS-7)、エクスプレッション・ペダル(EV-30、FV-500L、FV-500H、Roland EV-5)、Bluetooth(R)Audio MIDI Dual Adaptor(BT-DUAL) ※0dBu=0.775Vrms
【問い合わせ】
ローランド株式会社 https://roland.cm/contact
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プロフィール

野村大輔(のむら・だいすけ)
1975年、東京都出身。エレキ・ギター、アコースティック・ギターのどちらも得意とし、歌の良さを引き出し曲に溶け込むようなギターアレンジを得意としている。また、幅広いジャンルをカバーしつつもブルースをベースにしたプレイ・スタイルを持ち味としたギタリスト。15歳からビートルズに憧れアコースティック・ギターを弾き始め、その後ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンなどに影響を受けエレキ・ギターを弾くようになる。様々なバンド活動をしながら10代でギター講師の仕事を開始し、現在ではレコーディング・サポート、ライブ・サポート、作曲、編曲、プロダクト・スペシャリスト、ギター講師、執筆活動など幅広く活動を続けている。

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