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キワヤ商会によってプロデュースされている老舗ウクレレ・ブランド、フェイマス。その名が示すように国産ウクレレのシェアNo.1！とウクレレ業界の知名度は抜群。初心者にも扱いやすく、良心的な価格設定ということもあって、数多くのプレイヤーたちに愛されている。ここではラインナップの中から5モデルを試奏し、そのポテンシャルを確認。さらに長年フェイマスを知るウクレレ奏者、キヨシ小林にもオススメ・ポイントを聞いた。
フェイマスは半世紀以上にわたって製作されてきた国産ウクレレの代表ブランド。快適な演奏性、ウクレレらしい軽やかな音色、手に届きやすい価格設定で、初心者からベテランまで、幅広いプレイヤー層に愛されてきた。一部のモデルには単板が用いられているが、音色と強度のバランスをとりながら独自開発した3層構造の薄い合板が使われているのが特徴だ。
ボディとネックにマホガニーが使われたソプラノ・ウクレレ。ギア・ペグなのでチューニングの安定感は高く、15フレットまであるので、ソロ・ウクレレにも対応しやすい。木の温もりが楽しめるツヤを抑えたさらさらとしたフィニッシュ。マホガニーらしい甘く柔らかな音色で、ゆったりとした気分で弾きたくなる1本。
FS-1G（Top）
FS-1G（Back）
ボディにハワイアン・コア合板を用いたソプラノ。フェイマスの人気No.1で、ハワイの風をたっぷりと感じさせる軽やかで明るいサウンドが持ち味だ。ボディはグロス（光沢）フィニッシュで指板にはローズウッドを採用。初心者はまず本器と前述のFS-1Gの2本を弾き比べて自分の音色の好みを確認してから、サイズを検討すると、ウクレレ選びがスムーズになるかも。
FS-1Gと並べて弾いた時に迷うのがこっち。温かい音色で音量も大きいから無理しなくても鳴ってくれます。それに“楽器としての音色”というのをちゃんと持っていて、楽器任せで楽しめるモデルです。
FS-5G（Top ）
FS-5G（Back）
ボディのサイド＆バックにマホガニーの合板を用いて、耐久性と強度を保ちながら、トップにはマホガニーの単板を使用することで鳴りを高めたソプラノ・モデル。指板はローズウッドで、さらさらとした手触りのツヤ消しフィニッシュで仕上げている。ルックスは昔を彷彿させるフリクションながらチューニングがスムーズなプラネタリー・ペグを搭載。柔らかく伸びのあるサウンドが楽しめるモデルだ。
高音が前に飛び出ていて、どちらかと言うとソロ・ウクレレ向きですね。音のツブも立っているし、ポーンと抜けてくれます。FS-1GやFS-5Gよりも個性を出したくなったら本器やFLS-2G、FC-4を選ぶといいですね。
FS-6cst（Top）
FS-6cst（Back）
ソプラノのボディに、ひとつ上のコンサート・スケールのネックを装着したソプラノ・ロングネック。ボディにはハワイアン・コアの合板を使用している。弦長（スケール）が長くなることで、ピッチの正確性と音量が向上。コード弾きだけでなく、ソロ演奏もしやすくなっている。ソプラノ・サイズの軽やかな音色が好みで、ソプラノだと少し運指が窮屈という人にも優しい。
14フレット・ジョイントでソロ・ウクレレの対応力もあるから、ソロ・ウクレレにこだわっている人はこのウクレレは満足できると思います。音は立っていて、きらびやかでツヤがあります。
FLS-2G（Top）
FLS-2G（Back）
コンサート・サイズの同ブランドFC-
どちらかというと弾き語り向きの印象。ジャカジャカ弾いた時に音に歯切れの良さが出るので、思いっきりガンガン弾きたい人はコレがいいと思います。コンサート・サイズということでソプラノに比べて腕も大きく触れるしね。
FC-4（Top）
FC-4（Back）
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これからウクレレをはじめたいという人は、自分の中に基準となるウクレレ像がないので、どういったウクレレを選べばいいのか、なかなか判断できないはず。その意味でもフェイマスを手にしてみると、その後のウクレレ選びがスムーズになるだろうし、その扱いやすさにも気づくだろう。
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キヨシ小林
1955年東京生まれ。1975年に高田渡やなぎら健壱などのサポート・ミュージシャンとしてプロ活動を開始。1988年には日本人としてはじめてフランスのジャンゴ・ラインハルト・フェスティバルに出場。90年代からウクレレの活動をはじめ、現在はギターやウクレレを中心とした演奏の他、教則本の執筆、後進の指導も行なう。ウクレレ・オーケストラ・オブ・ジャパン主宰。
