2015年に設立されたELECTRONIC AUDIO EXPERIMENTS（エレクトロニック・オーディオ・エクスペリメンツ／以下EAE）は、自身も音楽活動を行うマルチ・プレイヤーであり電工技士のジョン・スナイダーによるペダル・ブランド。“電子工学を通過したサウンドとテクスチャーの探究” を標榜するEAEの製品は、どれも個性的で他に類さない独特の質感を持つ。今回新たに登場したのは、“チューブライク” ではない鋭利なアンプ・ドライブをペダルに昇華させた魅力的なペダル。

　「The Bard」は、過小評価されてきたミュージックマンのギター・アンプHD130を再現。ソリッドステートのプリアンプと、真空管のパワーアンプを備えたハイブリッド・アンプの愛すべき魅力が凝縮されている。ゲインを下げ切れば、ミッド・レンジがわずかに抑えられた凛と澄み切ったクリーン・トーン。ゲインを最大にすれば、微塵も “チューブライク” ではない鋭利なディストーションと、HD130の個性的なドライブ・サウンドを存分に体感できる。パッシブのトーン・スタックはクリッピング・ステージの前に配置され、ハイ／ローのコントロールで歪みのテクスチャーをコントロール可能。サウンドのエッジをコントロールするブライト／ノーマル・スイッチも備えている。これらの有機的に関係し合うコントロールを駆使することで、単体の歪みとしてはもちろん、ブースターやトーン・エンハンサー、さらにはプリアンプ・ペダルとしても使用可能。どんなシチュエーションやセットアップでも、サウンドに個性的なきらめきを加えることができる。EAEらしい、忘れ去られた過去のテクノロジーへの敬意を感じるドライブ・ペダル。そのサウンドをぜひ体感してほしい。