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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第117回〜拡大版!お茶の水大楽器祭り2016レポート3

竹尾典明(FoZZtone)が弾く! ギブソンUSAハイ・パフォーマンス・レス・ポール

Gibson USA / Les Paul Standard 2016 HP

  • 文:井戸沼尚也 動画・写真撮影・録音:編集部 動画編集:熊谷和樹

『拡大版! お茶の水大楽器祭り』(主催:黒澤楽器店)のイベント・レポート第3弾は、「Gibson USA presents FoZZtone 竹尾典明が弾くギブソンUSA ハイ・パフォーマンス・シリーズ」です。当日はギタリストの竹尾典明氏が絶妙なプレイとトークでレス・ポール・スタンダード2016HPの魅力を引き出し、会場を沸かせていました。その模様を、ダイジェスト動画とともにレポートします。

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Noriaki Takeo(FoZZtone)×Gibson USA Les Paul Standard 2016 HP

2013年以降の新しいギブソン・レス・ポールの流れ  

 イベントは、まず竹尾氏のソロ・パフォーマンスからスタート。ルーパーを活用して音を幾重にも積み上げ、壮大な演奏を披露しました。

 続いてギブソン・ジャパンの山本智博氏が進行役として登壇し、レス・ポールの歴史と仕様の変遷について説明。2008年には従来のレス・ポール・スタンダードがレス・ポール・トラディショナルとレス・ポール・スタンダードの2機種に分かれたこと、そしてその時に採用された非対称ネックについて説明がありました。

非対称ネック

 グリップの頂点部分がわずかに低音弦側に寄り、より握りやすく弾きやすいグリップ感を実現したネック。竹尾氏は「手が小さい僕も非常に弾きやすく、かつ自然なグリップ感です」とコメント。

 また、2013年に加えられた以下の機能について、山本氏の説明と竹尾氏の実演がありました。

コイル・タップ

 ハムバッキング・ピックアップ内のふたつのコイルのうち、片方をフィルターに通し、シングルコイルのようなサウンドを作り出す。「カッティングに適した、小気味好いサウンドになりますね」(竹尾氏談)

アウト・オブ・フェイズ

 ピックアップのマグネットの位相を変え、ミドルからハイにクセのある、いわゆるフェイズ・アウト・サウンドを作り出す。「これを使うと、ギラッとした感じになります」(竹尾氏談)

バイパス

 コントロール類(ボリュームやトーンのポットなど)をスルーし、ピックアップの音をジャックから直接アウトプットする機能。「ありのままの音がドーンと出る感じですね」(竹尾氏)

 さらに、その後のレス・ポールHPシリーズにつながる変遷について、2014年にはオート・チューニング機能(Min-Etune → G Force)が搭載されたこと、2015年にはネック幅の見直しやアジャスタブル・ゼロ・フレット・ナットが搭載されたことなどのトピックが紹介されました。

180通り以上の音のバリエーションを誇る、最新レス・ポール・スタンダードHP

 最新のレス・ポール・スタンダード2016HPについては、次の点が見直されています。

・さらに進化したGフォース・チューナー
・チタン製のアジャスタブル

・ゼロ・フレット・ナット
・ファストアクセス・ヒール・ジョイント
・DIPスイッチ

DIPスイッチについて

Les Paul Standard 2016 HP/DIP Switch

【スイッチ1】ネック・ピックアップのコイルをタップ、または完全にスプリットするかを選択可能
【スイッチ2】ブリッジ・ピックアップのコイルをタップ、または完全にスプリットするかを選択可能
【スイッチ3】ネック・ポジションのハイパス・フィルターのアウト/インを選択可能(ボリュームを絞った際に高域のみを通す=ハイパスにより、バッキング時などに音がこもるのを防ぐ)
【スイッチ4】ブリッジ・ポジションのハイパス・フィルターのアウト/インを選択可能
【スイッチ5】過信号サプレッサーのアウト/インの選択が可能(サプレッサーをオンにしてピークの音を抑えることで、宅録の時などにオーバーロードを防ぐ)

週刊ギブソン第96回でもレス・ポールHPについて詳しく動画で解説していますので、併せてご確認ください。

 山本氏によると、これらの機能をすべて使った場合のサウンド・バリエーションはなんと180種以上(!)にも及ぶとのこと。竹尾氏は「僕は革新的なものが大好きなので、どんどんやってほしいですね」と、ギブソンUSAの先鋭的な技術の導入にさらなる期待を寄せ、最後にレス・ポールHPを用いた見事なソロ演奏を披露してイベントは終了しました。

Les Paul Standard 2016 HP(Top)

Les Paul Standard 2016 HP(Back)

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Les Paul Standard 2016 HP
●ボディ:メイプル・トップ(トランスカラーにはAAAフィギュアド)、マホガニー・バックwithモダンウェイトリリーフ
●エレクトロニクス:BurstBuckerProピックアップwith新開発DIPコントロール
●Gフォース・オートチューナー
●チタン製ゼロ・フレット・アジャスタブル・ナット
●ネック・プロファイル:ソロイスト ・クライオジェニック、研摩処理、ローハイト・フレット
●ハードウェア:チタンサドル付きニッケル・チューン“オー”マティック ・リムーバブル・ピックガード
●ハイ・パフォーマンス用ハードケース
価格:440,000円(税別)


※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは9月16日(金)を予定。

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製品情報

Gibson USA / Les Paul Standard 2016 HP

【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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プロフィール

『Case of takekings』

竹尾典明
1982年、大阪府生まれ。2003年にFoZZtoneを結成し、2007年にデビュー。2014年の6thアルバム『Return to Earth』を発表後、2015年2月に活動を一時休止。2015年秋よりソロ・プロジェクト、takekingsのギター/ボーカルとして活動し、2016年1月には1stアルバム『Case of takekings』を放っている。

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