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“予算3万円! デジマートで買った機材でどこまで良い音が出せるのか?”実験

〜3万円チャレンジ実験〜

  • 文:井戸沼尚也(室長)

お年玉をもらった皆さん、お金はまだ残っていますか? 新年を機に、ギターを始めちゃいましょう。今回は、予算3万円で機材を揃えてどこまで良い音が出せるか?を試してみますよ。ベテランの皆さんも、限られた予算でサブ・ギターや室内用アンプなどを購入する際の参考にどうぞ。なお、今回は実験室史上初めて、視聴者参加型になっています。“良い音”だったかどうかは皆さんに動画の下にあるアンケート・フォームから判定いただきます。それによって井戸沼室長へのギャラの支払い率が変動しますので、ぜひご参加ください!

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“予算3万円! デジマートで買った機材でどこまで良い音が出せるのか?”実験
室長のギャラが決まるアンケート

 動画の最後で室長が弾いたサウンドの良し悪しを視聴者の皆さんが判断して、下記アンケートの5段階から当てはまるものをひとつ選んでください。得票数の最も多かった評価により室長へのギャラの支払い率が決定します。

アンケートは終了しました。沢山の投票ありがとうございました!
本記事内の実験結果も是非ご覧ください。

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 お年玉をもらえるって素晴らしい! 年始だけは積極的に親戚付き合いしたいというヤングの皆さん、気持ちはよくわかります。成果はいかがしたか? そして貴重なお金を何に使うか、考えている時が一番楽しいですよね。買うものを決めるってことは他の欲しいものをすべて諦めるってことですから、迷っている時が最高なんですよ!

 で、地下実験室を読んでいるような人の場合、機材の購入を考えていることが多いのかなと思います。予算はいくらでしょうか? 欲しい機材はなんですか? まぁ3万円くらいの予算があれば、結構いいもの買えますよね?

赤鬼(デジマート・マガジン編集長) 「室長、本当ですか?」
私  「え? 何がですか?」
赤鬼 「3万円でいいもの買えるって」
私  「そうですね、今は3万円出せば良いエフェクターはいっぱいありますし、ギターだって中古で3万円も出せば結構立派なものが買えますよ」
赤鬼 「では、次の実験室で証明してください。3万円でギター、アンプ、エフェクターを買って、良い音を出して見せてください」
私  「了解でーす。じゃあ、3万円のギター、アンプ、エフェクターで良さそうなの、目星をつけておきますね」
赤鬼 「何をぬるいことを言っているんですか。全部合わせて、総額で3万円ですよ。それと今回は良い音の判定は視聴者にしてもらいます。数々の実験をしてきた室長ならある程度良い音は出せて当たり前という前提で、結果によって室長のギャラも変動しますから、そのつもりでお願いします!」
私  「ぬなーっ! ズコーッ!」

 ……赤鬼はこういうことを爽やかな笑顔で言うから恐ろしい人です。しかし、確かに3万円で買い物をしてこんな音が出ました〜では実験になりません。「良い音かどうか」も非常に主観が入りやすい部分ですから、視聴者に決めてもらうというのは良い方法だと思います。さらにギャラが変動するということは上がる可能性もあるわけですから、ここはひとつ、私も張り切ってやりたいと思います! それじゃあ実験、始めるよー!

実験環境

■使用機材
◎アイバニーズ Darkstone Chronicles DN400 AP(ギター)
◎フェンダージャパン SDR-15(アンプ)
◎ヴォックス JS-DS Satchurator(ディストーション)
ダダリオ EXL110(弦)
シルクロード LG104-3 BK(ケーブル)
フェンダー・ティアドロップ・ミディアム(ピック)

※セッティング、及びルールについて
■今回選んだ機材は、デジマート上で購入できるものからセレクトしています。
■機材は事前チェックを行なわず、撮影当日に1時間程度のみ調整&音作りをしてから本番に臨んでいます。
■良い音かどうかは視聴者の皆さんが判断して、記事内のアンケート・フォームからお応えください。
 アンケート・フォームの有効期間は、記事公開から1/15(日)23:59までの10日間です。
■アンケートは、次の5段階から当てはまるものをひとつ選んで、評価してください。
 ・すごく良い音だった……ギャラ支払い率200%
 ・値段の割に良い音だった……ギャラ支払い率120%
 ・値段なりの音だった……ギャラ支払い率80%
 ・値段の割に良くない音だった……ギャラ支払い率50%
 ・悪い音だった……ギャラ支払い率20%
■本企画では動画再生の際、ヘッドフォンでの視聴を推奨しております。

実験1 購入編

 ギャラの支払い率、20〜200%までか! ムチャクチャだなぁ。「値段なり」ではギャラが下がるところが鬼ですね。断っておきますが、この地下実験室という企画は前回の「利きエフェクター」実験で私がはずしまくったことからもわかる通り、ガチな部分はガチなんですよ。デジマート編集部、恐ろしい……。ギャラ200%を勝ち取るための勝負は、買い物の段階から始まっていると言って良いでしょう。どれだけ良いものを入手できるかで、勝負の8割方が決まると思います。

 今回の予算は総額で3万円です。これが30万円なら20万円のアンプを買って、6万円のギターと4万円のエフェクターを買えば絶対良い音が出せますが、3万円となると話は別です。2万円のアンプを買ってしまうと、ギターとエフェクターに1万円しか使えません。これは厳しい! ここはすべて中古で、ざっくり1万5千円前後のギター、5千円前後のアンプ、5千円前後のエフェクターを狙っていきます(残りの5千円はケーブル代、弦代、そして送料です。マジで厳しいー)。非常に限られた予算ですが、低価格楽器の選び方のポイントをいくつか挙げてみましょう。

【ギター】

・もともとの定価は高いが型が古くなったモデル
 これは、お得感あります。70年代〜80年代の国産ギターなんか、悪くないですよ。ただし今回は、予算があまりにも限定されているので、ちょっと買えません……。

・修理/改造されているモデル
 修理/改造されたモデルは買取価格も下がりますし、その分中古市場に出た時も安くなっています。改造ポイントが自分の好みに合えば十分アリな選択ですし、修理歴も気にならない人にとってはお得だと思います。今回私が選んだアイバニーズDarkstone Chronicles DN400 APはこのパターンで、ピックアップがEMGに交換されているということで安くなっていました。っていうか、逆にお買い得です、これは。

・アーティスト・モデル
 やはりアーティストの名前を使用する以上、通常のモデル以上にきちんとチェックされているものが多いと感じています。好みのアーティストのモデルが出たら即買いですが、好みではなくても「嫌いじゃない」アーティストのモデルが安かったら、良い買い物ができる可能性が高いと思います。

 ギターの場合、他には、ボディ材で選ぶ(例:アルダーかアッシュか、マホガニーか)、ピックアップで選ぶ(例:ダンカンかディマジオか、オリジナルPUか)など、選ぶポイントはいくつかありますが、予算1万5千円だと贅沢は言えません。せめてギターだけで3万円使えると、上記のポイントを踏まえてグッと選択肢が広がります。

【アンプ】

・できるだけ、スピーカーの口径の大きなものを選ぶ
 安いアンプは、スピーカーの口径が小さいものが多いようです。安いアンプの安い音は、ローがまったく出ないところに起因しているケースが多いので、できれば12インチ、最低でも10インチは欲しいところです。今回私が選んだフェンダージャパン SDR-15は8インチ、さすがに5千円の予算でスピーカーの大きなものは見つかりませんでしたが(私が選んだ日時では)、SDR-15はキャビネットを大きくしたような効果が得られるスイッチがあるので、そこに賭けてみました。アンプも、本当は3万円使えれば、かなり満足度が高いものが手に入ると思います。

【エフェクター】

・BOSSを買う
 はっきり言って、間違いないっす。しかし、今回のテーマに合いそうなBOSSのモデルは持っているので面白くない……ということで、アーティスト・モデルのVOX JS-DS Satchuratorを買ってみました。ジョー・サトリアーニのモデルです。実は私、ジョー・サトリアーニはあんまりよく知らないんですが、まぁ大丈夫でしょう。当然、本人による入念なチェックがされたはずですので。

 また、デジマートで中古を選ぶ際に、登録が新しい順に見ていくのは基本です。やはり良いものから売れていく傾向があるので、最新の動向をチェックしておいてください。それと「良いものを見つけた!」と思っても、ぜひ状態はチェックしてみてください。特にビザール系は要チェックですよ!(経験者談)

実験2 試奏編

 さあ、いよいよモノも揃いましたので、試奏です。その前に確認しておきますが、ひと口に“良い音”といっても、いろいろありますよね。そうなると今回、最終的な判断は視聴者の皆さんの好みの音かどうかだけになってしまうので(まぁ、それも悪くはないんですが)、ここでは“私が狙った音”を知っておいてもらった方が、より判断しやすいかと思うのでお伝えします。出したい音は“モダンな感じの、深く歪んだ音”で、ファズ的に粒が粗い音ではなく、もっと歪みがきめ細かいクリーミーな音を狙いました。……と言葉で伝えても思い描く音は十人十色だとは思いますが、「きめ細かい歪みの感じを出せているか」も判断基準のひとつとしてください。

 で、いろいろセッティングを試しましたが……ケーブル、送料込みの総額3万円の壁、厚いです。もうちょっとクリーミーな感じを出したくて、アンプ、ペダルのツマミの調査はもちろん、ギターのピックアップの高さの調整までいろいろとやりましたが……なかなか狙ったところに音がいきません。最後は時間切れ、音出しタイムとなりました。いろいろ難しいところはありましたが、最終的には5千円のアンプから出ているとは思えないゴン太ディストーション・サウンドが出せたと思います! 総額3万円でできることはやりましたので、あとは潔く判定をお願いします! さぁこい、200%! ……あ、余談ですが、ウチには生後8ヶ月になる乳飲み子がおりまして、こいつのミルク代とおむつ代が(※編集部注/以下、室長のまったく潔くない泣き言が続くので5千字ほど割愛)。

結論 アンケート結果待ち

 今回改めてわかったことは、“極低予算で良い音を作るためには、やはり買い物が重要”ということです。弾き方やセッティングももちろん重要ですが(一定以上の楽器を使えば、むしろこちらの方が重要なくらいですが)、低予算の場合は買い物の段階である程度勝負が決まるということです。

 例えば事前に動画サイトで、狙っている機種のサウンドをチェックすること、それもできる限り複数の動画をチェックしてみることをオススメします。それと、実際に予算3万円ですべて揃えたいという人には、アルバイトや使っていないものを売却するなどして、なんとかあと2万円予算を上乗せできれば、かなりあなたの欲しい音に近づきやすくなると思いますよ。

実験結果 〜アンケート集計を終えて(1月17日追記)

結論 予算3万円で、値段の割に良い音が出せる(アンケート結果)

 今回の実験室をご覧いただいた方々、そしてアンケートに投票してくださった方々、本当にありがとうございました! 予想を大きく上回る5961人に投票していただいたことに驚きましたし、感激しました。

 今回、3万円で音作りをしてみて改めて思ったのですが、やはり良い音は“きちんと調和がとれているかどうか”で決まるということです。バランス、(モノ同士の)ハーモニーといった言葉にも言い換えられると思うのですが、いくらお金を出して名器と呼ばれるギター、アンプ、エフェクターを組み合わせても、それらの調和がとれていなければ良い音にはなりません。

 逆に3万円や5万円という予算で買ったものでも、調和がとれていれば(その範囲内で)十分良い音がします。調和とは、パーツ同士の親和性であり、材同士の親和性であり、構造自体と材やパーツとの親和性であり、それらが織り成すギターとしての親和性であり、その上で、ギターとアンプ、エフェクターの親和性の問題があり(今回、ここを試しました)、さらに大きくは弾き手、機材、録音の親和性であり、最終的には完成した音と聴き手、それに時間と場所が加わって、すべてが調和するかどうかということになります。

 地下実験室はいつもミクロなところばかりをイジイジと掘っていますが、本当はミクロな視点とマクロな視点の両方で“調和”を見ないとダメだと思っています。

 グダグダと述べましたが、今回良い音だったかどうかは、当初に述べたようにひとりひとりの判断に委ねさせていただきました。正直なところ、今回私はエフェクター選びに失敗しました。調和しないものを、選んでしまったのです。これはVOX JS-DS Satchuratorが悪いということではなく、ギター、アンプとのバランスが良くなかったということです。まだまだ勉強不足。

 一点だけ、多くの方から「マルチ・エフェクターを買えばよかったのに」、「モデリング・アンプを使えばそれでOKだったはず」といった声をいただきました。でも、自分にとって今回は“スーパーに1,000円持っていって買い物をし、どれだけ美味しい料理を作れるか?”を試す場だったので、そこに“出来合いのお惣菜”を買ってくるのはなんか違うと思ったわけです。実験の場でなければ、そうした選択はアリだと思います。皆さんは、皆さんの好きなものを選び、組み合わせ、自分の音を出してください。その時に、頭の片隅で“調和”のことを考えてもらえれば、地下実験室をやっている甲斐があるってもんです。

 長々と読んでいただき、ありがとうございました。それでは、次回、地下36階でお会いしましょう!

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プロフィール

井戸沼尚也(いどぬま・なおや)
大学在学中から環境音楽系のスタジオ・ワークを中心に、プロとしてのキャリアをスタート。CM音楽制作等に携わりつつ、自己のバンド“Il Berlione”のギタリストとして海外で評価を得る。第2回ギター・マガジン・チャンピオンシップ・準グランプリ受賞。現在はZubola funk Laboratoryでの演奏をメインに、ギター・プレイヤーとライター/エディターの2本立てで活動中。

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