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  • 週刊ギブソン Weekly Gibson〜第140回

伝説のサウンドに迫る! 75年前の仕様を完全再現した1942 J-45 Legend

Gibson Acoustic / 1942 J-45 Legend

  • 実演・文:エバラ健太 動画撮影・編集:熊谷和樹 写真撮影:八島崇 録音協力:加藤和彦(オンキヨー) 取材協力:Gibson Brands Showroom TOKYO

多くのミュージシャンに愛され、数々の名演を支えてきた名器J-45に、1942年発売当初のスペックを完全再現した復刻モデルが、世界限定30本で登場しました。誕生からわずかな期間にのみ採用された貴重な仕様をつぶさに見ながら、“伝説”の名が冠された本器の魅力を紹介していきます。

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発売当初のスペックにこだわり完全再現
1942 J-45 Legend

 伝説が蘇りました。1942年に産声を上げて以来、ギブソン・アコースティックの伝統を背負い、最も愛され、最も多くのプレイヤー達に弾かれ続けてきたギターのひとつ、J-45。このギターが誕生した75年前の仕様を、現代の技術を用いて細部まで完全に再現したモデルが、世界限定30本で登場しました。

 トップはアディロンダック・スプルース、サイド&バックはマホガニー。新品ながらビンテージ・サウンドを追求するため、トップ材にはThermally Aged(サーマリー・エイジド)加工という、熱と圧力による加工処理が施されています。"ONLY A GIBSON IS GOOD ENOUGH"のバナーに筆記体のロゴ、3 Per Plate Tuner(3連のペグ)、木目の美しさが引き立つVOS(Vintage Original Spec)仕様のフィニッシュ、そして1942年と同じファイヤー・ストライプのピックガード。どこから眺めても、このギターに対する情熱を感じられない箇所はありません。

プリ・ウォー・スクリプト・ロゴとバナー・ロゴ

3連のクルーソン・タイプ・ペグ

サーマリー・エイジド加工処理されたアディロンダック・レッド・スプルース

 実際に手に取ってまず感じたことは、“ネックを握る”という言葉がこれほどしっくりくるギターは、これまで弾いたことがない、ということでした。当時“ベースボールバット”という呼び方もされていたこの太いネックが、ヘッドまで振動を伝え、がっしりと深みのある音に貢献しているのでしょう。ですが、決して手の大きな人のためだけのギターということではありません。手のひらや親指に当たるネックの感触は安定感が抜群なので、手の小さな人にこそ弾いてみてほしいと言えます。

柔軟な対応力をみせるビンテージ・サウンド

 コードをいくつか弾いてみると、弦1本1本の音の太さ、豊かさに驚かされました。ギブソンの歴史を証明するような力強さは、シンプルなオープンコードに説得力を与えてくれているようです。体の芯に響くような音圧のあるビンテージな低音と、艶のある現代の高い倍音が同居しているような、心地良い響きです。

 アディロンダック・スプルースとマホガニーの組み合わせならではの、立ち上がりが速く、前に飛んでいくようなサウンドは、開放弦を活かした切れ味の良いストロークから、カポを使っての柔らかなアルペジオまで、柔軟に対応してくれます。

 また、Thermally Aged加工によって得られたビンテージ・サウンドは非常にマイク乗りが良く、歌の伴奏にはもちろんですが、バンド・サウンドの中での単音のメロディ弾きにも抜群の存在感を発揮します。僅かなビブラートで音が段々と減衰して最後に音が消えるまで、程よく枯れた本物のトーンを感じられるでしょう。

 1903年のギブソンのカタログの中に、「全てのギブソン・アコースティックギターは“持ちが良く、しなやかで格調高い品質”(the most durable, elastic, and sonorous qualities)の木で作る」という言葉が書かれているそうです。そしてこの信念は、本器を弾いてみると2017年の今でもしっかりとモンタナの工場で代々受け継がれていることを感じられると思います。

 ベースボールバットを握り慣れた頃には、このギターが新品であることを忘れてしまうでしょう。あなたをタイムマシンに乗せてくれる1本。ぜひ一度、伝説に触れてみて下さい。

名器J-45のバリエーション

 定番機種のJ-45 Standardに、初のカッタウェイ・バージョンも加わり、伝統と進化の幅を広げる本器。ここからは、カッタウェイ・モデルのサウンドと、そしておおはた雄一氏の試奏による2016仕様のサウンドも合わせてお楽しみください!

人気定番J-45史上初のカッタウェイ・モデル、J-45 Cutaway

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ギブソン・アコースティック2016仕様J-45が登場!

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連載100回記念! おおはた雄一 meets ギブソン・アコースティック2016

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※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは2017年3月3日(金)更新を予定。

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製品情報

Gibson Acoustic / 1942 J-45 Legend

価格:¥678,000 (税別)

【スペック】
■ボディ・トップ:サーマリー・エイジド・アディロンダック・レッド・スプルース ■ボディ・サイド&バック:マホガニー ■ネック:マホガニー ■指板:ローズウッド ■ブリッジ:ローズウッド ■ペグ:ゴールデン・エイジ
【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン http://www.gibson.com/
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プロフィール

エバラ健太
えばら・けんた●1983年、東京都出身。地元と第2の故郷徳島を拠点に、全国各地を旅する弾き語りシンガー/ソングライター。作詞・作曲だけでなくアレンジ・録音・ミックスまでを自ら手がける。的確なギター・ワークと歌唱によるオーガニックなサウンドを、デジタルマシンで即興的に加工しながら情緒的に歌い上げるライブは、既存のジャンルにカテゴライズされない新しい音楽シーンの幕開けを予感させる。自身の活動の他、CM、TVなど、さまざまなレコーディングにも参加。Morris FingerPicking Contest 2015にて最優秀賞、オリジナルアレンジ賞を受賞。最新ソロ・アルバムは初のフィンガー・ピッキング・アルバムとなる『7』。

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