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  • 木材〜トーンウッドの知られざる世界 第31回

【緊急アンケート!】どうする、どうなるローズウッド!? ワシントン条約規制にともなう国内メーカー対応まとめ

ローズウッド楽器

前号で、2017年1月2日よりワシントン条約によるローズウッド全種の国際間取引制限が始まることをお知らせしました。当該記事はネットニュースにも転載されたことにより、普段は楽器やその素材などまったく興味がない人達にもその実態を知らしめることになり、大きな反響をいただきました。そんな中でも最も大きかったのが、「これからローズウッド楽器はどうなるのか!?」という悲痛な叫び声です。それはまるで牛丼屋から牛丼が消えた数年前を思い出したかのようでした。そんな愛おしいローズウッド・ラヴァーズに向けて、ローズウッド楽器の現況と行く末を見定める目的で、国産ブランド/メーカーを中心に緊急アンケートを実施しました。早速、気になる“現場”の生の声を聞いていただきましょう。

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ローズウッド楽器はどうなる? メーカー緊急アンケート!

 1月中旬から2月上旬にかけ、国産ブランド/メーカーを中心に“ローズウッド楽器の今後”をテーマに緊急アンケートを実施しました。実際に回答をいただいた国内楽器製造メーカー(販社含む)は16社、加えて、木材輸入業者1社からの回答をここにご紹介します(※敬称略/また紹介順はおおむね回答返信順となっています)。質問させていただいた内容は以下のとおりです。

Q1. すべてのローズウッド種輸出入規制のニュースを初めて聞いた時の感想は?
Q2. 今回の規制で特に影響を受ける点は?
Q3. 影響を受ける点において何か対応策はとられていますか?
Q4. ローズウッド種に代わる貴社イチ押し素材(加工)があれば教えてください。
Q5. ローズウッド種に関して貴社のPRを!

Q1. すべてのローズウッド種輸出入規制のニュースを初めて聞いた時の感想は?

■いずれ規制対象になることは想像しておりましたが、予想より早く対象となった印象です。寺田楽器

■かなり乱暴な話だな、と感じました。規制の発端が楽器ではなく、木材を大量消費する他産業であろうことは明白なので楽器業界はとばっちりを受けるのだな、と思いました。もう少し突っ込んで言えば、インディアン・ローズウッド自体は絶滅危惧されているわけではありません。特にインドでは政府管理のもと植材され、乱伐は近年行なわれていません。一部の国の他産業において、CITES対象であった別の希少ローズウッド材が、書類上インディアン・ローズウッドと偽装され、許認可を逃れて大量に貿易取引されていました。この違法取引に歯止めをかけるために、問題性の無い種も含めてローズウッド全てをCITESリスティングしてしまうというのが今回のワシントン条約会議の結果です。弊社で危惧しているのは、誤解された絶滅危惧情報によってインディアン・ローズを使用する楽器業界が環境保護観点からバッシングされることです。楽器で使用されるインディアン・ローズウッドの量は、全産業での需要に対してごく僅かであることも補足しておきます。アストリアスギター製造

■遂にインド産の木材にまで規制が及んだか、と思いましたが、実際は申請すれば大丈夫なようですので面倒ではありますが安心しております。T’s Guitar

■環境保護のためにも必要な規制であるが、事務手続きの簡素化を望む。ESP

■規制の対象がとても広いので「大変なことになるな……」と直感しました。施行までの猶予期間が無いんだな、と驚きました。星野楽器販売

■樹種によっては当然想定していましたが、全種というのは正直驚きました。ヤイリギター

■特別手に入れにくい木材でもないし、枯渇している印象もなかったので、正直なところデマではないかと思いました。セイレン

■最初は驚いたものの、一部はすでに規制対象だったので、全種規制もやむを得ないことと受け入れています。ディバイザー

■Rose材もか……と驚き!大方、特定国による材買い占め等が問題になったのでは……? 神田商会

■遅かれ早かれ規制対象になるかと思っていましたので、いよいよかと感じました。とりあえず、附属書の内容を確認してから対応をしようと。Sugi Guitars

■天然資源ですのでいずれこのようになることは避けられないと思いました。海外に比べて国内では規制に対する対策が不十分だったことは反省せざるを得ないと感じています。業界全体で新しい素材の開発に注力していく時代が来ていると思います。島村楽器

■この規制の背景はさておき、製作に支障をきたすことになる、また他の資源にも波及するのではないかという思いが生じました。デイズコーポレーション

■ああ、遂にここまで来たか?という感じでした。クルーズ

■「マジかよ!?」→「ついに来たか-。」→「いや、ほんとに完成品も対象なのか?」→調べてみる。→「うわー、マジかー。」→「業界震撼だなー。」ラムトリックカンパニー

■輸出入が大変になるなと率直に思いました。指板材他ローズ材の仕入れに関して今後どのようになるのか心配でした。プロビジョンギター

■今現在がどうというより、5年10年先のことを考えるとローズウッドが入手しにくくなるのは間違いなく、市場価格にも影響が出てくるだろうなとは感じました。PCI Japan

■ショックでした。丸太での輸出入が難しくなっているとの噂等は耳に入っていましたが、正式な情報を得たのが12月初頭でしたので、1月のNAMMショウに対して、世界中のメーカーや商社がどの様なことになるのか不安を覚えました。フリーダム・カスタム・ギター・リサーチ

■国によって考え方が違うのに変だなと感じました。また、インドネシアとインドも同意したのかが気になりました。特定国のバク買いが原因なのですが、時代の流れを感じます。ダイキン

写真:イケベ楽器店ベースコレクション
Sugiイケベ楽器店40周年記念モデルNB4TH HR KOA/A-MAHO/NATのホンジュラス・ローズウッド指板

写真:ドルフィンギターズ大阪江坂店
VG-Rose CST HRのホンジュラス・ローズウッド・ボディ

写真:SONIX〔浜松の楽器店 ソニックス〕
Headway 2016年限定HD-115ATBサイド&バックのマダガスカル&ホンジュラス・ローズウッド

Q2. 今回の規制で特に影響を受ける点は?

■申請を行い承認されれば輸出も可能なため、現在のところ事務作業の負担増以外大きな影響は受けておりません。ただし、輸出承認申請の事務作業での負担は増えました。寺田楽器

■材の輸入許可、製品の輸出許可取得への対処は問題なく行なえますので。ぺーパーワークの増大以外には今のところ影響が無いと考えています。アストリアスギター製造

■輸出において、若干の手間がかかります。指板材においてはストックがございますので当面は安心ですが、良材の入手には気を使わなければなりません。T’s Guitar

■世界の取引先への輸出入、双方に影響あり。ESP

■海外工場で製作する完成品ギターの調達不安定がもっとも大きく、手近な影響でしょう。 長期的には、産地を問わずすべての完成品にローズウッド(やブビンガ)が採用されにくくなることが影響でしょうか。星野楽器販売

■輸出入について書類準備が必要になるので手間にはなります。また、良材は古材に多いのですが、そういったものは必要書類を揃えられないケースもあり、せっかく良い材が出てきても今後は輸入・輸出ができない可能性は高いです。ヤイリギター

■すぐに影響が出るわけではないが、いずれ指板用のローズウッドを輸入する際に多少なりとも値段が上がるのではないかと考えています。製品販売に関してはほぼ100%国内向けなので当面の間は特に影響ないと考えています。セイレン

■海外工場で作っている製品の一部は輸入規制の対象になります。材料や製品に関して、出来る限り影響を最小限にするよう規制に準じた輸出入を続けるよう対応しています。ディバイザー

■①迅速な輸出入の対応ができなくなる。②書類の山(無駄な時間と経費)。神田商会

■当社の販売メイン市場は日本国内のため、輸出に関してはあまり大きな影響はありませんが、木材の海外調達先では輸出業務の煩わしさゆえに輸出をやめてしまう木材業者が増えてきています。現地で購入できたとしても、入荷までの期間が大幅に伸びコストアップとなってきております。社内では個々の輸出製品に対して再輸出証明を取るための書類準備等、今までに無かった作業が増えております。Sugi Guitars

■エントリークラスを中心とした海外からの輸入を行なうブランドは最も大きな影響を受けています。ビンテージ・スタイルを継承するモデルではローズウッドの使用頻度が極めて高く、ブランドを問わず今後影響が出てくると考えています。国内での製造販売に限ったブランドであっても原材料輸入の必要はあるため価格への影響は懸念されます。島村楽器

■カスタムオーダー品の受注が難しくなると思います。価格についても不安材料です。デイズコーポレーション

■将来の楽器作りを考え直す必要はあります。大量に楽器製造しているわけではなく、販売もほとんどが国内向けのため早急な影響は無いでしょう。クルーズ

■木材の調達コストが上昇するのは避けがたいでしょう。製品の輸出については手続きが面倒になるという程度の影響かと思われます。ラムトリックカンパニー

■海外向けの販売は基本行なっていないので影響ありませんが、材の仕入れ、輸入が影響を受ける点だと考えています。プロビジョンギター

■LAの工房で作られるXotic Guitar/Bassは、ローズウッドを使用するものも多く、原産地証明など輸入書類の申請が必要になり、入荷が遅れることがありそうですね。国内製造も海外に出荷することが多くなってきているので、こちらも準備などが必要になってきます。USA、日本ともに今後は値段が上がってくる可能性があり、定価設定そのものに影響があるかもしれません。PCI Japan

■現時点ではローズ系の木材の入手先においてCITESに関する書類の不備はありませんが、楽器本体を輸出する場合、書類を入手する手間と時間が付加される状況です。また、木材の流通に対してかかる経費増が予測され、今後の値上がりにつながる可能性も危惧されます。フリーダム・カスタム・ギター・リサーチ

■当面は輸出関係者からのCITES取得のための事務手続きが発生しています。違法でない限り、問題なく集荷できますが、単価が上がることと、量が少なくなる可能性が大きいです。顧客の購買動向は、まだお客様自身の認識が十分ではなく変わらない状況です。ダイキン

写真:クロサワ楽器デジマート店
K.Yairi By Ken-206サイド&バックのマダガスカル・ローズウッド

写真:山野楽器本店4Fギターフロア
FREEDOM CUSTOM GUITAR RESEARCH RRCのブラジリアン・ローズウッド指板

写真:イシバシ楽器デジマート店新宿店
ATELIER Zの2016年限定器、E#286/2016 Limited EVOLUTIONのハカランダ指板

Q3. 影響を受ける点において何か対応策はとられていますか?

■例えばフィンガーボードをローズウッドからエボニーなどに変更を希望される場合も出て来ており、その都度対応しております。寺田楽器

■特に変更する予定はありません。輸出についても2017年最初の出荷について経産省の認可済みであり、スムーズに対応できています。アストリアスギター製造

■今のところ、何も変更は予定しておりません。T’s Guitar

■現時点では、現行品の仕様・価格などの変更は考えていない。将来的には、それらの規制を考慮した上での商品開発、販売計画が必要であると考えるが、規制に対する否定的なことだけでなく、これまでの固定概念にとらわれない新たな開発に取り組むチャンスであると捉えている。ESP

■代替材料の研究や確保も大事ですが、まず状況と事態をお知らせするという意味での、お客様に対するインフォメーションの準備が第一だと考えています。星野楽器販売
※編註:実際の対応はこちら 

■素材は長期自然乾燥を基本とし、材自体はある程度のストックを常に確保しています。(対応策は)今のところ特にありませんが、これから数年の動向を見ながら検討していきたいと思っています。ヤイリギター

■輸出する可能性のある製品に関してはローズウッド以外の素材を使うなどの対策は必要であると考えています。昨年輸入規制の事実が確認できた時点で、ローズ材を少し多めに購入しました。セイレン

■現状では許可を取って、ローズウッド材の仕入れと使用を出来る限り続ける予定です。今回の規制を要因とした価格調整や仕様変更の具体的な予定はありません。ディバイザー

■様子を見る。神田商会

■輸出に該当されるお客様に対してはできるだけ代替材をご提示させていただいております。ブランド・スタート当初よりDalbergiaに限らずいろいろな木材を製品に使用し、より多くの樹種をプレイヤーの方々にプレゼンし認知していただけるよう取り組んでおります。Sugi Guitars

■国外製造ブランドに関しては適用前にある規模で商品として生産確保しています。国内製造販売のブランドでは、現時点の生産販売規模に対して材料は充分にある状況です。いずれも並行して長期的な視点では仕様変更を検討していきます。島村楽器

■在庫の充実は計りたいですが限度があります。他の方策を考えます。デイズコーポレーション

■多かれ少なかれ仕様変更はなされるでしょう。クルーズ

■現時点では考えていません。何事にも臨機応変に対応していくしかないと思っています。ラムトリックカンパニー

■ローズ指板のストック補充は急務に行なう予定です。仕様の変更もやはり視野に入れています。価格に関しては出来る限り現状のままで取り組む予定です。プロビジョンギター

■USAから聞いている情報では、すでに持っている材に関してはすでに原産地証明などを取得し、申請段階に入っているので、今のところのストック在庫に関しては日本への出荷は問題ないだろうとのことです。日本からの輸出も諸々の申請を進めています。価格は今後の木材調達価格にもよりますが、今の段階では変更するに至っておりません。PCI Japan

■今後もCITES書類を完備した木材を入手する予定ですので、仕様の変更などは現在のところは考えておりません。すぐにではありませんが、今後、新たなトーンウッドの入手と調査は必要になると思います。フリーダム・カスタム・ギター・リサーチ

■Shipperからの要請が具体的でないので対応のしようがなく、以前と変わらない発注の仕方をしていきます。最近引き合いを出したインドローズは単価が20%余り上がっています。これがCITESの兼ね合いで上がっているのかどうかは不明です。ソノケリンも単価が上がりそうですが、まだ具体的ではないです。ダイキン

写真:LAST GUITAR
ASTURIAS RECORDING ROSE SR CUSTOMのローズウッド・サイド&バック

写真:山野楽器ロックイン新宿B館
Sonic SLP-Sのローズウッド指板

写真:chuya-online.com FUKUOKA
Provision TEC-TL/LTD-KARAKUSAのマダガスカル・ローズウッド指板

Q4. ローズウッド種に代わる貴社イチ押し素材(加工)があれば教えてください。

■パーフェローなどの木材や圧縮材などの使用も検討を始めておりますが、正式採用にはさまざまなテストが必要なため、現時点では代替材の使用予定はございません。寺田楽器

■代わりになるものはなかなかないと思いますが、その都度あるものを探して、あるいは試して製作に取り入れたいと思います。T’s Guitar

■社外秘事項!ESP

■すでにボリビアン・ローズウッドやオバンコールなどは使用しておりますが、それぞれ個性を持った別材として扱っています。音質面で完全に代用になるものは無いと思っています。ヤイリギター

■価格の高い製品についてはアフリカン・ブラックウッドとか。エボニーに逃げるのはなんとなくつまらないので縞黒檀とかいいなぁとか。他は現在調査中です。セイレン

■他社、木材業者、ギター工場、各社いろいろと話がきますが、特に良いと思ったものはなし。神田商会

■製作しようとする楽器に必要な要素を持っていればどのような材でも良いと考えております。Sugi Guitars

■現時点で一押しと言える素材はまだありません。製品の価格帯やキャラクターによっても変わるため一概には言えない面がありますが、木材ではエボニーやパーフェローの価値が見直されています。一方、エンジニアリング・ウッド(編註:集成材、積層材、合板など)や炭素繊維素材などの非木材にも注目しています。島村楽器

■新素材に関しては、そういったものが得意な同業者さんにお任せするとして、その後の情報によると、インドやインドネシアなどの産出国でも今回の規制に対して批判的であり、供給に問題ないので自由に輸出したいという立場のようです。やはりできれば従来通りローズウッドを使用していきたいですね。ラムトリックカンパニー

■指板に関して言えば、今までも使用していたパーフェローを今後考えております。プロビジョンギター

■ローズウッドに“代わる”となると現在のところはまだ探し中となりますが、最近採用し始めたローステッド材は今後楽しみな材のひとつです。PCI Japan

■現在のところ特にありません。開業当初からさまざまなローズウッド種の指板材等を入手し製品にしながら検証などは行なっていますが、それらの木材と新種の材とのトーン構成の違いを見極め、活かし、完成されたトーンへの道筋を立てるには、まだ今後のリサーチが必要です。フリーダム・カスタム・ギター・リサーチ

■大概の材は以前から入荷しているので、そこから選ぶようになると感じます。メキシコのグラナディーロ、モザンビークのパーフェローあたりですが、特定国の買いが半端ではないので、仕入れも難しくなると思われます。ソノケリン、インドローズは現地挽きだったので、上記の原木、角材を買っても単価は合わないのでどうなりますか?ダイキン

写真:ESP御茶ノ水テクニカルハウス
ESP AMOROUS-CTMのホンジュラス・ローズウッド指板

写真:島村楽器オンラインストア
限定生産モデルHISTORY AH-T50/QM NBKのココボロ指板

写真:イシバシ楽器デジマート店WEBSHOP
Ibanez Guitar Development Center限定モデルのセレクテッド・ローズウッド指板

Q5. ローズウッド種に関して貴社のPRを!

■弊社では輸出承認申請が可能なローズウッド材を数年分確保しております。また、輸出承認申請に必要書類等もご用意可能です。寺田楽器

■膨大な量のストックを持っており、将来の輸出に備えての認可も取得できております。国内向け国外向けを問わず、今後も良質のローズウッドを使用してギターを生産していきます。アストリアスギター製造

■材のストックは豊富にございますので、ぜひご用命を!T’s Guitar

■長期にわたり膨大な量の厳選されたローズウッドを保有しているので国内製造分に関しては当面問題ありません(国内需要品に限り)。ESP

■ローズウッドに限らず、ギターに使われる木材は高齢樹の木のさらに良い部分だけという大変貴重なものばかりです。今回、定番材のイメージが強いローズウッドの、それも全種類にワシントン条約が適用されたことで、楽器製作者はもちろんですが、これまでこういったことにあまり関心がなかった広い範囲の人たちも、改めてギターに向き合って考えてくれたら良いなと思います。ヤイリギター

■ウクレレに関して言えば、少し厚めのギターやベース指板があれば、厚み方向に2枚に挽割り、長さも半分にして1枚のローズ指板を4台のウクレレに使えるという非常にエコな楽器です。森林資源を有効に活用しムダにしないためにも、皆さんぜひウクレレを弾きましょう!セイレン

■条約は遵守しつつ、材が手に入る限りはこれまでどおり上質なローズウッドをお客様に提供していきます。ディバイザー

■以前にもましてストックや入手ルートは拡大中。神田商会

■現状ではDalbergiaの社内ストックは数種類用意してありますが、供給元については変更または増やす方向です。今後も容易ではないといえ、引き続き入手は可能です。今後も自然木、人工木を問わず楽器として成立するものであればどんどん提示させていただきます。Sugi Guitars

■国内外で複数の生産工場と提携させていただいており、そのおかげでさまざまなルートから安定的に供給いただいています。島村楽器

■今はいろいろと探している段階です。デイズコーポレーション

■材のストックはある程度は持っています。材木が大好きなもので。クルーズ

■ローズウッドに限らず、世の中には木材の無駄使いとしか思えないような楽器も存在します。今回の規制をきっかけに、コスト最優先のメーカーさんには別の安い素材に移行していただいて、本当の楽器を作っている良心的な業者さんには良い材が安定的に供給されるといいなぁと思います。ラムトリックカンパニー

■ローズ指板のストックの補充を出来る限り行ない、ユーザー様のニーズにお応え出来るようにしたいと考えております。プロビジョンギター

■現段階ではという話になりますが、ローズウッドに関しては出来るだけいい材料を確保して安定した供給を目指すということで進めております。弊社は日本国内だけでなく他国からも購入できるメリットはありますので、今のところ混乱を招くような動きはしないように進めています。PCI Japan

■ローズ系材のストックは自社に充分あることや、今後も書面完備などがしっかり行なわれている入手先から仕入れることとなりますのでご安心ください。フリーダム・カスタム・ギター・リサーチ

写真:御茶ノ水楽器センター
Zemaitis S22ST-3S/JACARANDAのハカランダ指板

写真:Hoochies (フーチーズ)
Crews Maniac Sound Vintage Line V-QUEENのハカランダ指板

写真:(株)MUSICLAND KEY大阪心斎橋店
Xotic XS-2 Aged Black Alderのローズウッド指板

フェンダー社からの公式回答

 今回は国内のメーカー/ブランドさんを中心にアンケートしましたが、米国フェンダー社からもオフィシャルな回答をいただきましたので最後に紹介いたします。

Q1. すべてのローズウッド種輸出入規制のニュースを初めて聞いた時の感想は?
A. FENDER MUSICAL INSTRUMENTS CORPORATION(以下:フェンダー)は、責任ある木材種の採取及び流通という方針を支持しております。そのため今回の決定は驚くものではありませんでした。私どもは新たな要求事項を遵守するための努力を重ねております。

Q2. 今回の規制で特に影響を受ける点は?
A. 新たな要求事項によれば、輸出国当局からの輸出許可が必要となり、いくつかの国では輸入許可が必要になる。私どものビジネスへの最も大きな影響としては、これらすべての許可を取得するための調整を行なうことですが、これには多くの時間とリソースが必要となります。

Q3. 影響を受ける点において何か対応策はとられていますか?
A.
フェンダーもしくはそのサプライヤーは、ローズウッドやローズウッド製品の輸出入を継続するために必要な許可を取得します。

Q4. ローズウッド種に代わる貴社イチ押し素材(加工)があれば教えてください。
A. 今のところ、ローズウッドの使用を取りやめる予定はございません。

写真:イシバシ楽器デジマート店池袋店
Fender Custom Shop MBS 1967 Telecaster Relic "Rosewood Neck"のインディアン・ローズネック&指板

写真:イケベ楽器店ギターズステーション
Fender Custom Shop MBS Rosewood Jaguarのインディアン・ローズウッド・ボディ

アンケートを終えて

 まずは、アンケートにお答えくださったメーカー/ブランドの皆様、お忙しい中にご協力いただき大変ありがとうございました。大胆な規制強化直後で、心配、不安、自暴自棄?になりつつあった読者諸氏のざわついた気持ちを静めるのに充分な現況をお示しいただき、かつ当面のローズウッド楽器供給にほぼ不安が無いことが回答から明白となりました。そんな中、木材販売末端業者でもある筆者がアンケート回答で気になったのは以下になります。

規制強化に至る要因の一つになった特定国、他産業の存在
ローズウッド産出国の本音
なぜオール規制?
代替材の難しさ
書類取得の煩雑さ

 については、今回のような国際的な規制を進めるしか、資源保護に歯止めをかける手段がなかったということでしょうか。「楽器業界はとばっちり受けた(アストリアスギター製造)」との回答に激しく同意します。

 のローズウッド産出国の本音、つまり“モノがあるのだから売りたい”という姿勢については、産出国側が資源の永続的な供給を確保したうえで認証を進めることによって、輸出数量の確保が図られるものと期待します。政府、輸出業者とも今までにない仕事が増えて大変だとは思いますが、施行後の輸出もすでに始まっているとのこと、安定的な供給を願っております。

 は、輸出入に関わる職員(税関など)の負担軽減の意味合いもあるかと思います。外見や比重はとても似ているのがローズウッドですからね。今後、疑わしきは即規制となりそうです。

 の代替材の選択については、材種だけで楽器価値を決めてしまうこともある悪しき保守的感覚(売り手、買い手側ともに)が大いに災いしそうな予感です。ローズウッドを超えるポテンシャルを持つ楽器素材はほぼ存在せず、あってもすでに規制種だったりするのが悲しい現実です。当面の心配はいらないとの回答がほとんどでしたが、将来を考えると、非木材や加工方法等によるハイテク材の開発、採用も大きく望まれます。加えて音質など楽器としての本質的部分を重視し、リセールバリューなどにとらわれない買い手側の柔軟な選択姿勢も必要な時代であることは間違いありません。

 今回の規制により、認証を得るために多くの書類を作成し、申請する機会が各所で増えました。通産省のウェブサイトには事細かに書式が用意されていますが、入手から時間が経過した材を再輸出する場合など、実際にどこまで書類が整うのか疑問や不安が尽きません。担当部署に電話したら「すべてサイトに書かれています」と一蹴されたとの声もあり、個人的にはさらに自習する必要がありそうです。日本では申請からおおむね1週間以内に輸出入認証の可否決定が可能とのことですが、外国では60日とか90日といった例もあるようで、それではまったく仕事になりません。

 今回の規制強化による影響は、すでに輸入楽器や材流通などに出始めています。事務手続きの遅れでビジネス・チャンスを逃すことは絶対に避けたいところですが、ここしばらく、この業界は今までにない仕事で振り回されそうな予感です。みんなの大好きなローズウッド資源が枯渇することなく、楽器業界に安定した供給が続くことが最も望ましいことですが、この先、何が起こるかわかりませんので、念のため前号で提案しましたトーンウッド自給自足プロジェクトも継続してまいります。温暖地にお住まいで土地に余裕がある読者の方、ぜひご参画ください。

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プロフィール

森 芳樹(FINEWOOD)
1965年、京都府生まれ。趣味で木材を購入したのが運の尽き、すっかりその魅力に取り憑かれ、2009年にレア材のウェブ・ショップ、FINEWOODを始める。ウクレレ/アコースティック・ギター材を中心に、王道から逸れたレア・ウッドをセレクトすることから、“珍樹ハンター”との異名をとる。2012年からアマチュア・ウクレレ・ビルダーに向けた製作コンテスト“ウクレレ総選挙”を主催するなど、木材にまつわる仕掛け人としても知られる。

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