ヘッドウェイ/桜モデル10th Anniversary〜四季折々のストーリー|冬
- 2024/05/23
オーディオ機器
10月某日、うららかな秋晴れの気持ちよさに、まったりしていたオーディオ部。そこへ突然届いた一通のメール。“え~どれどれ……ななな、なんじゃとお!!!”。 眠い目をこすっていた部員に衝撃が走る。メールの主は、老舗オーディオ専門誌『月刊ステレオ』の編集部を名乗り、何と我がオーディオ部とコラボレーションしたいという。いや~……今回ばかりは荷が重すぎるやろ。なんせアチラさんはガチのオーディオ専門誌やでえ。無理無理! 絶対無理っス!
編集部に届いたメールがこちら。先方とはまったく面識なし。キューバ特集で活躍してくれたカメラマンさんの紹介みたい。どうしよ~
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さっそくお断りの電話を入れることに……
互いの雑誌で記事を作り合うっていうことなのかな? とってもありがたい話だけど、オーディオ専門誌に登場する勇気はないので、丁重にお断りしましょう。
── (トゥルルルルル、ガチャ)ちわ~ギター・マガジンなんですけど~
ステレオ編集部 あ、どうもどうも、さっそくご連絡ありがとうございます! で、どうします? 何やります?
── あのう、すみませんけど我々はあまりにオーディオ初心者なので、ちょっと今回のお話は荷が重すぎるかと……
ステレオ編集部 いつもギタマガ読んでますよ! 最近の特集はアツいですよね~。ぜひオーディオ部とコラボしたくて!
── いや~ぶっちゃけ、そちらにもあまりメリットがないような気が……
ステレオ編集部 編集部イチオシのギター名盤なんかを紹介してもいいですしね!
── あの、聞いてます……?
ステレオ編集部 大丈夫! やりましょう! ぜひやりましょう!
── うう……じゃ、じゃあそこまで言っていただけるなら……
ステレオ編集部 ありがとうございます! では詳細はお会いした時に!(ガチャ、ツー、ツー……)
あ~結局、引き受けてしまった……というわけで、何とオーディオ部初となる他誌とのコラボレーションが実現。ステレオ編集部に乗り込むぜ! やるからには爪痕を残しちゃる!
音楽之友社が発行する『月刊ステレオ』は1963年創刊。超がつくほどの老舗雑誌です。写真は12月19日発売の最新号なんだけど、表紙の物体が何なのかもわかりません。
我々のようなオーディオ初心者とは戦闘力が3ケタ以上違うガチンコの専門誌でございます。
どーん。音楽之友社に到着。いかにも“老舗出版社”って感じの風格があります。いざ!
正面玄関横の入り口の奥に編集部の試聴室があるらしい。さぞかしすごい機材があるのでは……。
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はじめまして
ギタマガ・オーディオ部です!
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ようこそ
いらっしゃいました!
想像以上に陽気な編集部でひと安心しました。
で、相談の結果
プロトタイプの蓄電池をオーディオで使ってみる実験企画なりました!
今回試してみるのがこちらのHonda製蓄電池、リベイドE500。2018楽器フェアのクロサワ楽器店のブースにてギター・アンプなどでもすでに実験済み。部員のN沢曰く、“ノイズが少なく、音の張り出しも明らかに増した”とのこと。
一番左のブラックが現在発売中のもので、シルバーの3台は何とオーディオ用にチューニングされたプロトタイプだとか。どれも通常の壁に設置してあるコンセントと違って、ノイズなどに改善が期待できるとのこと。その実力とは?
ステレオ編集部の試聴室に機材をセッティング! いつもはオーディオの取材で使っているような場所だけに音質にも期待大。
音楽スタート! 鋭い眼光はまさしく歴戦の編集者だ。「やはり通常の電源とは音質が違いますね」とのこと。
吉野 音量が上がってないのに、明らかに低域が増したように聞こえました。通常モデルの時点で壁の電源よりも音が良かったですよ。
野呂 確かに、押し出し感が増したのはかなり感じましたね。
いよいよオーディオ用にチューニングされたプロトタイプを実験。まずはこちらのモデルAから。
「明らかに音楽的になりましたね」、「立体感が違うんじゃない?」とご満悦。
吉野 よりメリハリがついて、ギターのエッジが立った印象です。音が立体的で、よりオーディオ的になったなと。
野呂 バランス的には高域に力が増した感じがしましたね。
続いてプロトタイプのモデルB。ここからはアンプの電源も蓄電機から供給してみることに。
「空間に高さが出ましたね。よりノイズから解放された印象です」とのこと。
吉野 Aに比べて高域がマイルドで、ピアノのタッチが柔らかくなってより聴きやすくなったかなと。それでいて低域がハッキリしていて、個人的にはこっちのほうが好きかもしれない。
野呂 よりオープンに音が展開するようになったと思う。Aよりも俯瞰で聴いているような印象を受けました。
最後はプロトタイプのC!
さらなる高音質にうなる一同。これは別次元かもしれませんね。
野呂さんが完全に
昇天しちゃってます
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吉野 これが一番理想的というか、全体的に一番バランスが良かったですね。
野呂 先ほどの2台の間をとっている感じで、より情報が豊かになりました。
何聴きます〜? え~っと、あ、あったあった。
ででーん!
趣向を変えて、スレイヤーを聴いてみましょう。オーディオ・ファンにもメタル好きは多いらしいし。
スレイヤー最高!
これもプロトタイプCが一番合いました。「各帯域がクリアになるので、刻みリフのタッチも明確になります」だそう。
最後は70年代ナイジェリア・ファンクのギター名曲を聴きましょう。イナたい音質だとどうなるのか……?
「これはプロトタイプAの方が合いますね。音がクリアすぎて、ビザールなギターの音色が負けてるかも」。奥が深い!
思い思いの音源を聴きながら、完全なる部室状態に。もうこの部屋は、オーディオ部の部室として勝手に認定します。
吉野 今日はとてもおもしろかったです。今までにない新しいものだし、製品化されるのが楽しみですね!
楽しかったです!
以上、ステレオ編集部の試聴室にて蓄電機レポートでした。そして、ギタマガ・オーディオ部のコーナーが月刊ステレオ1月号に掲載されるので、そちらも要チェック!
本記事は、リットーミュージック刊『ギター・マガジン 2019年1月号』の記事を一部転載したものです。今号では“音楽で世界を変えようとした男の知られざるギター美学”と題し、ジョン・レノンを大特集。ビートルズ時代からソロ期と幾多の研究がされてきた中、あまりやられていないだろう“ギター弾きとしてジョン・レノン”を徹底的に見つめる企画です。そのほかにも、FREE THE TONE特集・Part.1エフェクター編や、ALEXANDROS・白井眞輝へのインタビュー記事など多彩なコンテンツを収録。ぜひチェックしてみてください!
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