世界中の多くのトップ・プロが、大規模なチューブ・アンプ＋ラック・システムと比肩し得るサウンドと認めた、フラクタル・オーディオ・システムズのオールインワン・プロセッサー「Axe-Fx III」。その同等のサウンド・クオリティをフロア・ユニットで実現した最新モデルが登場した。

　「FM3」は、チューブ・アンプならではの深く澄み切ったクリーン・トーンから、ピッキング・ニュアンスを正確に表現するオーバードライブ、さらにモダン・ディストーションまでリアルに再現。最新のアンプ・モデリング “Ares” は、これまでに同社が開発してきたものの中で、もっとも表現力豊かであり、なおかつ音楽的。ピッキングのニュアンスに対し、オリジナル・アンプに極めて近いリアクションを起こす。スピーカー・キャビネットも豊富で、「Axe-Fx II」のキャビネット・モデルを収めたレガシー・バンクと、メジャー・ブランドが作成した2,200を超えるインパルス・レスポンス（IR）を搭載した2ch仕様。実際のレコーディングやステージで用いられる、2つのスピーカー・キャビネットを組み合わせたり異なるマイキングをミックスするといったテクニックが再現可能となっている。また、1,024のユーザー・キャビネット・エリアには、サードパーティ製のIRをロードすることも可能だ。

　エフェクターに関しては、最先端のエフェクト・アルゴリズムを搭載。ドライブ、ディレイ、リバーブ、コンプレッサー、EQ、フェイザー、フランジャーのほか、モジュレーションからルーパーまで、多数のエフェクトを網羅している。デジタル・シグナル・プロセッサーは、ARMコア×1とSHARC+コア×2から成る3コアの “Griffin” DSPを搭載。コンパクトでありながら高い能力を発揮する。また、専用のグラフィック・プロセッサーを採用することで、メインDSPを重要なオーディオ処理に専念させている。

　3つのフットスイッチは、カラーLEDリングとミニLCDディスプレイを装備。それぞれにタップ（短押し）とホールド（長押し）機能が設定でき、カスタマイズ可能な8タイプのスイッチ・レイアウトにより、さまざまな使用方法に対応する。さらに “View” 機能により、3つのスイッチのみで仮想12スイッチ・コントローラーのすべてのスイッチにアクセス可能。また、FASLINK II ポートにFCシリーズ・コントローラーを接続することで、フットスイッチだけでなくエクスプレッション・ジャックやフットスイッチ・ジャックが増設される。加えて、FC-12またはFC-6フット・コントローラー（最大2台）をデイジー・チェーン接続すれば、フットスイッチを最大27個まで拡張できる。

　USB接続に関しては、MacまたはWindowsコンピューターに対応。再生／録音／リアンプ用の非常に高品質なオーディオ・インターフェイスとして機能し、よりハイクオリティな音楽制作環境を実現する。スタジオ・レコーディングにおいては、FM3のステレオ出力の録音やリアンプ、ライブ・パフォーマンスにおいてはFM3のステレオ信号とステレオ・バッキング・トラックの同時出力が可能だ。そして、FM3用のMac/Windows対応エディター「FM3-Edit」も用意。プリセット全体を瞬時に確認でき、ブロックやパラメータの編集・管理、コピー／ペースト、ドラッグ＆ドロップ、プリセット名の表示の変更などが行なえる。さらに、Axe-Fx III用のプリセットをFM3用に変換、またその逆も可能となっている。

　世界中のトップ・プロが認めるサウンド・クオリティと性能を、この機会にぜひ体感してほしい。

リア部

フット・コントローラーFC-6 、エクスプレッション・ペダルEV-1を組み合わせた状態